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2018年5月19日、安倍総理大臣は、福島県いわき市で開催された第8回太平洋・島サミット(PALM8)に出席しました。安倍総理は首脳会合に出席し、開会セッションの冒頭で発言を行いました。
「気候変動は、太平洋島しょ国にとって最も重要な問題ですから、タラノア対話を含め、協力してまいります。
これからも、海を守ることは地球と人類を守ることだと思いを定め、努力を皆様と続けてまいります。
これから力を入れたいのは、第一に、海の秩序に法の支配を打ち立てることです。古来、私たちの海の恵みをもたらしてくれた太平洋。その太平洋で我々が昔から持っている権利を、国の大小に関わりなく守ってくれるのが法の支配です。各国の法執行能力を含む、海を守る能力の向上に、日本は助力を惜しみません。皆様には、日本の漁業活動に、格別の配慮をお願いしたいと思います。他方、皆様自身の警備力、資源保存の能力を高める力添えは、日本が、自信と誇りをもって担える役割であると思っています。
第二に、自立的で、持続可能な繁栄が実現できるよう、ハード、ソフトの質の高いインフラ整備に努めることです。
そして第三に、人と人との交流を一層盛り上げ、PALMの未来を背負って立つリーダーたちを、皆様と一緒に育てることです。向こう3年、次なる集まりまでの間に、5,000人以上の育成、交流に取り組もうと思っています。
皆様、太平洋と言い、インド洋と呼んで区別する習わしは、あくまで人為的、便宜的なものです。2つはもとより、一体です。はるかな昔、交易によって2つの海の交わりをもたらしたのは、PALMの父祖たちでした。hutiというタンザニアの言葉は、ポリネシア語のpuntiが語源だとする説があります。どちらもバナナのことです。太平洋からアフリカ東海岸へと、バナナは渡りました。運んだのはPALMの父祖たち、人類史に現れた、最も偉大な航海者たちでした。
私たちが生きる青の太平洋は、青のインド洋と一体です。機会と可能性は2つの海に共存し、解くべき問いと、募る危機も、両洋をまたいで不可分なのです。この際、2つを巨視的に見る拡大海洋アイデンティティを、私たちひとりひとり、身につけようではありませんか。それは私たちの視野を、地理的に広げます。超長期の時間軸で、広い海洋のシステムを見る視座を与えてくれます。
PALMプロセスは、始まって21年。長い距離、バトンをつないで走るリレー競技さながら、私たちはここまできました。PALMのプロセスは、日本で、太平洋諸国で、草の根の人たち、ビジネス界、学界の人々を含め、無数の人たちが努力してつないだ流れです。私たちは、先人たちの苦労に心からなるお礼を申し上げ、挨拶を閉じようと思います。」
© 2009 Cabinet Office, Government of Japan