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Highlighting JAPAN

 

 

「明治150年」に開拓精神を学ぶ

2018年は明治元年から起算して満150年に当たる。そこで国の各省庁や地方公共団体、民間企業も加わり、日本各地で「明治150年」の関連施策が進められている。取組の目的や内容、注目の地域などを紹介する。

「『明治150年』の目的は主に2つあります」と内閣官房「明治150年」関連施策推進室企画官の植草泰彦さんは語る。
「一つは日本の次世代を担う若い人たちに明治の精神を学んでいただき、今後の日本を考えるきっかけとしていただきたいということです。幕末の混乱を乗り越えて始まった明治期は、能力本位の人材登用が行われ、若者や女性が新たな道を創造した時代でした。奇しくも現代の日本もまた、急速に進む少子高齢化や混とんとする国際情勢など、江戸末期のように先行きの不透明な時代です。その意味で明治時代の精神に触れ、往時の日本人が抱いていたチャレンジスピリッツに触れることは、若い世代にプラスに作用すると考えています」

二つ目は明治以降の歩みを次世代にのこすことだと言う。
「今回の取組は、明治時代全般を対象にしています。明治時代においては、政治システムや技術革新、産業化の推進、教育体制の充実などが確立されました。その意味で明治期全般に関する文書や写真資料の収集・整理、デジタル・アーカイブ化、建築物復元・修復などを進め、多くの若い世代に見ていただければという意図があります」と植草さんは説明する。

「明治150年」では実に多くの関連施策が進められている。施策数は各省庁で計159、民間団体で計391、地方公共団体では計3659(2018年6月30日現在)。各省庁や団体、地域の特色や歴史、文化などが反映され、バラエティ豊かである。加えて植草さんは、「明治期といえば、維新のメンバーを輩出した薩長土肥をイメージされる方もいらっしゃるかと思います。事実、これらの地域では多くの関連施策も用意されていますが、他にも注目すべき場所は少なくありません。例えば鎖国中の江戸時代、唯一の海外との接点だった長崎、維新による東京遷都で沈んだ街に活力を呼び戻すために建設された琵琶湖疏水ある京都、戊辰戦争の舞台となった福島、江戸時代末期から明治にかけて活躍した探検家・松浦武四郎によってその名が命名され、やはり150周年を迎えた北海道、また東京においても明治後期に東宮御所として建築され、一般公開されている迎賓館赤坂離宮等もあるなど、それぞれ違った角度から明治の精神に触れることができます。日本の方はもちろん、外国人観光客の皆様にも、わが国の多様な側面を感じていただけるのではないでしょうか」と話す。

「『明治150年』は次世代への力強いエールであるのもさることながら、地方の観光振興、活性化につながる効果もあります。実際にその地で公開されている歴史的建造物や企画展、史跡名勝に足を運んでいただければ経済効果も期待できます。今回の「明治150年」を、是非多くの方に体感していただければと考えています」と植草さんは言う。

明治150年に当たる2018年は残すところ2ヵ月あまりだが、2019年にも取組は続けられる。下記URLや各地の観光協会などに問い合わせ、興味のある場所を訪ねてほしい。


【明治150年】
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/meiji150/portal/