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天皇陛下御在位三十年をお祝いして

天皇陛下は今年、御即位から三十年を迎えられ、2月24日、東京千代田区の国立劇場で挙行された日本政府主催の天皇陛下御在位三十年記念式典にご臨席されました。式典には三権の長、閣僚、国会議員、各国駐日大使、地方公共団体の長、各界の代表など約1,100名が参列しました。

安倍晋三内閣総理大臣は式辞として「この30年、陛下は日本国と日本国民統合の象徴として、一つ一つの御公務を心を込めてお務めになり、国民に寄り添ってこられました。『「内(うち)平(たい)らかに外(そと)成(な)る』。私たちはこの思いの下、陛下と共に30年の歩みを進めてまいりました」と述べました。

国民代表の辞で、福島県の内堀雅雄知事は両陛下が東日本大震災後、幾度となく福島県をご訪問されたことに触れ「お心のこもった慰めと励ましのお言葉をお掛けくださり、地震、津波、原子力災害という世界に例を見ない複合災害からの復興を進める福島県民は、明日に向けて歩みを進める勇気を頂きました」と述べ、元参議院議員・元外務大臣・元環境大臣の川口順子氏は、2006年、両陛下の東南アジアご訪問に随行した際のことに触れ「両陛下は、外国においても無私を貫かれ、お心をこめて人々と接していらっしゃいました。このようなお姿を拝見した時ほど、日本国民であることを誇らしく、また幸せに感じたことはございません」と述べました。

記念演奏では、天皇陛下がお詠みになった琉歌に皇后陛下が曲を付けられた「歌声の響」を沖縄県出身の歌手三浦大知さんが、皇后陛下作曲の「おもひ子」をソプラノ歌手の鮫島有美子さんがそれぞれ歌いました。

天皇陛下はおことばの中で「平成の30年間、日本は国民の平和を希求する強い意志に支えられ、近現代において初めて戦争を経験せぬ時代を持ちましたが、それはまた、決して平坦な時代ではなく、多くの予想せぬ困難に直面した時代でもありました」と述べられました。また「これまでの私の全ての仕事は、国の組織の同意と支持のもと、初めて行い得たものであり、私がこれまで果たすべき務めを果たしてこられたのは、その統合の象徴であることに、誇りと喜びを持つことのできるこの国の人々の存在と、過去から今に至る長い年月に、日本人がつくり上げてきた、この国の持つ民度のお陰でした」と述べられました。また、「日本が苦しみと悲しみのさ中にあった時、少なからぬ関心を寄せられた諸外国の方々にも、お礼の気持ちを述べたく思います。数知れぬ多くの国や国際機関、また地域が、心のこもった援助を与えてくださいました。心より深く感謝いたします」と述べられました。

天皇陛下は平成が始まって間もなく全国各地より「私たちも皇室と共に平和な日本をつくっていく」との言葉が寄せられたことを明かし、「静かな中にも決意に満ちた言葉を、私どもは今も大切に心にとどめています」と述べられ、我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈られました。