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June 2020

笑顔を呼ぶかわいい「キャラ弁」

栄養満点のかわいらしいキャラ弁

今日本では、子どもたちに人気のアニメキャラクターやかわいらしい動物をモチーフにした食材を組み合せて作る「キャラクター弁当」が人気である。凝ったデザインの弁当はかわいらしいだけではなく、家族の絆を強めるとともに、子供の食わず嫌い解消にも一役買っている。

キャラ弁教室「お弁当4KIDS」での丸尾知美さん

略して“キャラ弁”と呼ばれる「キャラクター弁当」は、アニメキャラクターや動物などを模して、おかずを盛りつけたお弁当をいう。子どもたちが苦手とする食材も上手に視覚的にデザインすることで食べてもらえる。デザインも彩りも豊かなキャラ弁は、作り手によって種類も様々である。

フードイベントやキャラ弁紹介書籍などでその作り方と楽しさを伝えている丸尾知美さんは、「キャラ弁は、子どもとのコミュニケーションツールの一つ」と語る。彼女の肩書はフードデザイナーで、キャラベニストとも称される。

「子どもが好きなもの、興味のあるものをモチーフにしたお弁当を作ってあげると、“私はあなたのことに関心を持っているよ”というメッセージを伝えられます。たとえば子どもと一緒に観た映画のキャラクターや、印象的な場面をイメージしてキャラ弁を作ってあげるのもおすすめです」

丸尾さんは2004年、長男が幼稚園に通い始め、週に4日弁当を持たせるようになったことをきっかけにキャラ弁作りを始めた。当時はまだキャラ弁は一般的ではなかったが、4歳の息子が幼稚園でも食事の時間を楽しく過ごせるようにと考え、試行錯誤しながら取り組んだという。

「子どもが喜んで、空っぽになった弁当箱を持ち帰って来てくれることが楽しみでした」と丸尾さんは振り返る。

やがてイメージ通りのキャラ弁を作れる腕前になると、見事な出来栄えを見た息子の友だちのお母さんたちから、「どうやって作るのか教えてほしい」とお願いされるようになった。そこでキャラ弁教室「お弁当4KIDS」を立ち上げ、ブログを通じて依頼があった時に不定期で開催するようになった。今では、ブログを見た企業や自治体からキャラ弁作りのイベント開催を依頼されることも多い。

栄養満点のかわいらしいキャラ弁

また、最近は蓋を開けるとまるでキャラクターが弁当箱から飛び出すようにデザインされた「3Dキャラ弁」の人気が高い。動物の耳や手や鼻など立体的な部分を、例えば揚げたパスタを用いて表現し、別の食材に刺して固定する。食べる頃には揚げたパスタが食材の水分を吸って軟らかくなり、食材と一体化するため口の中を傷つけるような心配はいらない。

模様には海苔やチーズ、ハムなどを使い、マヨネーズで密着、固定する。注意点は、食材が蓋に当たらない高さに料理を詰めること。蓋に食材がくっついてしまうと、元のデザインがわからなくなってしまうからである。

ただし、もちろん見た目だけではなく、「おいしさ」が一番大切だと丸尾さんは語る。

「白いご飯に昆布やチーズなど、組み合わせておいしく食べられる素材を選んでいます」

また、衛生面を配慮して食材が新鮮なうちに仕上げることも心掛けている。丸尾さんは、下準備から長くても1時間以内、デザインも、あまり細部までこだわらずにシンプルにすることも必要とアドバイスする。

近年は海外からの日本ツアーでキャラ弁教室が組み込まれるなど、日本のキャラ弁への関心も高まっている。今後は、子どものためはもちろん、自分自身の楽しみのためにキャラ弁作りを習得したいと思う人々を、オンラインを含め様々な方法で支援したいと丸尾さんは考えている。