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  • ホストタウンを紹介するウェブサイト
  • 2021年2月20日と21日に開催された「ホストタウンサミット」のバーチャル会場
  • 勝野 美江・内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局 企画・推進統括官
  • ホストタウンのロゴ
  • 神奈川県横浜市で開催された日本人の踊り手とアフリカのドラム「ジャンベ」演奏者とのイベント(2019年8月)
  • 神奈川県川崎市で開催された高校生とイギリス人陸上選手との交流(2019年5月)
  • 山形県鶴岡市で開催されたモルドバ料理教室(2017年8月)
  • 宮城県名取市で開催されたカナダを紹介するイベント(2019年7月)

June 2021

ホストタウンの取組:東京2020大会へ向けて

勝野 美江・内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局 企画・推進統括官


「ホストタウン」は、日本各地の人々が、今年(2021年)夏に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京大会)に参加する国・地域の人々と交流する取組である。勝野美江(かつの・みえ)・内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局企画・推進統括官にホストタウンの目的や活動について話を伺った。

ホストタウンを紹介するウェブサイト
2021年2月20日と21日に開催された「ホストタウンサミット」のバーチャル会場

ホストタウンとは何かを教えてください。

ホストタウンは、日本の地方自治体の住民と、今年7月から9月にかけて開催される「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」に参加する国・地域の人々が交流する取組です。ホストタウンは、全国の都道府県、市町村などの自治体が登録できます。東京大会は東京を中心に競技が行われますが、ホストタウンは全国規模の取組です。また、オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典ですが、ホストタウンでは、スポーツだけではなく、文化交流など幅広い活動が行われます。さらに、大会後にも交流が継続することを目指しています。ホストタウンの大きな魅力の一つは、オリンピックやパラリンピックに参加する選手を始めとして様々な人との交流を通じて、お互いの国・地域に対する理解を深められることです。

実は、ホストタウンは、オリンピック・パラリンピックの歴史の中で初めての取組です。2019年12月に国連総会で採択された「オリンピック休戦決議」の中でも、ホストタウンが紹介されました。2016年1月からホストタウンの登録が始まりましたが、2021年5月現在、528の自治体が登録しています。また、受け入れる相手国・地域数も184に上ります。

なお、昨年(2020年) からの新型コロナウイルス感染症流行以降、ホストタウンの人々が海外の人々と直接会うことはできていませんが、オンラインによって交流が継続されています。

ホストタウンのロゴ

ホストタウンには、どのような種類の取組があるのでしょうか。

相互交流を行う通常のホストタウンに加えて、いくつかの種類の取組があります。一つは「復興ありがとうホストタウン」です。今からちょうど10年前の2011年の東日本大震災は、東北地方に深刻な被害をもたらしましたが、震災後には、世界中から大きな支援を頂きました。復興ありがとうホストタウンは、特に深刻な被害を受けた岩手県、宮城県、福島県の自治体で、震災時に支援を受けた国・地域との間で震災からの復興の状況や、これまでの支援への感謝を伝えるための交流を行なっているホストタウンです。

「共生社会ホストタウン」は、パラリンピアンとの交流をきっかけに、「ユニバーサルデザイン」を導入した街づくりや、誰もが互いの個性を尊重し、支え合う「心のバリアフリー」の取組によって、国を超えて共生社会の実現を目指しているホストタウンです。「先導的共生社会ホストタウン」は、共生社会ホストタウンの中で、ユニバーサルデザインの街づくりや心のバリアフリーの取組が、特に先導的と内閣官房が認定するホストタウンです。

ホストタウンの具体的な活動を教えてください。

ホストタウンは、オリンピアンやパラリンピアンとのスポーツを通じた交流に加え、音楽、祭り、踊り、食など様々な文化を通じた交流を行っています。これまでには、例えば、相手国・地域の楽器を使った演奏で、日本の踊りを楽しむといったイベントも行われています。また、レストランやイベントで、相手国・地域の名物料理や飲み物の紹介、提供をするキャンペーンを実施したりしています。学校では、相手国・地域のことを学ぶ授業も行われています。

新型コロナウイルス感染症流行以降は、オンラインによって交流が継続されています。2021年2月20日と21日には、内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局の主催による「ホストタウンサミット」がオンライン上のバーチャル会場で開催されました。サミットでは、ホストタウンに関するセミナー、各ホストタウンによる活動の報告会、相手国・地域の食文化を踏まえて考案した料理の調理実演など、様々なプログラムが配信されました。

また、東京大会の期間中は、オンライン上に「ホストタウンハウス」のバーチャル会場が開設されます。ホストタウンハウスでは、ホストタウンの活動の紹介や選手への応援など、様々な情報を発信する予定です。ホストタウンハウスを訪れて頂ければ、ホストタウンの人々が、いかに選手を暖かく応援しているかご覧いただけると思います。

ホストタウンの相手国・地域からはどのような反響がありますでしょうか。

多くの選手が、「ホストタウンは自分のホームタウンのようだ」、あるいは、「ホストタウンに滞在するとリラックスできる」と話しています。これは、選手にとって最高の練習環境を作りたい、選手が最良の状態で競技を行えるように支援したいという、ホストタウンの皆さんの気持ちが、選手に伝わっているからだと思います。選手は、大会の開催国に自分たちの応援団がいることを、とても感謝しています。

相手国・地域の大使館や市民の方々にも、ホストタウンの活動を積極的に支援して頂いております。ホストタウンは、日本との関係を深めるための非常に良い機会となっているのです。大使の中には、自分の国のホストタウン自治体を全て訪れたという方もいらっしゃいます。

東京大会後のホストタウンの活動の展望を教えてください。

新型コロナウイルス感染症が流行する中であっても、各ホストタウンはオンラインを通じて、交流を継続しています。相手国・地域の選手と直接、会うことができなくても、ホストタウンの人々が選手を応援する気持ちは変わりません。オンラインでの交流は、東京大会後のホストタウンの活動の継続と発展のためにも、大きな経験となっていると思います。

国内外の多くの人々が、オリンピアンやパラリンピアンとの交流や、異文化への理解を深めるイベントに参加するなど、ホストタウン活動を契機とした新たな経験を持ちました。子どもたちや若者も活躍しています。それらの人々がその経験を元に、今後、世界中で、地域活性化、共生社会の実現など、よりよい社会の構築に貢献する人材となる可能性もあると思っていいます。ホストタウンは、「友情、連帯、フェアプレーの精神とともに相互理解」を求めるオリンピック・パラリンピック精神とも相通じる、大きな可能性を持った取組だと確信しています。

(インタビュー日は2021年5月19日)

神奈川県横浜市で開催された日本人の踊り手とアフリカのドラム「ジャンベ」演奏者とのイベント(2019年8月)
神奈川県川崎市で開催された高校生とイギリス人陸上選手との交流(2019年5月)
山形県鶴岡市で開催されたモルドバ料理教室(2017年8月)
宮城県名取市で開催されたカナダを紹介するイベント(2019年7月)