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  • 金沢からのうちわを受け取ったフランスのパラ水泳選手から送られてきた感謝のビデオメッセージ
  • ボッチャ交流会(2020年8月)
  • フランスのパラ水泳チームのための、金沢の伝統的な太鼓演奏の様子
  • うちわを制作し、フランスのパラ水泳チームに、この動画と一緒に贈った金沢の小学生
  • ボッチャ交流会(2020年8月)
  • 2020年5月に大館市からタイへ送られたビデオメッセージの一場面。大館市のキャラクターである秋田犬「はちくん」の玩具や写真などを持った人々が登場。
  • タイのボッチャチームから大館へのビデオメッセージの一場面 (2020年3月)

June 2021

パラリンピアンと交流するホストタウン

石川県金沢市と秋田県大館市は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に参加する選手たちのホストタウンである。その支援や交流活動は、共生社会の実現を促進している。

金沢市とフランスのパラリンピアン

フランスのパラ水泳チームのための、金沢の伝統的な太鼓演奏の様子
うちわを制作し、フランスのパラ水泳チームに、この動画と一緒に贈った金沢の小学生
金沢からのうちわを受け取ったフランスのパラ水泳選手から送られてきた感謝のビデオメッセージ

石川県金沢市は、いくつかの国の都市と、友好関係を深める姉妹都市となっており、フランス共和国(以下、フランス)のナンシー市もその一つである。金沢市は、パラリピアンへの支援と、共生社会の実現に向けた取組を加速することを目指し、2019年12月にフランス(パラ水泳)を相手国とした「共生社会ホストタウン」に登録された。金沢市では、市内のスポーツ施設や文化施設について、スロープやエレベーターがどこにあるかといった、車いす利用者が施設を利用する際のガイドマップをまとめたほか、日本語・仏語・英語の3か国語の紹介動画を作成した。また、市民の障害者への理解を深めるために「心のバリアフリー・フェスタ」を開催し、義足や、目隠しと白杖での歩行体験などの機会を提供した。

フランスのパラ水泳選手たちとは、昨年から、新型コロナウイルス感染症のために、直接交流は困難になった。それでも、金沢の人々はチームを応援し続けている。例えば、音楽に特化した6本のメッセージ動画「音楽が繋ぐ絆」が制作され、フランスのパラリンピアンに贈呈された。動画には、クリスマスの際には、ハンドベルでのクリスマスキャロル、年始には和太鼓の演奏、また、フランスの作曲家の曲の演奏など、金沢で活躍する音楽家から演奏が含まれている。これはSNSで日本語・仏語の説明とともに公開されている。

その他にも、金沢の伝統工芸品である「からかみうちわ」を小学生と職人が協力して作り上げる様子をまとめた動画も作成し、実際にうちわを選手たちに送った。うちわと動画メッセージを受け取ったパラ水泳選手たちから「金沢の皆さん、ありがとうございました。また日本でお会いしましょう」など日本語でお礼のメッセージをまとめた動画が届けられている。

さらには、フランス産と石川県産食材のコラボによるスイーツの紹介など、オンラインでの交流を通じて、お互いの理解を深めている。そして、現在、感染症拡大を防ぐための適切な予防対策を実施しながら、東京大会の時に選手を支援するための準備を続けている。

大館市とタイのパラリンピアン

ボッチャ交流会(2020年8月)
2020年5月に大館市からタイへ送られたビデオメッセージの一場面。大館市のキャラクターである秋田犬「はちくん」の玩具や写真などを持った人々が登場。
タイのボッチャチームから大館へのビデオメッセージの一場面 (2020年3月)

秋田県大館市(おおだてし)は、高齢化率(65歳以上の割合)が全国平均より高い。高齢社会に対応するため、同市はタイ王国(以下、タイ)のパラリンピック陸上競技とボッチャ*チームとの交流をきっかけとして、「ユニバーサルデザインの街づくり」と「心のバリアフリー」に取組んでおり、2020年12月には「先導的共生社会ホストタウン」に認定された。

タイのボッチャチームはリオデジャネイロ2016大会で7種目中、金メダル2個を含む5個のメダルを獲得した強豪である。2019年の9月から10月にかけて、タイのチームの受け入れ、ボッチャ代表選手たちと市民との交流会や日本代表選手とのデモンストレーションゲームなども行われた。翌2020年に秋田で新型コロナウイルス感染症が発生すると、ボッチャ代表選手たちから「皆とつながっているから、一緒に乗り越えましょう」「無事でいてください」など、日本語のメッセージと笑顔の動画が寄せられた。その年の8月には、タイとの交流を記念する「はちくんオープン」というボッチャ交流会が、感染症対策を十分に行なった上で開催された。ちなみに「はちくん」**は同市のキャラクターである。このイベントに、タイ選手の来日は叶わなかったが、大館市や秋田市からの9チームがボッチャ競技を楽しんで、その様子をライブ配信することで、タイチームとの交流を図った。今後もパラスポーツの普及やタイとの交流をさらに深めるための事業として、感染症の状況を鑑みて、開催する予定だ。

このような地道な交流の継続によって、お互いの思いは通じ合い、パラスポーツの発展が続くであろうことは間違いない。

* ヨーロッパで生まれた、ボッカ、ローンボウルズ、ペタンクに似た球技で、重度の身体的な障害を持つアスリートが行う。
** 秋田犬。有名な秋田犬の「ハチ公」の子孫という設定である。