Skip to Content

The online magazine HIGHLIGHTING JAPAN

INDEX

Language
  • 日向市から図書を寄贈されたトーゴの小学校の生徒たち
  • ルワンダにあるリンドウの栽培農園を訪れた八幡平市の関係者(2018年5月)
  • 日向市とトーゴとの協力で修繕されている井戸
  • 前橋市でトレーニングをする南スーダンの選手
  • 小学生と交流する南スーダン選手 (2020年2月)
  • 八幡平市で2019年7月、8月に合宿を行ったルワンダ選手団のリンドウの収穫体験

June 2021

ホストタウンによる国際協力

「ホストタウン」は、日本の人々が、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に参加する国・地域の人々と交流する取組。相手国の生活環境の改善、選手のトレーニングや日常生活の支援などの取組を行う、3つのホストタウンを紹介する。

日向市とトーゴ共和国

日向市から図書を寄贈されたトーゴの小学校の生徒たち
日向市とトーゴとの協力で修繕されている井戸

太平洋に面する九州の宮崎県日向市(ひゅうがし)は、西アフリカのトーゴ共和国(以下「トーゴ」)を相手国とするホストタウンである。一般社団法人日本トーゴ友好協会の紹介で2017年にトーゴ共和国臨時代理大使が、 同国名と発音が似ている同市東郷町を訪問したことがきっかけとなり、トーゴとの交流が始まり、2018年12月にホストタウンとして登録された。

2019年3月には、トーゴからマラソン選手や打楽器演奏者などで構成される訪問団が同市を訪れた。訪問団は小学生との音楽や踊りを通じた交流やマラソン大会への参加を通じて、市民との親睦を深めた。

日向市は、トーゴのホストタウンになったことをきっかけとして、より幅の広い事業に取り組むため、2020年9月に駐日トーゴ共和国大使館、一般社団法人日本トーゴ友好協会との三者間で、相互協力協定を締結した。そして、この協定に基づく最初の支援プロジェクトとして、2020年11月から2021年3月にかけて、トーゴの首都ロメから65キロほど離れた、人口約400名のアティテコペ村での井戸修繕と公衆トイレ設置が行われた。これにより、住民の水汲の負担軽減と衛生状態の改善につながった。さらに、宮崎アカデミーロータリークラブと協力し、小学校、中学校、図書館に計約600冊の図書を寄贈した。

日向市は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会後も、トーゴへの支援、相互交流を継続、充実していく予定である。

前橋市と南スーダン共和国

前橋市でトレーニングをする南スーダンの選手
小学生と交流する南スーダン選手 (2020年2月)

東アフリカの南スーダン共和国(以下「南スーダン」)のホストタウンである群馬県前橋市は、新型コロナウイルス感染症流行前の2019年11月から、東京オリンピック・パラリンピック競技大会出場に向けて南スーダン選手団の長期事前キャンプを受入れている。

選手団はコーチ1名と、オリンピックの陸上競技選手3名とパラリンピックの陸上競技選手1名で構成される。南スーダンは長い紛争後、2011年に独立したが、現在も社会的に不安定な状況が続いており、選手を取り巻くトレーニング環境も厳しい。前橋市は、南スーダン選手の受入れは、選手の活躍につながり、同国の平和に貢献するとともに、選手との交流を通じて市民が平和を考えるきっかけとなるとしている。

前橋市は、選手の強化トレーニング環境の整備や、食事、医療など日常生活を全面的に支援している。また、 市民からの寄付や企業からのスポーツ用品等の提供など、その支援の輪は広がっている。こうした支援によって選手たちもトレーニングに専念でき、その成果が出始めている。2021年4月に日本で開催されたパラ陸上の大会では、100メートルと200メートル競争に出場した選手が優勝した。選手は練習の合間には、自らの将来に役立てようと日本語やパソコンの勉強にも熱心に取組んでいる。

前橋市は東京大会後も、南スーダンからの選手の受入れなど、同国とのスポーツ交流を継続する計画である。

八幡平市とルワンダ共和国

ルワンダにあるリンドウの栽培農園を訪れた八幡平市の関係者(2018年5月)
八幡平市で2019年7月、8月に合宿を行ったルワンダ選手団のリンドウの収穫体験

岩手県の八幡平市(はちまんたいし)は、青紫の花を咲かせるリンドウの主要生産地の一つだ。同市は、ホストタウンとして東アフリカのルワンダ共和国(以下「ルワンダ」)との交流を深めているが、そのきっけとなったのも、リンドウであった。

八幡平市は、同市産リンドウの海外輸出とともに、需要拡大と安定供給を目的とした海外での生産地確保に力を入れきた。そうした中、2015年から実証栽培を開始したのがルワンダであった。ルワンダは、年間を通じて気候が安定しており、ヨーロッパ向けのリンドウの生産拠点として大きな可能性があると考えられることから、八幡平市は、岩手大学や日本企業と協力し、苗の提供、技術指導を行う生産者の同国への派遣、同国の生産者を市に招いての研修開催などの支援を行なっている。その結果、2018年5月にルワンダからリンドウの切り花がオランダへと初出荷されて好評を博し、2019年には14万本がヨーロッパへと輸出された。今後、リンドウ栽培は、同国の発展に大きく貢献することが期待されている。

そうした中、ホストタウンとしての交流活動も活発化している。新型コロナウイルス感染症流行前の2019年7月から8月にかけて、ルワンダの陸上、ロードバイク、ビーチバレーの選手などの選手団が八幡平市で合宿を行なった。選手団はリンドウの収穫体験や学校訪問などを通じて市民とも交流した。

リンドウが、八幡平市とルワンダとの友好の美しい証となっている。