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  • 高橋真澄さんが撮影した「ダイヤモンドダスト」
  • ダイヤモンドダストの虹
  • 雪や氷がつくる不思議な形や文様の例
  • サンピラー(太陽柱)

January 2022

「ダイヤモンドダスト」-北海道の冬の輝き

高橋真澄さんが撮影した「ダイヤモンドダスト」

極寒期にいくつもの気象条件がそろったときだけに出現する、「ダイヤモンドダスト」と呼ばれる美しい自然現象がある。北海道を中心に活動する写真家・高橋真澄さんに、ダイヤモンドダストについて話を伺った。

ダイヤモンドダストの虹

マイナス10度以下の気温で大気中の水蒸気が氷結する。その細かな氷の結晶が太陽の光をキラキラと反射させながら一面に舞う自然現象は、その美しさから「ダイヤモンドダスト」と呼ばれている。寒冷地でも厳冬期の、快晴かつ無風など、限られた条件の時にしか見られない特別な光景だ。日本では、北の大地、北海道の内陸部で見ることができる。特に十勝(とかち)地方や、名寄市(なよろし)、富良野市(ふらのし)などで、1月から2月に発生する確率が高い。

富良野市を拠点に、北海道の四季を通じた雄大な自然の美しさを撮り続け、70冊以上の写真集を刊行している写真家・高橋真澄さんは、「北海道の内陸には適度な湿度があり、それが非常に細かい氷の結晶群となったダイヤモンドダストはひときわ美しい」と言う。ダイヤモンドダストは光の角度によって色合いが変わるため、見る角度や場所によってまったく異なる表情を見せる。千変万化するその輝きのイメージから、ダイヤモンドダストは、別名「天使のささやき」とも呼ばれる。高橋さんは、「実際にサラサラと音を立てて降り注ぎ、それはとても心地良い体験だ」と言う。

雪や氷がつくる不思議な形や文様の例

ダイヤモンドダストには、太陽光の反射が柱のように垂直に輝いて見える、サンピラー(太陽柱)と呼ばれる現象もある。大気や太陽の状態によって少しずつ変わっていくその姿は、神秘的であり幻想的だ。

「北海道では冬になると、ダイヤモンドダスト発生の予報がネットで発信され、ファンが駆けつけます。ダイヤモンドダストやサンピラーに出会えたら幸運だね、と思っていただき、新型コロナウイルスの影響がなくなったら、国内外の多くの方々が実際に北海道を訪れて冬ならではの景色を楽しんでいただけたらと思います」と高橋さんは言う。

サンピラー(太陽柱)

冬の北海道には虹のように輝く雲や氷、雪や氷がつくる不思議な形や文様など、美しい現象が他にもたくさんある。撮影技術を駆使することで、初めてその美しさが捉えられる現象も少なくない。現地でもなかなか見ることができない光景の写真をゆっくりと眺めながら、将来の旅のプランを思い描く、そんな冬の北海道の楽しみ方もある。