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August 2022

日・インドネシア首脳会談及びワーキング・ランチ

  • 握手を交わす両首脳
  • 日・インドネシア首脳会談
握手を交わす両首脳

2022年7月27日、岸田文雄内閣総理大臣は、訪日中のジョコ・ウィドド・インドネシア共和国大統領と日・インドネシア首脳会談及びワーキング・ランチを行いました。その概要は以下のとおりです。

日・インドネシア首脳会談

岸田総理大臣から、訪日を歓迎するとともに、安倍元総理大臣の逝去に際するジョコ大統領からの弔意に謝意を表しました。これに対し、ジョコ大統領から、岸田総理大臣の歓待に対する謝意を示した上で、安倍元総理大臣の功績に触れつつ、心からの哀悼の意が表されました。

岸田総理大臣から、「自由で開かれたインド太平洋」の新たな展開に向け、「インド太平洋に関するASEANアウトルック」とも連携しながら協力を推進したい旨述べ、ジョコ大統領から、今後も日本と緊密に連携しながら協力を強化していきたい旨述べました。

両首脳は、来年の日・インドネシア外交関係開設65周年及び日・ASEAN友好協力50周年に向けて連携を強化していくことを確認しました。

日・インドネシア関係

岸田総理大臣から、現在進めている巡視船供与に向けた調査を含め、海上保安能力の向上を一層支援していく考えを伝達しました。両首脳は、海上保安分野における協力を推進していくことを確認したほか、先般、海上保安分野の協力覚書が署名されたことを歓迎しました。

両首脳は、来月8月にインドネシアで実施される多国間共同訓練「ガルーダ・シールド」に陸上自衛隊が初めて参加することを歓迎しつつ、防衛交流を含む安全保障協力を一層強化していくことを確認しました。

岸田総理大臣から、ジャカルタ都市高速鉄道やパティンバン港の整備に向けて引き続き協力していく旨述べました。これに対し、ジョコ大統領から、日本の支援に対する謝意を表するとともに、インフラ分野の協力を更に推進したい旨述べました。

岸田総理大臣から防災分野のインドネシアの取組を後押しするための円借款を供与する方針を伝達し、ジョコ大統領から謝意が述べられました。

エネルギー分野では、岸田総理大臣からプサンガン水力発電所の完工に向けた円借款を供与する方向であることを伝達し、ジョコ大統領から謝意が述べられました。また、両首脳は「アジアゼロエミッション共同体構想」の実現に向けた連携や、「公正なエネルギー移行パートナーシップ」等を通じ、気候変動・エネルギー分野での協力を進めていくことを確認しました。

ジョコ大統領から、日本産食品に対する輸入規制を全て撤廃した旨述べ、岸田総理大臣から、被災地の方々を勇気づける決定だとしてジョコ大統領のリーダーシップに対する感謝の意を伝えました。

このほか、岸田総理大臣から、自動車産業、食料、スタートアップ分野等の協業・投資や、環境分野での協力を強化していきたい旨述べ、ジョコ大統領から、賛同の意が示され、幅広い分野で協力を推進していきたい旨述べました。

地域及び国際場裡での協力

岸田総理大臣から、G20バリ・サミットの成功に向けて、引き続き、議長国であるインドネシアを支えていく考えである旨述べ、ジョコ大統領から日本の支援に対する謝意が述べられるとともに、今後も緊密に連携していくことを確認しました。

両首脳は、ウクライナ情勢についても意見交換を行い、世界のどこであれ、すべての国が国際法を遵守すべきこと、主権及び領土一体性が守らなければならないことを確認しました。

岸田総理大臣から、東シナ海や南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試みや経済的威圧に反対する旨述べ、両首脳は、国連海洋法条約を始めとする国際法を遵守することが重要であることを確認しました。また、両首脳は経済的威圧やサイバー協力といった話題についても意見交換しました。

両首脳は、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において引き続き連携していくことを確認したほか、ミャンマー情勢、NPT運用検討会議における連携を含めた軍縮・不拡散、安保理改革を含む国連全体の機能強化といった地域及び国際社会の諸課題について連携して対応していくことを確認しました。

岸田総理大臣から、国連が実施するPKOの訓練がインドネシアで初開催され、日本も教官団を派遣して貢献する旨述べたのに対し、ジョコ大統領から歓迎の意が示されました。

注記: 本記事は、外務省の同意を得て、同省が公表した資料に基づいて作成しています。