VOL.200 FEBRUARY 2025
HISTORIC JAPANESE PUBLIC ARCHITECTURE OF THE MODERN ERA 開業から110年を迎えた日本最大級の欧風近代建築「東京駅」

赤レンガ作りの東京駅丸の内駅舎。後ろには高層のオフィスビルがそびえたつ。
Photo: ISHIZAWA Yoji

日本の重要な交通拠点として長い歴史をもつ東京駅は、昨年末の2024年12月20日に開業110年を迎えた。日本の発展とともに時を重ねてきた東京駅の歴史や建造物としての魅力について、管轄の鉄道会社に話を聴いた。


ライトアップされた東京駅
Photo: 東京ステーションシティ運営協議会

日本の政治・経済の中心地である東京都。その中でも皇居や多くの政府機関がある千代田ちよだに位置する東京駅は、在来線と新幹線しんかんせんの各路線、地下鉄の多くが発着する日本で最も大きなターミナル駅1だ。その歴史についてJR東日本の加藤かとう 美穂みほさんはこう説明する。

「開業したのは1914年です。日本近代建築の父とも評される辰野たつの 金吾きんご2の設計により、鉄骨構造のレンガ造りの駅舎を、6年の歳月をかけて完成させました。長さ335メートル、高さ45メートル、延床面積2万3900平方メートル、両翼に2つのドームをもつ、かつてのヨーロッパ建築を思わせるレンガ造りの日本最大級の欧風近代建築となりました。その9年後、1923年に関東大震災かんとうだいしんさい3が発生しましたが、駅舎は無事で火事も免れました」。

しかし、1945年、先の大戦の戦禍によって南北のドーム屋根と3階の大部分を消失した。

「戦争が終わってから2年後には焼け残った部分でドーム屋根も八角形の屋根として再建されました。1964年の東京オリンピックでは、日本初の新幹線が誕生して、東京駅が起点となったことから盛大な出発式が行われました。2003年には駅舎が国の重要文化財に指定されることになり、長期的な保存のため大工事が行われることが計画され、2012年に保存復原ふくげん工事が完了しました」。

この工事では、戦禍で失われた3階部分やドーム屋根を1914年当時の姿にすることが方針とされ、復原工事の最大の目玉だった。


復原されたドームの外観。現行の日本の1万円札(裏面)にも描かれている。
Photo: ISHIZAWA Yoji

駅舎内から見上げたドーム屋根の内部
Photo: ISHIZAWA Yoji

2階から見下ろした装飾されたドームの床
Photo: ISHIZAWA Yoji

東京駅は、東京の中央駅として現役で機能している駅舎だが、それ自体が重要文化財であり、観光スポットとなっているのも特徴だ。

「ヨーロッパの建築様式を取り入れた駅舎は、当時の日本の近代化を象徴する貴重な建築物の一つです。欧州風の八角形のドームの内側は創建当初のレリーフの一部が残存しており、取り付けられています。ドーム下の八角の角には、左を向く八羽の約2.1メートルの鷲が翼を広げています。」

また、駅の中には、本格的な美術館、駅の開業当初からあるホテル、さらには地下などに広いショッピングエリアもある。

「駅の構内には、さまざまな施設、飲食店やおみやげ店も充実しており、海外からのお客様を含めて多くのかたでにぎわっています。よろしければ、歴史的な建造物という視点でも東京駅を眺めて楽しんでいただければ幸いです」。

  • 1. 総面積182,000平方メートル、一日平均乗車人員 約46万人、運転本数 1日約4,000本、ホーム数28本(東海道新幹線6本含む)(2020年1月1日現在の統計による)
  • 2. 1854年生まれ、1919年没。東京駅丸の内駅舎のほか、日本銀行本店本館などを手がけた。西洋建築様式を取り入れた「辰野式」と称されるデザインで知られ、日本近代建築の父とも呼ばれ、その業績は日本の建築史に大きな影響を与えている。
  • 3. 1923年9月1日に起きた日本最大級の地震災害。マグニチュード7.9の地震により、東京や横浜を中心に甚大な被害を受け、約10万5千人が死亡・行方不明となる。震災後、火災や社会混乱が発生した。

By TANAKA Nozomi
Photo: Tokyo Station City Management Council; ISHIZAWA Yoji

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