VOL.200 FEBRUARY 2025
HISTORIC JAPANESE PUBLIC ARCHITECTURE OF THE MODERN ERA
[政策お知らせ]開幕迫る! 大阪・関西万博―いのち輝く未来社会のデザイン―

左側が大阪・関西万博のロゴマーク、右側が公式キャラクターのミャクミャク
©Expo 2025
2025年4月から開催される大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」のテーマのもとに、158の国と地域、9の国際機関(2024年12月27日時点)が半年間、一堂に会する国際的な大イベントであり、未来を先取りした新たな技術、サービスやシステムを実際に体験することができる。
本記事では、HIGHLIGHTING Japan2024年5月号に続き、開幕迫る大阪・関西万博のパビリオン展示など、最新情報を紹介する。
テーマ:いのち輝く未来社会のデザイン
コンセプト:People's Living Lab(未来社会の実験場)
開催場所:夢洲(大阪市臨海部)
開催期間:2025年4月13日から10月13日
参加国数:158か国・地域、9国際機関(2024年12月27日時点)
大阪・関西万博のパビリオンの特徴
大阪・関西万博では多数の参加国・地域・国際機関、日本政府、自治体、民間企業などがそれぞれ工夫を凝らしたパビリオンを出展する。「People's Living Lab(未来社会の実験場)」というコンセプトのもとに、人類共通の課題解決に向けて先端技術など世界の英知を集め、それぞれがアイデアを交換することで未来社会を「共創」することを目指している。
「日本らしさ」を再発見する国内パビリオン
・飯田グループ×大阪公立大学共同出展館
日本を代表する織物として名高い京都の西陣織の生地を特殊加工して建物全体を覆ったパビリオン「飯田グループ×大阪公立大学共同出展館」。外観コンセプトを「サステナブル・メビウス」と題し、永遠や無限を表すモチーフ「メビウスの輪」にちなんで、持続・循環・継承・進化を象徴するデザインには、「いのち」あるものが幸せに暮らせるようにという希望が込められている。建物内部では、未来都市を表現した巨大ジオラマ「ウェルネススマートシティⓇ」や二酸化炭素を活用したエネルギー創出を目指す「人工光合成技術」などの展示があり、健康で快適な暮らしを実現する最新技術を体感することができる。

© Iida Group Holdings Co., Ltd.
・GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION
1979年に日本で誕生したアニメ「機動戦士ガンダム」は人類が宇宙に住む架空の時代を描き、日本国内のみならず海外でも高い評価を得ている。そのガンダムシリーズの近未来的世界観を存分に体感できるパビリオン。まずは高さ17mの実物大のガンダム像が目を惹く。パビリオン外観は未来のスペースエアポートをイメージしたデザインで、内部ではガンダムシリーズが描いてきた「未来の暮らし」や「まだ実現していない科学技術」が、臨場感あふれる映像と八つのフェーズからなる空間づくりで表現されている。

© 創通・サンライズ
テーマウィーク
「テーマウィーク」とは、世界中の国々が地球的規模の課題の解決に向け、対話によって「いのち輝く未来社会」を世界と共に創造することを目的として行う取組。大阪・関西万博では「いのち輝く未来社会」をより具体的に表現する三つのキーメッセージ「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ」のもとに、「未来への文化共創」や「食と暮らしの未来」「平和と人権」などの八つのテーマに沿った来場者参加型のプログラムが、それぞれ期間を設けて展開される。万博会場内のテーマウィークスタジオがメイン会場となるほか、専用アプリを使用したバーチャル参加が可能なプログラムも実施される予定だ。

図提供: 総務省

テーマウィークについての詳しい情報はテーマウィーク公式サイトを参照
海外パビリオンの紹介
・フランスパビリオン
「愛の賛歌」をテーマに自分への愛、他者への愛、自然への愛といった様々な「愛」に導かれる新しい未来のビジョンを提案する。建物の入り口は神秘的でありながら開放的な劇場をイメージしており、外側は劇場のカーテンのようなベールで覆われている。建物内にはビストロやブティックなどが設置され、フランスが誇る食や文化をアピールする。(ナショナルデー:9月13日)

© Coldefy & CRA-Carlo Ratti Associati
・シンガポールパビリオン
「ゆめ・つなぐ・みらい(Where Dreams take Shape)」をタグラインにシンガポールの若手アーティストの作品を通し、本年、独立60周年を迎えるシンガポールが、どのように夢を現実に変えていくかを体験できる多感的な展示となっている。また、食・文化・アート作品等で、身近な旅行先としてのシンガポールの魅力をアピールする。(ナショナルデー:8月24日)

© The Singapore Pavilion, Expo 2025 Osaka
・アメリカパビリオン
「Imagine What We Can Create Together(共に創出できることを想像しよう)」をテーマに掲げ、日本の「わび・さび」の精神から着想を得た三角形の建築物2棟とその間に浮かぶように置かれた大きなキューブが目を惹く。2面の大型LEDスクリーンが峡谷のような空間を作り出し、米国探検へと向かう来場者を迎える。(ナショナルデー:7月19日)

© USA Pavilion
ナショナルデーについて
大阪・関西万博では、公式参加者(国、地域、国際機関)の文化に対する理解を深め、国際親善の増進に寄与することを目的に、公式参加者がそれぞれ1日ずつ「ナショナルデー」「スペシャルデー」を設けて、その魅力をアピールするイベントを実施する。各参加者のナショナルデー、スペシャルデーの日程やイベント内容は万博公式サイトのイベント情報のカレンダーで確認することができる。
シグネチャープロジェクト(いのちの輝きプロジェクト)
各界の最前線で活躍する8人のプロデューサーが主導する最も創造的なパビリオンを中心に展開されるプロジェクト。各パビリオンは、八つのテーマを切り口に各プロデューサーがそれぞれの哲学を語り、表現する「署名作品」であることからシグネチャーパビリオンと呼ばれる。訪れるすべての人々が「いのち」について考え、その概念をアップデートすることを目指す、八つの独創的なパビリオンを紹介する。
パビリオン名「Better Co-Being」
慶応義塾大学医学部教授である宮田 裕章氏がプロデュースするパビリオンのテーマは「いのちを響き合わせる」。万博会場の中央にある「静けさの森」と一つながりのパビリオンには、屋根も壁もない。来場者はその日その時に居合わせた人とグループを組み、パビリオンをめぐりながら「人と人」「人と世界」「人と未来」の共鳴を体感する。季節や天候、時間帯によって変わる自然と来場者が一体となり、森とのいのちの響き合いを実践することを提案する。

パビリオン名「いのちの未来」
ロボット工学の第一人者である石黒 浩氏がプロデュースするパビリオンのテーマは「いのちを拡げる」。多様な企業とクリエイターが考える50年後の社会や製品、日本文化の在り方、さらには1000年後のいのちの姿、様々なロボットやアンドロイドを紹介、展示する。人間とロボットの境界がなくなったら、どんな未来社会が実現できるのか、技術と融合することでいのちの可能性を拡げることを提案する。

パビリオン名「いのちの遊び場 クラゲ館」
音楽家で数学研究者でもある中島 さち子氏がプロデュースするパビリオンのテーマは「いのちを高める」。いのちや創造性にとって大切なものは、「揺らぎのある遊び」であるとの考えを、神秘的な揺らぎをもつクラゲをイメージした外観で表現している。パビリオン内部の「五感の広場」の中心には躍動感あふれる「創造の木」がそびえ立ち、来場者の五感を刺激し遊び心や創造性を拡げてくれる様々な音楽や踊りであふれている。

パビリオン名「null2」
メディアアーティストの落合 陽一氏がプロデュースするパビリオンのテーマは「いのちを磨く」。鏡とデジタル技術を駆使した構造物は、ヌルヌルと変形することで周囲の風景や人物を歪め、未知の風景を生み出す。「世界は常に変化を繰り返し、我々の認識は一つではない」をコンセプトに、人類が初めて出会う風景を見せてくれる。パビリオン内部では、来場者の身体が最新のデジタル技術でアバター化され、デジタル生命体として動く自身のアバターと向き合う不思議な体験ができる。

パビリオン名「いのち動的平衡館」
生物学者の福岡 伸一氏がプロデュースするパビリオンのテーマは「いのちを知る」。「いのち」とは何かを考える根本的な視点「生命哲学」をベースに、個々のいのちの有限性とすべてのいのちの無限のつながりを「いのちの動的平衡」と表現し、来場者へその体感を促す。ふわりと浮かんだ大きな屋根を持つ建物は、うつろいゆく流れの中でひととき自律的な秩序を示す「いのち」の姿を体現している。

パビリオン名「いのちめぐる冒険」
アニメーション監督でメカニックデザイナーでもある河森 正治氏がプロデュースするパビリオンのテーマは「いのちを育む」。宇宙、海洋、大地に宿るあらゆるいのちのつながりを表現し、人間中心ではなくすべてのいのちを中心とする考えをコンセプトに、いのちを守り育てることの大切さを訴求する。「セル」と称する大小様々な構造体が連なるパビリオンの内部では、いのちの多様性やその輝きを表現するために、最先端のテクノロジーを駆使したシアターや展示が展開される。

パビリオン名「EARTH MART」
放送作家、京都芸術大学副学長の小山 薫堂氏がプロデュースするパビリオンのテーマは「いのちをつむぐ」。その外観には、日本の伝統的手法である茅葺きの屋根が用いられている。食といのちの循環を感じさせる展示によって地球環境や飢餓問題と向き合いながら日本人が育んできた食文化の可能性とテクノロジーによる食の進化を共有し、より良き未来へと導く空想のスーパーマーケット空間を演出。食の価値を見つめ直し、「新しい食べ方」を来場者と共に考える場となっている。

パビリオン名「Dialogue Theater - いのちのあかし-」
映画作家の河瀨 直美氏がプロデュースするパビリオのテーマは「いのちを守る」。人と人との分断をなくすため、対話による相互理解を深めることを提案する。廃校になった二つの木造校舎(小学校と中学校)を移築したパビリオンの内部には、森をモチーフとしたシアターが設置されている。そこでは、毎日違うテーマ、毎日違う参加者による一期一会の心の対話を実施し、来場者に対話の重要さを示す。

ここで紹介したイベントやパビリオンを体験するには、入場チケット以外にも予約が必要となる場合がある。詳しくは下記を参照。
大阪・関西万博公式ホームページ(日本語)
大阪・関西万博公式ホームページ(英語)
チケットに関する情報は下記リンク、QRコードから確認することができる。
大阪・関西万博 チケットインフォメーション(日本語)
大阪・関西万博 チケットインフォメーション(英語)



