VOL.198 NOVEMBER 2024
JAPANESE RAMEN AND ITS GLOBAL EXPANSION 見た目が印象的な「富山ブラックラーメン」

富山ブラックラーメンの一例。
Photo: ラーメン一心

黒い色のスープが印象的な「富山ブラックラーメン」。日本全国のラーメン愛好家の間でも人気が高いご当地ラーメンだ。「富山ブラック伝承会」会長の栗原くりはら 清きよしさんにその歴史や特徴について話を伺った。

日本の本州中央北部に位置し、日本海に臨む富山県。その中心都市・富山市で社団法人富山ブラック伝承会を主宰する栗原さんによると、ご当地ラーメン「富山ブラックラーメン」が誕生したのは、1947年頃だという。

「富山ブラックラーメンの発祥は「西町にしちょう大喜たいき」というお店です。第二次世界大戦終戦後に、肉体労働者の塩分補給のために醤油を濃くした黒いラーメンを作ったのがきっかけと言われています。お祭りの時には1,000人が並んだという伝説もあるくらい人気となりました。それがきっかけとなって、次々に黒いラーメンを出すお店が増えました。そして、2000年前後に東京のテレビ局が取材に訪れた際に、その黒いラーメンを「富山ブラック」と紹介したことで「富山ブラックラーメン」と呼ばれるようになりました」


富山ブラックラーメンの一例
Photo: 株式会社 天高く

ご自身もラーメン店を経営する栗原さんによると、誕生当初の黒いラーメンと現在の「富山ブラックラーメン」とは、だいぶ印象が違うという。

「富山ブラックラーメンはその名の通り、黒いスープが特徴です。長時間煮込んだ醤油を使用することで黒い色が出ます。当初は見た目通りのしょっぱさが特徴でしたが、現在は多くの店舗で塩分を控えめにして、飲みやすいスープになるよう手を加えていると聞いています」

日本にはたくさんのご当地ラーメンがあるが、その中でも人気の高い富山ブラックラーメン。栗原さんらによる積極的なプロモーション展開が功を奏したという。


2009年に開催された東京ラーメンショーの様子。富山ブラックラーメンの出店の前の長蛇の行列。
Photo: 社団法人富山ブラック伝承会

「富山ブラックラーメンをひっさげて各地にあったラーメンテーマパークや物産展にも積極的に参加し、全国展開しました。特に「麺家いろは」は2009年から始まった日本最大級のラーメンイベント「東京ラーメンショー」で1位を獲得後、通算5回にわたり売上数1位を獲得したことで多くの取材を受けましたので、知名度があがったと思います。こういったプロモーションで結果的に富山ブラックラーメンのブランド化が進み、地元でも評価されるようになったのです」

現在、栗原さんらは、富山ブラックラーメンの地域ブランド化を進めるため、「富山ブラック伝承会」を設立し地域活性化活動に力を注いでいるという。

「伝承会では、県から正式な推奨ブランドとして認定されるための活動を行っています。また、おもしろい活動としては山崎製パンとコラボレーションしたパン「富山ブラックラーメン風ランチパック」を発売しました。ランチパックは、正方形のパンとパンとの間に惣菜をサンドしたもので日本では40年以上販売が続いている定番商品。このシリーズの一つとして、ブラックラーメンの風味で味付けされた短めの麺が入っているパンです。売上が好調だったことから再度商品展開が計画されています」


2023年に販売された富山ブラックラーメン風味のランチパック
Photo: 山崎製パン

観光客やインバウンド需要の増加に伴い、富山ブラックラーメンの各店舗への集客効果も表れてきている。

「SNSを活用した情報発信、英語や中国語対応メニューの作成などを通じて、外国人観光客へのアプローチも強化しています。最近では欧米からの顧客も増加していますね。黒いスープを見てみなさん「しょっぱそう」という印象を持つのですが、実際に食べるとあっさりしているとの感想が多いです」


富山ブラックラーメンの一例。
Photo: ガッツリ!えびすこ

「富山ブラックラーメン」を初めて食するかたのために、自分の好きな味になるよう薄めるための「スープ割り」を用意している店舗もあるそうだ。

「現在、「富山ブラックラーメン」を出す店舗は、富山県内に60店舗以上あるといわれています。お店によって味わいも風味もそれぞれです。ぜひお好みの店を見つけてお召し上がりください」


By MOROHASHI Kumiko
Photo: Gutsuri! EBISUKO; TENTAKAKU Co., Ltd.; Toyama Black Ramen Traditions Association; Yamazaki Baking Co., Ltd.; Ramen Isshin

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