VOL.197 OCTOBER 2024
JAPAN’S HEALING FORESTS (PART 2)
Autumn Forests with Colorful Leaves
紅葉の時期に訪れる三瓶山の雄大な景色

三瓶山の紅葉の様子。紅葉のピークは例年10月下旬から11月上旬だ。
日本の本州の西南部に位置し、北は日本海に面している島根県。そのほぼ中央部にそびえる三瓶山。その三瓶山について、紅葉の時期の魅力や楽しみかたについて大田市の観光課の寺岡 宏二さんに話を聴いた。
三瓶山は活火山であり、約10万年前に形成が始まり、最後に噴火したのは約4,000年前という。その火山活動の過程で現在の五つの峰を持つ山容ができたと言われている。寺岡さんは、こう説明する。(山の高さは地図を参照)
「三瓶山は、男三瓶山をはじめとする五つの峰が、室の内と呼ばれる旧噴火口の窪地を囲むように連なっています。この窪地には、室の内池や天然記念物に指定されているブナ天然林である「三瓶山自然林」などが広がっています」

この旧噴火口の室の内は、三瓶山随一の紅葉ビュースポットと言われ、秋には多くの人が見に来る。大平山の麓の東の原から観光リフト(例年4月から11月の間に営業)を利用して山頂へ。リフトを降りて徒歩で数分の山頂からは、女三瓶山、男三瓶山、子三瓶山などの美しい山々が一望できる。特に優美な姿の女三瓶山の山肌が、紅や黄色の紅葉に染まり、麓まで広がっている様は必見だ。
「カエデやブナ、ミズナラなどが山の斜面に密集しており、彩りを競い合うような壮観な眺めです。また、大平山の山頂に行くまでの、リフトでゆっくりと進む15分間ほどの乗車時間も贅沢にお過ごしいただけると思います。周辺には温泉もあり、温泉に入りながら眺める山の景色が素晴らしかった、と海外の観光客からの声を聞いたことがあります」。

さらに、リフトの終点から室の内池にかけて初心者や一般観光客でも安心して歩けるように整備された自然散策路もあるので、ゆっくりと散策するのもよい。リラックスした時間を過ごせるだろう。

なお、三瓶山の紅葉観賞を終えた後は、三瓶山の麓にある浄善寺も紅葉の時期に立ち寄ることをおすすめしたい。樹齢600年に及ぶイチョウの大木*の紅葉は圧巻だ。足元は境内に広がる落葉で絨毯を敷き詰めたかのように一面が黄色く染まり、紅葉の期間は夜間ライトアップで照らされる大木の姿はまた幻想的で美しい。見ごろは例年11月中旬から12月上旬までという。三瓶山の紅葉巡りが一層思い出深いものになるに違いない。
* 樹齢600年以上、樹高約30メートル、枝幅23.5メートル、幹周9.3メートル(地上130センチメートル)。島根県内で最大級の大きさを誇る。
By TANAKA Nozomi
Photo: PIXTA


