VOL.208 OCTOBER 2025
KAWAII CULTURE FROM JAPAN [政策お知らせ I]大切な食べ物を無駄にしないために―食品ロスの削減に向けた日本の取組

おにぎりのイメージ写真

写真提供:消費者庁

まだ食べられるのに捨てられてしまう食品「食品ロス」は、主に販売ルートに乗せられない規格外品や売れ残り、食べ残しなどで発生する。食品ロスの廃棄焼却による環境への負荷や食料が限りある資源であることを考えると、食品ロスを削減することは私たちにとって重要な課題である。ここでは日本の食品ロス削減への取組を紹介する。

食品ロスの現状と食品ロス削減の推進

食品ロスは、外食産業や小売業者などから発生する事業系と一般家庭での作り過ぎや食べ残しから発生する家庭系に分類される。農林水産省・環境省の「令和5(2023)年度推計」によれば、同年度の日本の食品ロスは事業系231万t、家庭系233万tの計464万tだった。これは国民一人当たりに換算すると年間約37kgであり、一日に換算するとおにぎり一個分(約102g)が捨てられていることになる。また、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界からの食料支援量が370万t(2023年)であることを考えると、約1.3倍の食品が廃棄されているという、非常に残念な結果である。日本国内でも貧困により食事が十分に取れていない人がいる現状を鑑みても、食材を大切に使用し、食品ロスを削減することは不可欠だ。さらに、食品ロスが廃棄焼却される際にはCO2が発生し環境への負荷となる。このような状況の中、2019年10月に「食品ロス削減の推進に関する法律」が施行され、政府一丸となって、国、自治体、事業者などと連携し、食品ロス削減を推進している。SDGsの目標にもあるが、日本政府では2030年度までに2000年度比で、事業系食品ロスを60%減、家庭系食品ロスを50%減早期達成の目標を掲げている。また、同法では毎年10月は食品ロス削減月間、10月30日は食品ロス削減の日と定めている。

日本の食品ロスの内訳

日本の食品ロスの内訳を事業系と家庭系別に示したグラフ

10月食品ロス削減月間における取組

消費者庁が中心となって関係省庁、事業者、学校、各種団体や地方自治体などと連携し、食品ロス削減が国民運動となるよう、ポスターやチラシ・パンフレットによる啓発に加え、HPやSNSでの情報発信などにより食品ロス削減への働きかけを強化している。


消費者庁啓発冊子「食品ロス削減ガイドブック」。消費者庁特設サイトで閲覧・ダウンロードが可能だ。(日本語版のみ)
写真提供:消費者庁

また、毎年10月30日には、開催自治体及び全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会1と共同で、食品ロス削減の機運の醸成のために「食品ロス削減全国大会」を開催、その大会内では優良な取組を行った団体などへ表彰も行っている。


食品ロス削減全国大会内の食品ロス削減推進表彰の受賞式の様子。
写真提供:消費者庁

加えて、「「めざせ!食品ロス・ゼロ」食品ロス削減川柳コンテスト」を開催し、受賞作品はイメージポスター化することで、消費者の食品ロス削減への行動変容を促進している。

「「めざせ!食品ロス・ゼロ」食品ロス削減川柳コンテスト」の受賞作品イメージポスター。
写真提供:消費者庁

こうした取組により、食材を無駄にしない家庭や買い物時のコツ・工夫や賞味期限への正しい理解と「てまえどり2」の実施、外食時の食べきりの促進と食べ残しの持ち帰り「mottECOもってこ3」の普及など、食品ロス削減に向けた行動は認知されつつある。

なお、食べきりの促進については、10月13日まで開催されている大阪・関西万博においても、会場内飲食店でのステッカーやPOPによる啓発が行われている。


大阪・関西万博での食品ロス削減啓発の取組。
写真提供:消費者庁

さらに、数年前からは、家庭で余った未利用食品の有効活用として、小売店、自治体や学校などでの「フードドライブ活動4」も盛んで、食品ロス削減の観点からの食品寄附の活動も進んでいる。

一人ひとりの小さな心がけが食品ロスの削減へとつながることから、消費者庁は、関係省庁や各主体と連携して、今後も継続して食品ロス削減への啓発を行っていく。

食品ロス削減に向けた取組の詳細は消費者庁食品ロス削減特設サイト「めざせ!食品ロス・ゼロ」で見ることができる(日本語のみ)。

  • 1. 食べ物を適量で残さず食べきる「食べきり運動」に賛同し、推進する自治体間のネットワーク。
  • 2. 日頃の買い物の際、購入してすぐに食べるものについて、商品棚の手前にある商品など、販売期限の迫った商品を積極的に選ぶ行為。
  • 3. 飲食店での食品ロス削減を推進するため、食べ残しの持ち帰り行為を親しみやすくネーミングしたもの。
  • 4. 家庭で余っている食べ物を学校や職場などに持ち寄り、それらをまとめて地域の福祉団体や施 設、フードバンク活動団体などに寄附する活動。

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