(イントロダクション:女性ナレーター)
孤独死や家賃の滞納、近隣住民とのトラブルへの不安などを理由に、大家さんから賃貸住宅の入居を断られるかたがいます。こうしたかたが安心して賃貸住宅に入居できる環境整備のための「住宅セーフティネット法」が改正されました。 この音声では、「1.住宅セーフティネット法とは」「2.法改正の背景」「3.改正で変わったこと」についてご紹介します。音声は5分程度でお聞きいただくことができます。
(本文 Q.女性ナレーター / A.男性ナレーター)
Q1:住宅セーフティネット法とは、どういったものですか?
A1:住宅セーフティネット法は、高齢者、低額所得者、障害のあるかたなど「住宅確保要配慮者」と呼ばれる住宅の確保が困難な方々が、安心して賃貸住宅に入居できるようにするための施策を進め、誰もが安心して暮らせる社会を実現することを目的とした法律として、2007年に制定されました。
Q2:なぜ、改正が必要だったのですか?
A2:近年、高齢者世帯や単身世帯の増加、持ち家率の低下などから、要配慮者の賃貸住宅への入居ニーズが高まっています。一方で、要配慮者の入居においては、緊急時に大家さんが連絡や相談をする親族などがいなかったり、孤独死や死亡後に物件内に残された家財の処理が問題となったり、家賃の滞納リスクがあったりなどの不安から、大家さんが要配慮者の入居に拒否感を持っているという実情があり、要配慮者が住宅を確保することが難しい場合がありました。
Q3:法改正で何が変わりましたか?
A3:大家さんが賃貸住宅を提供しやすく、要配慮者が円滑に入居できるようにするため、次のことが変わりました。
- ① 入居後の変化やトラブルに対応できる「居住サポート住宅」の創設
- 居住サポート住宅は、居住支援法人などが大家さんと連携して提供するもので、市区町村長などが認定します。日常生活にサポートが必要なかたの場合、1日に1回以上、センサーやIoT家電といった ICTを活用して、異常を検知した際の安否確認、1か月に1回以上の訪問などによる見守り、困りごとがあった際には自治体や福祉事務所などの各種相談窓口へつなぐなどのサポートが受けられます。
- ② 家賃滞納に困らない仕組みの創設
- 要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を国土交通大臣が認定する制度が創設されました。認定家賃債務保証業者は、居住サポート住宅に入居する要配慮者の家賃債務保証を原則断らないこと、要配慮者との家賃債務保証の契約について、緊急連絡先の設定を求める場合には、親族などの個人に限定せず、法人でも可能とすることなどが定められています。
- ③ 残置物処理に困らない仕組みの普及
- 入居者死亡後、入居者が使用していた家財などの残置物の処理を円滑に行えるよう、居住支援法人の業務に残置物処理を追加しました。亡くなる前に入居者と居住支援法人などの間で残置物の処理に関する契約を締結し、入居者が死亡した場合は、居住支援法人などが入居者の相続人などに代わり残置物の処理を行います。
- ④ 賃貸借契約が相続されない仕組みの推進
- 通常の賃貸借は、入居者の死亡後、借家権が相続人に引き継がれ、大家さんが賃貸借契約を解除するには、入居者の相続人を探し、契約解除の申入れをする必要がありました。そのため、入居者の死亡時まで継続し、死亡時に終了する「終身建物賃貸借」を締結するための手続きを簡素化し、賃貸物件の大家さんが利用しやすいものにしました。
(エンディング:女性ナレーター)
今回の法改正で、「賃貸物件を貸したいけど不安がある」、「借りたいけど借りられない」というミスマッチを減らすため、大家さんが物件を貸すリスクを軽減し、要配慮者が借りやすく、また住みやすくなる環境の整備が推進されます。今後、「貸す人」と「借りる人」の双方にメリットをもたらす新しい仕組みが日本の社会のセーフティネットとして機能していくことが期待されています。詳しくは「政府広報 住宅セーフティネット法」で検索してみてください。
