メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

音声広報CD「明日への声」

vol.39(平成26年(2014年)9月発行)

音声広報CD「明日への声」のHTML版をトラックナンバーごとにご覧いただけます。こちらから移動できます。
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トラックナンバー6

(タイトル)小倉百人一首を楽しむ

(イントロダクション)

このコーナーでは、かるたとして古くから親しまれ、学校の教材としても使われることが多い「小倉百人一首」について、毎回2首ご紹介します。
「小倉百人一首」は、鎌倉時代の歌人、藤原定家によってまとめられた歌集で、飛鳥時代後期から鎌倉時代初期、7世紀から13世紀までの100人の有名な歌人の歌が一首ずつ選ばれています。そこには、美しい日本の四季、人の喜びや悲しみ、恋する気持ちなどが歌われています。

(本文)

まずは、切ない恋心を詠んだ歌を一首。

あひみての のちのこころに くらぶれば
むかしはものを おもはざりけり

逢ひ見ての 後の心に くらぶれば
昔はものを 思はざりけり

詠み人 権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ)

この歌は、「あなたにお逢いできて、お互いの気持ちを確かめ合えた今の恋しさに比べると、あなたに逢う前の恋の悩みなど、ないにも等しいほどです」という意味で、恋人と別れた朝に詠む、後朝の歌と解されています。
作者の権中納言敦忠は、左大臣・藤原時平の三男で、在原業平の孫にあたります。三十六歌仙の一人であり、琵琶の名手でした。また、今昔物語集に、「形、有様、美麗になむありける」と評されるほどの美貌の持ち主で、恋多き貴公子でもありました。

この歌は、そんな作者の恋人への募る思いを、切なく詠みあげています
では、もう一度、お聞きください。

あひみての のちのこころにくらぶれば むかしは ものをおもはざりけり

続いて、秋の夕暮れの田園風景を詠んだ歌を一首。

ゆうされば かどたのいなば おとづれて
あしのまろやに あきかぜぞふく

夕されば 門田の稲葉 おとづれて
芦のまろやに 秋風ぞ吹く
詠み人 大納言経信(だいなごんつねのぶ)

この歌は、「夕方になると、家の前の稲の葉に秋風が訪れて、そよそよと音を立てている。この芦葺きの小屋にも、秋風が吹き渡っています」という意味です。

作者の大納言経信は、参議・権中納言を経て、正二位大納言となった人物で、藤原頼通の摂関時代に当代一の歌人といわれていました。和歌のみならず、漢詩、管弦に優れ、琵琶の名手としても有名です。
平安時代の中期には、多くの貴族が都の郊外の田園に別荘を建て、美しい田園風景を楽しんだと言われています。このことから、「まろや」とは、一般的に芦や茅でふいた粗末な小屋を指しますが、この歌では、都の豪華な邸宅に比べて、「簡素な田舎風の小屋」といった意味で用いたと考えられます。山里を吹く秋風が稲田をそよぎ、田舎風の小屋をなだらかになでていく様は、初秋の夕暮れ時の田園の美しさを、叙情的に描写しています。
では、もう一度、お聞きください。

ゆうされば かどたのいなば おとづれて あしのまろやに あきかぜぞふく

(エンディング)

いかがでしたか。今回は、恋人への募る思いを詠んだ歌と、黄昏時の秋の田園風景を詠んだ歌の2首をご紹介しました。
秋の夜長に、古(いにしえ)の人の詠んだ歌に触れ、現代の私たちにも共感できる、さまざまな情感を拾い集めてみるのも楽しいですね。

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