メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

音声広報CD「明日への声」

vol.39(平成26年(2014年)9月発行)

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トラックナンバー11 【15分】

(タイトル)童謡・唱歌の世界

(イントロダクション)

このコーナーでは、日本で子どもから大人まで世代を超えて歌い継がれてきた「童謡」と「唱歌」を毎回数曲ご紹介します。「童謡」は、大正時代に創作歌曲として生まれ、「唱歌」は、明治から昭和にかけて旧文部省が編纂し、学校教育などに用いられてきたものです。

それでは1曲目、「夕焼小焼」をご紹介します。

童謡 「夕焼小焼」。
中村雨紅(なかむら うこう)作詞・草川 信(くさかわ しん)作曲。

夕焼小焼で日が暮れて 山のお寺の鐘がなる
お手々つないで皆かえろ 烏と一緒に帰りましょう

子供が帰った後からは 円い大きな お月さま
小鳥が夢を見る頃は 空にはきらきら 金の星

作詞者の中村雨紅は、東京都の日暮里にある小学校の教員でした。自分の思い描く教育の理想と、現実の子どもたちの姿との違いに心を痛め、道徳心や豊かな感受性と自己表現力を育てる必要性を感じ、学級文集を始めるとともに童話や詩を書き始めたと言われています。
夕焼小焼は、中村雨紅が、東京都八王子市へ帰る道すがら、夕暮れ時の山里を歩きながら、幼い頃見た山国の景色やなつかしさなどの感傷も加わって作られた詞と言われています。大正8年に発表されたこの詞に、大正12年に草川信が曲をつけました。しかし、関東大震災によってこの作品に関連するものは、ほぼ焼失してしまいました。辛うじて残った13部の楽譜が人から人へと歌い広められ、今も多くの人に親しまれています。
美しいけれどもちょっぴり寂しい、田舎の夕暮れを歌った叙情的な歌詞と、ゆったりとして歌いやすい曲調で日本の代表的な抒情歌です。
それでは、改めてお聞きください。

続いては、お祭りの賑やかな様子が伝わってくる歌です。

唱歌 「村祭」。
作詞・作曲者 不詳。

村の鎮守の神様の 今日はめでたい御祭日
どんどんひゃらら どんひゃらら
どんどんひゃらら どんひゃらら
朝から聞こえる笛太鼓

年も豊年満作で 村は総出の大祭
どんどんひゃらら どんひゃらら
どんどんひゃらら どんひゃらら
夜までにぎわう宮の森

この歌は、作詞・作曲とも不詳とされていますが、作詞は童謡や校歌の作詞で知られる葛原しげる、作曲は「村の鍛治屋」の作曲者でもある南能衛という説が有力です。
「村祭」は明治45年に「尋常小学校唱歌第3学年用」に掲載されて以来、広く歌い親しまれるようになった唱歌です。
明治45年の日本は産業が栄え、鉄道は農村まで延び、生活水準の向上でお米が全国に普及しました。当時の農村において、五穀豊穣を祝い神に収穫を感謝する「村祭」は、大変な賑わいだったと言われています。村人達は喜びの表現として舞や芸能を奉納して、村の繁栄を祈願しました。この曲は、そんな楽しい村祭りの様子が表現されています。
それでは、改めてお聞きください。

最後に、秋の風情を歌った曲をご紹介します。

文部省唱歌 「虫の声」。
作詞・作曲者 不明。
あれ松虫が鳴いている。
ちんちろちんちろ ちんちろりん。
あれ鈴虫も鳴きだした。
りんりんりんりん りいんりん。
秋の夜長を鳴き通す ああ おもしろい虫のこえ。

きりきりきりきり こおろぎや。
がちゃがちゃがちゃがちゃ くつわ虫。
あとから馬おい おいついて
ちょんちょんちょんちょん すいっちょん。
秋の夜長を鳴き通す ああ おもしろい虫のこえ。

虫たちの合奏を題材としたこの曲は、明治43年の「尋常小学読本唱歌」に掲載されました。「読本唱歌」とは、当時の小学生のための「国語読本」から採用した歌詞に、曲を付けた歌のことです。
発表当時は、2番の歌詞で「きりきりきりきり」と鳴いているのは「きりぎりす」でした。しかし、昭和7年の「新訂尋常小学唱歌 第3学年用」では、「きりぎりす」から「こおろぎ」に変更されています。これは、他の歌詞の虫が秋の虫に対して、きりぎりすは夏の虫であったことや、そもそもきりぎりすは"チョンギース"などと鳴くことから、鳴き声と歌詞を一致させたためです。
ちなみに、「こおろぎ」は、さまざまな種類がいて異なる鳴き方をします。「きりきり」と鳴くのは、かまどこおろぎ。「コロコロ」と鳴くのは、えんまこおろぎです。昔は、かまどこおろぎが多かったようです。
静かな秋の夜にそっと耳を澄ませて、虫たちの声を聞いてみませんか。
それでは、改めてお聞きください。

いかがでしたか。
慣れ親しんだ童謡・唱歌の世界の物語には、興味深いものがありますね。
夏の終わりと秋の始まりが交差する季節に、心に染み入る童謡・唱歌に、耳を傾けてみませんか。

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