メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

音声広報CD「明日への声」

vol.41(平成27年(2015年)1月発行)

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トラックナンバー6

(タイトル)小倉百人一首を楽しむ

(イントロダクション)

このコーナーでは、かるたとして古くから親しまれ、学校の教材としても使われることが多い「小倉百人一首」について、毎回2首ご紹介します。
「小倉百人一首」は、鎌倉時代の歌人、藤原定家によってまとめられた歌集で、飛鳥時代後期から鎌倉時代初期、7世紀から13世紀までの100人の有名な歌人の歌が一首ずつ選ばれています。そこには、美しい日本の四季、人の喜びや悲しみ、恋する気持ちなどが歌われています。

(本文)

まずは、冬の朝の情景を詠んだ歌を一首。

あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに
よしののさとに ふれるしらゆき

朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに
吉野の里に 降れる白雪

詠み人 坂上是則(さかのうえのこれのり)

この歌は、「夜がほのぼの明ける頃、夜明けの空に残った月の光が降り注いでいるのかと思うほど、吉野の里に雪が白く降り積もっている」という意味です。
吉野とは、現在の奈良県吉野郡吉野町のあたり一帯のことを指し、春は桜、秋は紅葉、冬は雪の名所として知られる山里でした。
月の白い光を雪や霜に見立てる比喩は、中国の唐の時代の漢詩や日本の平安時代の和歌でもよく使われていました。
作者の坂上是則は、平安時代の優れた武人として知られる坂上田村麻呂の子孫です。蹴鞠の名人として評判が高く、御所で行われた蹴鞠の会で、連続して206回も蹴るという活躍を見せ、醍醐天皇から褒美を賜ったという話が残っています。
では、もう一度、お聞きください。

あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに
よしののさとに ふれるしらゆき

続いて、機知に富んだ挨拶の歌を一首。

ひとはいさ こころもしらず ふるさとは
はなぞむかしの かににほひける

人はいさ 心も知らず ふるさとは
花ぞ昔の 香ににほひける

詠み人 紀貫之(きのつらゆき)

この歌は、「あなたの心は、さあ、どうだかわかりません。ただ、慣れ親しんだこの土地の梅の花は、以前と変わらぬ香りで私を迎えてくれていますよ」という意味です。
紀貫之は、古今集の撰者として、また、「土佐日記」の作者として有名な歌人です。この歌は、以前、長谷寺に詣でるたびに泊まっていた宿に、久しぶりに立ち寄ったところ、宿の主に長年の疎遠を責められた紀貫之が、機転を利かせ、梅の枝をひとさし折って、この歌を詠んだと言われています。変わりやすい人の心と、変わることのない自然を対照的に詠みあげ、相手からの皮肉を上手にかわしています。
宿の主を恋人の女性と見立て、「あなたこそ、心がわりをしているのではないか」と応じた歌だと解釈する説もあります。
それでは、もう一度、お聞きください。

ひとはいさ こころもしらず ふるさとは
はなぞむかしの かににほひける

(エンディング)

いかがでしたか。暦の上では春となりました。寒さの中にも春の気配がそこはかと感じられる季節です。あなたの周りに訪れる小さな春を探してみてはいかがでしょうか?

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