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メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

音声広報CD「明日への声」

vol.46(平成27年11月発行)

音声広報CD「明日への声」のHTML版をトラックナンバーごとにご覧いただけます。こちらから移動できます。
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トラックナンバー6

(タイトル)小倉百人一首を楽しむ

(イントロダクション)
このコーナーでは、かるたとして古くから親しまれ、学校の教材としても使われることが多い「小倉百人一首」について、毎回2首ご紹介しています。
「小倉百人一首」は、鎌倉時代の歌人、藤原定家によってまとめられた歌集で、飛鳥時代後期から鎌倉時代初期、7世紀から13世紀までの100人の有名な歌人の歌が一首ずつ選ばれています。そこには、美しい日本の四季、人の喜びや悲しみ、恋する気持ちなどが歌われています。

(本文)
まずは、小説『源氏物語』の作者、紫式部の歌を一首。

めぐりあいて みしやそれとも わかぬまに
くもがくれにし よわのつきかな
めぐり逢いて 見しやそれとも 分かぬまに 
雲隠れにし 夜半の月かな

この歌は、「久しぶりに再会して思い出話がつきないのに、あっという間に雲に隠れてしまった夜更けの月と同じように、あなたはすぐに帰ってしまいましたね」という意味です。恋人との別れを嘆く歌のように聞こえますが、相手は、紫式部の幼なじみの女性です。百人一首では珍しい、女性と女性の間で詠まれた歌で、遠方に発つ前に訪ねてきた旧友との別れを惜しんでいます。
紫式部は、『源氏物語』の中では、空想たくましく貴族の恋愛模様を描いていますが、本人はいたって奥手な性格で、男性と恋の歌をやりとりするよりは、女友達との交流を楽しんでいたようです。『源氏物語』に登場する女性たちは、みな個性的で情感豊かに描かれていますが、多くの女友達を鋭い観察力と洞察力で見つめ続けた結果が、物語の登場人物たちに息吹を与えたのかもしれません。
それではもう一度聞いてみましょう。

めぐりあいて みしやそれとも わかぬまに
くもがくれにし よはのつきかな

続いては、随筆『枕草紙』の作者、清少納言の歌です。

よをこめて とりのそらねは はかるとも
よにおうさかの せきはゆるさじ

夜をこめて 鳥の空音は はかるとも
よに逢坂の 関はゆるさじ

清少納言は男性の友人が多く、彼らと知的な会話を楽しんでいました。この歌は友人の一人、藤原行成とやりとりしたものですが、中国の故事が題材となっています。その故事とは、「昔、中国の斉という国の王族である孟嘗君が敵国に捕えられ、脱出を試みて、函谷関という関所まで逃げました。しかし、関所は鶏が鳴くまで開きません。そこで部下に鶏の鳴きまねをさせ、関所を開かせて無事に国外脱出を果たした。」というものです。行成は、夜遅くまで清少納言と話した日の翌朝、「昨夜は鶏の声にせかされて帰りましたが、まだ話し足りない気分です」という歌をよこします。清少納言はピンと来て、「函谷関でもないのに、あんな夜更けに“鶏の声”がするはずはありません」と一旦返答します。すると行成は、「関は関でも、あなたと遭いたい“逢坂の関”です」と、おどけた歌を送ってきました。すかさず清少納言はこの歌を送り、「函谷関のように鶏の鳴き声をまねてだまそうとしても、私たちの逢坂の関は決して開いたりしませんよ」と、巧妙に行成をやり込めます。
このように屈託なく、自分の才気をさらけ出す清少納言を、紫式部は「知識をひけらかす鼻持ちならない女性」と批判しています。しかし、この教養と天真爛漫な性格こそが、『枕草子』を現代にも親しみやすい軽妙なタッチのエッセイにしているのでしょう。
それでは、もう一度聞いてみましょう。

よをこめて とりのそらねは はかるとも
よにおうさかの せきはゆるさじ

(エンディング)
いかがでしたか? 平安から今に伝わる文学を残した女性の歌2首を紹介しました。歌に詠まれた情景から、作者の人間性や性格が垣間見えるのも楽しいですね。時の移り変わりが早く感じられる今日この頃、昔の人の詠んだ歌が心に染みてきませんか。

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