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メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

音声広報CD「明日への声」

vol.50(平成28年(2016年)7月発行)

音声広報CD「明日への声」のHTML版をトラックナンバーごとにご覧いただけます。こちらから移動できます。
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トラックナンバー6

(タイトル)
小倉百人一首を楽しむ

(本文)
このコーナーでは、かるたとして古くから親しまれ、学校の教材としても使われることが多い「小倉百人一首」について、毎回2首ご紹介します。
「小倉百人一首」は、鎌倉時代の歌人、藤原定家によってまとめられた歌集で、飛鳥時代後期から鎌倉時代初期、7世紀から13世紀までの100人の有名な歌人の歌が一首ずつ選ばれています。そこには、美しい日本の四季、人の喜びや悲しみ、恋する気持ちなどが歌われています。

百人一首には名所や由緒ある場所が詠み込まれた歌が数多くあります。詠み込まれた地名のことを、「歌枕」と呼びます。当時の都があった奈良や京都の地名を歌枕とした歌が多いなか、都から遠く離れた東北地方の歌が3首あり、そのうち宮城県が舞台の歌を2首紹介します。

まずは、宮城県多賀城市にある「末の松山」を題材にした、清原元輔の歌です。

ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ 
すえのまつやま なみこさじとは

契りきな かたみに袖を しぼりつつ 
末の松山 波越さじとは

清原元輔は、「枕草子」で有名な清少納言の父です。漢字だけで書かれた万葉集を、読みやすくするために一部をひらがなにするなど、いわゆる訓読を行う和歌の専門家でした。
歌枕の「すえのまつやま」は、現在のJR多賀城駅から歩いて10分ほどのところにある標高10メートル程度の松の木のある小高い丘ですが、どんな津波が来ても決して波が丘を越えることはなかったといわれています。この歌は、心変わりした女性に宛てて「あの、末の松山を海の波が越えることが絶対にないように、二人の愛は決して変わらないと、ふたりでかたく誓い合ったのに」と訴えているのです。
それではもう一度聞いてみましょう。

ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ 
すえのまつやま なみこさじとは

続いては、日本三景の一つ、松島にある島、「雄島(おしま)」を題材にした、殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ)の歌です。

みせばやな をじまのあまの そでだにも 
ぬれにぞぬれし いろはかはらず

見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 
濡れにぞ濡れし 色はかはらず

殷富門院大輔は、後白河天皇の第一皇女である殷富門院(亮子(りょうし)内親王)に仕えていました。数多くの歌を詠んでいたので、当時の歌人仲間からは千首大輔と呼ばれていました。
歌枕の「をじま」は、JR松島海岸駅から歩いておよそ6分。朱塗りの「渡月橋」を渡って上陸できます。
この歌は「涙に濡れて、色の変わった私の袖をお見せしたいものよ。雄島の漁師の袖ですら、波をかぶって濡れに濡れても、私の袖のように色は変わらないのに」という意味です。これは作者より100年も前の歌人、源重之が詠んだ「松島や 雄島の磯にあさりせし あまの袖こそ かくは濡れしか」という有名な古歌の言葉を取り入れて、返し歌の形で詠まれた「本歌取り」という和歌の技法を使っています。源重之がつらい恋に「漁師の袖が濡れるのと同じくらい私の袖も涙で濡れた」と詠んだのを受けて、「私は悲しみのあまり涙を流しすぎて血がにじみ、涙を拭く袖の色まで変わってしまった」とより大げさに返しています。
それではもう一度聞いてみましょう。

みせばやな をじまのあまの そでだにも 
ぬれにぞぬれし いろはかはらず

いかがでしたか。当時は交通が発達していなかったため、簡単には都から東北地方に旅ができず、有名な歌枕の地名を聞きながら、まだ見ぬ風景に思いをはせたのでしょう。皆さんも、和歌を通して、旅気分を味わってみませんか。

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