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メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

音声広報CD「明日への声」

vol.51(平成28年(2016年)9月発行)

音声広報CD「明日への声」のHTML版をトラックナンバーごとにご覧いただけます。こちらから移動できます。
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トラックナンバー6

(タイトル)
小倉百人一首を楽しむ

(イントロダクション)
このコーナーでは、かるたとして古くから親しまれ、学校の教材としても使われることが多い「小倉百人一首」について、毎回2首ご紹介します。
「小倉百人一首」は、鎌倉時代の歌人、藤原定家によってまとめられた歌集で、飛鳥時代後期から鎌倉時代初期、7世紀から13世紀までの100人の有名な歌人の歌が一首ずつ選ばれています。そこには、美しいにっぽん日本の四季、人の喜びや悲しみ、恋する気持ちなどが歌われています。

(本文)
和歌には様々な表現技法がありますが、その一つに、有名な古い歌の一部分を取り入れて、元の歌のおもむきを引き継ぎながら新しく歌を詠む、「本歌取り」という技法があります。小倉百人一首には、本歌取りの元になった歌と、それを「本歌取り」した歌の両方が選ばれているものがあります。今回は、その2首を紹介します。

はじめに、元になった歌、柿本人麻呂の歌です。

あしびきの やまどりのをの しだりをの
ながながしよを ひとりかもねむ

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
ながながし夜を ひとりかも寝む

柿本人麻呂は、日本に現存する最古の歌集「万葉集」を代表する歌人で、数多くの歌を残しています。持統天皇や文武天皇が行幸する様々な地域を巡り、天皇や皇族のために和歌を詠んでいたそうです。
この歌は、「やまどりのオスの長く垂れ下がっている尾のように、長い秋の夜を、愛する人と離ればなれになって、ひとり寂しく寝るのだろうか」という意味です。
やまどりはキジ科の鳥で、昼はオスとメスが一緒にいますが、夜になると離れて眠りにつくと言い伝えられていました。そのため、一人寝の寂しさや悲しさの例えとして使われます。秋になり、夜の冷え込みが増していく中で、一人寝の寂しさがいっそう募るのでしょう。
それではもう一度聞いてみましょう。

あしびきの やまどりのをの しだりをの
ながながしよを ひとりかもねむ

続いては、本歌取りをした、後京極摂政前太政大臣の歌です。柿本人麻呂の歌の最後の部分、「ひとりかもねむ」を取り入れています。

きりぎりす なくやしもよの さむしろに
ころもかたしき ひとりかもねむ

きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに
衣かたしき ひとりかも寝む

後京極摂政前太政大臣は、本名を藤原良経といい、代々摂政を輩出する名門、九条家の出身です。若いころから優秀だった良経は、当時の政治制度の最高職である太政大臣にまで上りつめました。
この歌は、「こおろぎが鳴いている、この霜の降りた寒い夜、むしろの上で、私は自分の着物の片袖を敷いて、ひとり寂しく寝るのだろうか」という意味です。「きりぎりす」とは、現代とは異なり、秋の代表的な風物である「こおろぎ」のことを指します。
また、「衣かたしき」の「かたしき」とは、一人きりで寝ること。この歌を詠む少し前に、藤原良経は妻を亡くしています。平安時代は、男女が一緒に寝る場合、お互いの袖を枕代わりに敷いたそうです。良経は、隣に妻のいない一人寝の寂しさを歌ったのではないかと言われています。
それではもう一度聞いてみましょう。

きりぎりす なくやしもよの さむしろに
ころもかたしき ひとりかもねむ

(エンディング)
いかがでしたか。いずれの歌も、一人寝の寂しさを詠んでいます。今私たちが使う布団は、平安時代にはなく、着物をかけて寝ていたと言われています。そのため、寒くなってくると、寝床では人の温もりがほしかったのかもしれませんね。皆さんも、和歌を通して、当時の文化や風習を感じてみませんか。

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