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メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

音声広報CD「明日への声」

vol.55(平成29年(2017年)7月発行)

音声広報CD「明日への声」のHTML版をトラックナンバーごとにご覧いただけます。こちらから移動できます。
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トラックナンバー6

(タイトル)
小倉百人一首を楽しむ

(イントロダクション)
このコーナーでは、かるたとして古くから親しまれ、学校の教材としても使われることが多い「小倉百人一首」について、毎回2首ご紹介しています。
「小倉百人一首」は、鎌倉時代の歌人、藤原(ふじわらの)定家(ていか)によってまとめられた歌集で、飛鳥時代後期から鎌倉時代初期、7(なな)世紀から13世紀までの100人の有名な歌人の歌が一首ずつ選ばれています。そこには、美しい日本(にっぽん)の四季、人の喜びや悲しみ、恋する気持ちなどが歌われています。

(本文)
皆さんの周りにはダジャレが得意な人、とんちがきく人はいませんか。今回は、言葉遊びが巧みでユーモアを感じさせる2首を紹介します。

まずは平安時代の歌人、喜撰(きせん)法師の歌です。
歌の中に動物が隠れていますので、注意して聞いてみましょう。

わがいおは みやこのたつみ しかぞすむ
よをうぢやまと ひとはいふなり

わが庵は 都の辰巳しかぞ住む
世をうぢ山と 人はいふなり

この歌は、「わたしの庵(いおり)は都の東南の方角にあり、鹿が鳴く里で心静かに過ごしていますが、人は私が世をつらいと思って宇治山に住んでいると言うのです」という意味です。
「しかぞ」は「然(しか)るに」と同じ「このように」の意味と動物の「鹿」を、「住む」は「家に住む」などの「住む」と「澄み切った」の「澄む」を、「うぢ山」は京都の地名の「宇治」と「つらい」という意味の「憂(う)し」を掛けています。
この歌には、暗号のように十二支が隠れています。宇治山の「う」、そして方角を示す「辰巳(たつみ)」と来て、次に午(うま)と来るべきところに鹿を登場させて、人々の予想を裏切り笑わせます。まるで、おしゃべりを楽しんでいるような軽やかな歌ですね。
喜撰法師の経歴は謎が多く、宇治山に隠れて仙人になり、雲に乗って飛び去ったという伝説があります。とぼけた茶目っ気のある歌の作者らしい伝説ですね。
それではもう一度、聞いてみましょう。

わがいおは みやこのたつみ しかぞすむ
よをうぢやまと ひとはいふなり

続いては、言葉や文字の成り立ちを詠んだ歌で、作者は文屋康秀(ふんやのやすひで)です。

ふくからに あきのくさきの しをるれば
むべやまかぜを あらしといふらむ

吹くからに 秋の草木の しをるれば
むべ山風を 嵐といふらむ

この歌は、「山風が荒々しく吹くと草木がしおれてしまう。なるほど、荒々しいから「あらし」と言うのか。「山」に「風」と書いて「嵐(あらし)」と読むのもおもしろい」という意味です。作者の文屋康秀は下級官吏(かんり)で、平安時代前期の人です。
上の句で、草木をしおれさせる激しい風の様子を説明し、下の句でその風の名を「山風(やまかぜ)と呼ぶのだなあ」としみじみと納得し、さらに山風を上下に組み立てて「嵐」を完成させるという言葉遊びをしています。京都は山に囲まれた盆地なので、山から吹き降ろす秋の風は厳しく、冬の到来を予感させます。自然の厳しさや季節感を織り交ぜたおもしろい表現ですね。
この歌にも謎があって、作者は康秀の息子の朝康(あさやす)ではないかという説があります。朝康は父の歌の技巧を受け継いでか、優れた歌詠みとして評判が高かったようです。
それでは、もう一度聞いてみましょう。

ふくからに あきのくさきの しをるれば
むべやまかぜを あらしといふらむ

(エンディング)
いかがでしたか? 歌には作者の観察眼のおもしろさを味わうだけではなく、その人の性格が垣間見られる楽しさがあります。平安時代の人のユーモアのセンスは、現代の私たちにも通じますね。時代を超えた共通点を探ってみると、百人一首の世界がぐっと身近に感じられることでしょう。

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