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メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

音声広報CD「明日への声」

vol.56(平成29年(2017年)8月発行)

音声広報CD「明日への声」のHTML版をトラックナンバーごとにご覧いただけます。こちらから移動できます。
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トラックナンバー6

(タイトル)
小倉百人一首を楽しむ

(イントロダクション)
このコーナーでは、かるたとして古くから親しまれ、学校の教材としても使われることが多い「小倉百人一首」について、毎回2首ご紹介しています。
「小倉百人一首」は、鎌倉時代の歌人、藤原(ふじわらの)定家(ていか)によってまとめられた歌集で、飛鳥時代後期から鎌倉時代初期、7(なな)世紀から13世紀までの100人の有名な歌人の歌が一首ずつ選ばれています。そこには、美しい日本(にっぽん)の四季、人の喜びや悲しみ、恋する気持ちなどが歌われています。

(本文)
 今回は、日本史でも馴染みの深い2人の天皇の歌を紹介します。

 まずは、天智(てんじ)天皇の歌です。天智天皇は飛鳥時代の人で第38代天皇、646年の大化の改新で新しい時代を切り開いた中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)、その人です。

あきのたの かりほのいほの とまをあらみ
わがころもでは つゆにぬれつつ

秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
わが衣手は 露にぬれつつ

 この歌は、「冬が近づく番小屋は、雨風をしのぐために茅で編んだむしろを屋根にしていますが、その編み目が粗く、ただでさえ涙に濡れがちな私の袖は、冷たい夜露に濡れるばかりです」という意味です。農作物を荒らされぬよう見張りの小屋で過ごすわびしさを詠んでおり、天皇らしからぬ歌とも言われています。
 600年代半ば、力のある豪族が権力を持ち始め、なかでも蘇我氏は朝廷政治を欲しいままにしていました。中大兄皇子はこれをよしとせず、自ら剣をふるい、クーデターに成功します。その後、都を飛鳥から近江に移し、律令国家の基礎をつくるなど、政治手腕を発揮しました。 
 男らしく行動力のある天智天皇は、平安の人々に人気がありました。民を思って歌を詠むとは天智天皇らしいとする説と、天智天皇を崇拝していた藤原定家が百人一首の筆頭に配置したいがために、別の人の歌を代用したという説があります。

 それでは、もう一度聞いてみましょう。

あきのたの かりほのいほの とまをあらみ
わがころもでは つゆにぬれつつ

 続いては、後(ご)鳥羽院(とばいん)の歌です。後鳥羽院は鎌倉時代の人で第82代天皇、1221年の承久(じょうきゅう)の乱で失脚した悲運の天皇です。

ひともをし ひともうらめし あぢきなく
よをおもふゆゑに ものおもふみは

人もをし 人もうらめし あぢきなく
世を思ふゆゑに 物思ふ身は

 この歌は、「人とは、あるときは愛しく、あるときは憎らしく思われる。現世を味気なく生きている私は、様々なもの思いにふけっています」という意味です。
 後鳥羽院は、源平合戦の壇ノ浦の戦いで入水(じゅすい)した安徳天皇の後の天皇として、4歳で即位します。このとき天皇の三種の神器のひとつ、宝剣が海底に沈んだまま見つからず、朝廷始まって以来、初めての「宝剣なき天皇」となりました。
 この時代は、鎌倉幕府が政治の実権を握っていましたが、武芸や文芸に優れた後鳥羽院は、帝の地位が名目化しつつある状況に焦りを覚えていたのかもしれません。この歌から9年後、後鳥羽院は幕府討伐を企てて、後に承久の乱と呼ばれるクーデターを起こしますが失敗します。そして隠岐島に流され、その地で60年の生涯を閉じました。

 それでは、もう一度聞いてみましょう。

ひともをし ひともうらめし あぢきなく
よをおもふゆゑに ものおもふみは

(エンディング)
 いかがでしたか? 天皇制はおよそ2600年前に始まり、その血筋は世界でも類がなく現在(いま)に受け継がれています。天皇はじめ皇室のお立場や役割は時代を経て変化してきましたが、和歌を愛する気持ちは受け継がれているのではないでしょうか。私たちも日本の文芸である和歌を大切にしていきたいですね。

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