メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

音声広報CD「明日への声」

vol60(平成30年(2018年)3月発行)

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トラックナンバー5

(タイトル)
盲導犬を育成するための新たな取組みについて

(本文)

 盲導犬は、視覚に障害のある方の生活をサポートするだけでなく、いつも近くにいて精神的な温もりを与えてくれる、家族のような存在ともいえます。

 厚生労働省の調べでは、国内の盲導犬の数は平成29年3月末現在で950頭です。一方で、盲導犬を必要とする人の数は、およそ3千人といわれており、まだまだ足りないのが現状です。

 盲導犬の育成には、時間をかけた訓練が必要ですが、その解決策のひとつとして、官民協働で運営する刑務所である「島根あさひ社会復帰促進センター」では、平成21年から「盲導犬パピー育成プログラム」が行われています。パピーとは子犬のことです。

 このプログラムは、受刑者が盲導犬の候補となるパピーの養育を行う点に大きな特徴があります。通常、盲導犬になるために特別に繁殖された子犬は、生後60日から1歳になるまでの10カ月間、パピーウォーカーと呼ばれるボランティアにより、一般家庭で育てられますが、この期間が、将来、盲導犬としてデビューできるかどうかに大きくかかわってくるといわれています。

 「盲導犬パピー育成プログラム」では、このパピーウォーカーの役目を受刑者の人たちが担います。パピー1頭に対して、5名程度のグループで育て方のルールを守り、お互い協力しながら養育します。グループのメンバーたちは、日本盲導犬協会の訓練士の指導を仰いだり、育成テキストを参考にしたりしながら、パピーと24時間生活を共にし、食事や排せつなどのしつけや運動などの訓練に当たります。また、単にパピーを育成するだけでなく、盲導犬の歴史や役割を学んだり、点字翻訳を学んでいます。

 このプログラムで大きな課題だったのが、刑務所という環境だけでは、パピーにとって必要な社会性を学ぶ機会が足りないことでした。刑務所施設の中では、女性や子供など幅広い世代に触れることはできませんし、車や信号などを見ることもありません。そこで、地域ボランティアである「ウィークエンドパピーウォーカー」が、週末、パピーの養育に協力しています。つまり、パピーたちは、平日は受刑者に、週末は地域のボランティアの方たちに育ててもらっているのです。
 これまで平成21年4月から30年1月の間に、246名の受刑者が52頭のパピーの育成に携わりました。そして、平成29年7月現在で、12頭が盲導犬として活躍しています。

 受刑者がパピーの養育を行っているのは、全国でもこの「島根あさひ社会復帰促進センター」だけです。関係者の方々は、センターの開設前から、すでに刑務所でパピーの育成活動を行っているアメリカの刑務所などに赴き、「盲導犬パピー育成プログラム」の導入に向けた検討を重ねて実現しました。
 このような試みは、受刑者たちにとって社会貢献に通じる機会となり、社会復帰への希望を見出すことにつながります。実際にこれまでパピーの育成に携わった受刑者からは、「人を信頼する喜びとそれに応える喜び、役に立つ喜びを感じられた」「達成感を味わえた」「育てることの大変さを知り、自分の親の心情や愛がわかった」という声が聞かれました。

 今後もこのプログラムは継続され、盲導犬の育成と受刑者の社会復帰に貢献していきます。

盲導犬パピー育成プログラムに関するお問合せは
法務省矯正局
電話 代表番号 03-3580-4111 へどうぞ。

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