動作確認用_国際女性会議WAW!2022

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世界のトップリーダーが白熱討論
ジェンダー主流化で持続的成長を

WAW!2022
世界のトップリーダーが白熱討論
ジェンダー主流化で持続的成長を
ジェンダー平等と女性の活躍の実現を目指す「国際女性会議WAW!2022」(日本国政府主催)が昨年12月に都内で開催された。WAW!は、World Assembly for Womenの略称で、世界の様々な国と地域、国際機関から、女性に関わる分野に知見の深い有識者やトップリーダーが日本に集結する国際会議。会場ではジェンダーの視点から見た政策指針や課題など、幅広いトピックで議論が展開された。今年5月のG7広島サミットに向けても、国際的な重要課題であるジェンダー平等の実現に向けて論点を出し合う、有益な機会となった。
新しい資本主義の中核 女性の経済的自立
課題は複雑化
国際社会では近年、ジェンダー平等の観点をあらゆる政策や制度に反映していこうという「ジェンダー主流化」が重要視され、日本政府も最優先課題の一つに位置づける。一方でコロナ禍では性暴力の増加がみられ、ウクライナからの避難民は9割が女性と子どもに偏っているなど、課題がますます複雑化する状況だ。
こうしたなかで開催を迎えた今回のWAW!は、「新しい資本主義に向けたジェンダー主流化」がテーマ。地方の視点や、未来を担う若者世代の意見を取り入れるプログラムも設け、世代や地域を超えた知見が集まった。
女性視点が不可欠
開会あいさつでは岸田文雄首相が、成長と分配の好循環とコロナ後の新しい社会の開拓をコンセプトとした「新しい資本主義」を目指すうえで「女性の立場からの視点を政策や制度に反映していく」と表明。女性の経済的自立のため、すべての分野で女性の視点を取り入れた政策づくりを進めると話した。さらに日本政府の取り組みとして、男性と女性の賃金の割合の公表義務化や、男女間の賃金格差の是正、「産後パパ育休」の創設や、アフガニスタンや戦火のウクライナから逃れてきた女性たちへの一時避難施設の提供などの国際協力についても言及。最後に「ジェンダー平等の推進により多くの男性を関与させるよう主導していくとともに、誰しもが生きがいを感じられる社会の実現のための重要な契機になってほしい」と、一日の議論に期待を述べた。
岸田 文雄 氏 内閣総理大臣
基調講演
変化を起こす意志を
ジェンダー平等は、公平・公正や人権の観点だけではなく、職場の活性化や国の経済成長といった利益にかなう。世界経済フォーラムが発表するジェンダーギャップ指数で、アイスランドは最も順位の良い国だが、過去には女性に不利な社会だった。しかし女性の政治進出や男女同一賃金などの改革に長年取り組み、1980年には世界初の女性大統領を輩出した。そうした進展は自然発生するのではなく、女性が立ち上がり、男性が積極的に支えたからこそ。物事を動かすのは、変化を起こす意志である。
グドゥニ・トルラシウス・ヨハネソン 氏 アイスランド共和国大統領
基調講演
12兆㌦の市場逃すな
ジェンダー平等の実現まで、今のペースでは300年もかかる。現在、女性は社会課題のしわ寄せを強く受け、世界では11分に1人の割合で女性が家族に殺害され、3億8000万人の女性が貧困にあえいでいる。問題の解決策は既に分かっている。女性・少女の権利を保護すること、女性の意思決定とリーダーシップを取る機会を保証すること、あらゆる資金にジェンダー平等の観点を盛り込むことだ。今すぐ取り組みを加速させ、女性がポテンシャルを発揮すれば2025年までに年間12兆㌦の新たな市場機会も生まれる。
シマ・サミ・バフース 氏 国連事務次長兼国連女性機関(UN Women)事務局長
世界各国 進むエンパワーメント
女性参画で変革
各国首脳・閣僚によるハイレベル・ラウンド・テーブルでは、諸国のジェンダー主流化への取り組みが報告された。
ウクライナの隣国モルドバで、女性として初めて就任したマイア・サンドゥ大統領は、同国議会の高い女性比率に触れ、女性比率をあらかじめ決めるクオータ制を含めて段階的に法制度を整えた歴史を紹介。「女性も政治の場に出てほしい。社会を変える最も短い道のりだ」と力説した。
新しい家族像へ
続いてモンゴルのバトムンフ・バトツェツェグ外務大臣が、ドメスティックバイオレンス(DV)への罰則や、女性の労働参加率の向上などの施策を紹介し「ジェンダー平等は社会を活性化するもので、男性にとってもゼロサムではなくウィン・ウィンだ」と強調した。世界的にも男女賃金格差が小さい国の一つで、女性CEOが多いといわれるシンガポールのマサゴス・ズルキフリ社会・家庭振興大臣は、ジェンダー主流化の考え方を取り入れた新しい家族像の浸透に取り組んでいることを述べた。
 また日本の小倉將信女性活躍担当大臣、山田賢司外務副大臣は女性の起業支援やケア労働の負担軽減、男性の意識改革など「新しい資本主義」における「女性の経済的自立」に向けた諸施策を紹介。最後に森まさこ内閣総理大臣補佐官(女性活躍担当)は登壇者からの意見の集約として、女性の政治分野への参画や女性の経済的自立の重要性を強調した。
マイア・サンドゥ 氏 モルドバ共和国大統領
制度、政策、教育など 世代・地域超え提言
WAW!2022の5つの柱
新しい資本主義と女性
女性の平和・安全保障への参画
意思決定プロセスへの女性の参画
男性の関心・関与の拡大
女性の尊厳と誇りを守る社会の実現
10の分科会で深掘り
基調講演とハイレベル・ラウンド・テーブルでの議論を受けて、5 つの柱(左表)を基に議題を設け、10の分科会と2つの特別セッションを開催。政策や企業・団体の事業にジェンダーの視点を取り入れていくための意見を出し合った。有識者やビジネスリーダーに交じって次世代の若者も参加しており、クロージング・セッションでは、ラポラトゥール(報告者)として分科会で議論した成果と提言を発表した。
 各分科会のラポラトゥールは交代で壇上に上がり、森補佐官と客席に向けプレゼンテーション。男女の賃金格差を話し合った分科会からは、政府には是正へのロードマップづくりを、企業には育休復帰後の支援や、男女の無意識のバイアスをなくすトレーニング施策などの提言があった。
 そのほか女性とデジタル・STEM(科学・技術・工学・数学)教育、女性のスタートアップ支援、脱炭素社会での女性の参画、女性の尊厳と誇りを守る社会の実現に向けた方策、女性と防災の関係、男性や若者の関心・関与の拡大、女性の平和・安全保障への参画などについても重要な提言が多くあり、「女性に関することは女性抜きに進められない」という印象的な言葉も紹介された。
若い世代の本音も
また各地のサテライト会場とつないで議論した「地方」をテーマとした特別セッションや、若者による特別セッションの成果も報告。若い世代の本音として、ジェンダー主流化を全世代が協力して進めるために「私たち若者の教育は済んでいる。おじさま・おばさまも学ぶべきだ」との言葉には、大きな拍手が起こった。また、東京イコール日本ではないため、地方への伝え方にも工夫が必要だとの報告があった。
最後に森補佐官が議論を総括するとともに「世代・地域を超えて、ジェンダー平等の実現と女性のエンパワーメントの促進にさらに取り組んでいく」と決意を述べ、会は幕を閉じた。
「男女間の賃金格差の是正」の分科会で発電するベトナム有数の経営者、グエン・ティ・ガー・BRGグループ会長
閉会のあいさつに立った森まさこ内閣総理大臣補佐官(女性活躍担当)(右から4人目)と、WAW!2022の企画にあたった有識者委員ら
ヒラリー・クリントン元米国務長官は「女性の権利が取り残されたままでは、世界は持続的な進歩を遂げられない」とメッセージを寄せた
国や分野、世代を超え熱心に討論する参加者たち
各セッションの模様を動画でご覧いただけます
https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_003904.html

印刷用(PDF:2.2MB )

1月11日
日本経済新聞

 

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