メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

ラジオ番組

令和2年(2020年)4月19日・4月20日放送

柴田阿弥とオテンキのりのジャパン5.0

地理的表示(GI)保護制度(文字で読む)

ゲスト
  • 農林水産省 食料産業局 知的財産課長
    尾﨑 道
柴田
今日は「地理的表示保護制度」について考えます。本日のゲストは、農林水産省 食料産業局 知的財産課長の尾﨑 道さんです。尾﨑さん、よろしくお願いします。
柴田
ではまず、私たちも初めて聞きましたが、「地理的表示」とはどういうことですか?
尾﨑
はい、農林水産物や食品などの名称で、その名称から産地を特定できるもののことを言います。例えば、兵庫県の「神戸ビーフ」、福井県の「越前がに」、長野県の「市田柿」などが挙げられます。
柴田
その地域の特産品のことですか?
尾﨑
はい。これらは、産品の品質や社会的評価などの特性が、その産地の自然や人などの要素と結びついており、名前を聞いただけでどのような産品であるか特定することができます。
柴田
次に、今日のテーマ、「地理的表示保護制度」についても教えていただきましょう。
尾﨑
はい。国が地域の農林水産物や食品などの産品の名称を知的財産として登録し保護する仕組みを「地理的表示保護制度」といいます。
尾﨑
日本には、伝統的な生産方法や気候・風土・土壌といった生産地などの特性が品質などと結びついている産品、いわば「地域のブランド品」が数多く存在しています。
柴田
地域のおいしい特産品は旅行の目的にもなりますね。
尾﨑
そうですよね。一方で、その名声に便乗した模倣品などが出回る、といった問題もあり、そうした不正な名称使用から正規のブランド品を守るための制度が必要なんです。
尾﨑
「地理的表示保護制度」は、地域共有の財産である地域のブランド品の価値向上、生産者と消費者の利益保護などを目的としています。
柴田
なるほど!確かに私たち、消費者としても、正しい生産地の商品を買いたいですね。
のり
そうですね。その「地理的表示」の登録産品は、今の日本にはどのくらいあるんですか?
尾﨑
はい、現在、94産品が登録されています。
のり
すごい!94もあるんですね。
尾﨑
はい。先ほどご紹介した以外にも、例えば、「近江牛」、「東京しゃも」、「みやぎサーモン」など、それぞれの生産地と産品の特性が結びついたものが登録されているんです。
柴田
どれも聞いたことがあります。
柴田
今の説明にあった、「それぞれの生産地と産品の特性が結びついたもの」という部分について、さらに具体的に教えて頂けますか?
尾﨑
例えば、「鹿児島の壺造り黒酢」は、鹿児島県霧島市福山町及び隼人町で、屋外に壺を並べて発酵させることで作られる米の黒酢です。
尾﨑
一年を通じて温暖で寒暖の差が小さく、また近隣に薩摩焼の産地があり壺が容易に得られるこの場所は、黒酢造りには最適な場所で、生産の歴史は200年に及びます。
のり
200年!そんなに歴史があるものだったんですね。
尾﨑
はい。そうした歴史の中で伝統の製法を守り生産されてきた「鹿児島の壺造り黒酢」は、6か月以上の発酵と、6か月以上の長期熟成から生まれる特有の香りとまろやかな酸味で評価も高いんです。また、壺を敷地一面に並べた「壺畑」は圧巻の風景です。まさにその場所でしか生産できない、それが「鹿児島の壺造り黒酢」といえます。
柴田
なるほど。その地理的表示の登録産品の見分け方、私たちでも分かるマークのようなものはありますか?
尾﨑
はい。地理的表示は、英語のGeographical Indication(ジオグラフィカル インディケーション)の頭文字をとってGIと略されていますが、
尾﨑
地理的表示の登録産品にはGIマークが貼られます。国によって異なるGIマークですが、日本のマークは大きな太陽が背景にあり、富士山と水面をモチーフにした、日の丸の赤と伝統・格式を感じる金色が使用され、日本らしさが表現されています。
柴田
私、これを見たことがあります。しかも、「GIマーク」というのは聞いたことがあったんですけど、「地理的表示保護制度」というのは知らなかったです。
尾﨑
GIマークがあることで、他の産品との差別化ができます。
柴田
他にどんな効果がありますか?
尾﨑
はい。一般的に、商標権などの知的財産権が他人に侵害された場合、権利者自らが対抗措置をとる必要がありますが、地理的表示の登録産品となった場合、その名称を語る模倣品は行政が排除することになっているので、生産者の方々の負担が大きく軽減されます。
柴田
なるほど、生産者の方々も守られるということですね。
柴田
他にも効果はありますか?
尾﨑
はい。副次的な効果として、産地の皆様から、生産が増加したなどの声を頂いています。
尾﨑
例えば、福島県の「南郷トマト」は、GI登録された2018年度の販売額が、過去最高の10億6700万円を記録しました。輸出額が前の年と比べて1.8倍に増えました。
のり
この地理的表示に登録されることで、国内だけじゃなくて海外でも人気が高まるってことですね。
尾﨑
そうですね。さらに、産地の担い手が増加した例もあるんです。石川県の「能登志賀ころ柿」や福井県の「吉川ナス」の生産者は地理的表示の登録後に増えておりまして、産地が後継者の確保で活気づいているというのがよくわかります。
柴田
このGIマークが付くことで大きなメリットがあるんですね。この地理的表示の登録産品になれば、生産者さんの意欲も高まりますね。
尾﨑
そうですね。
柴田
先ほど、長野の市田柿が輸出されているというお話が出ましたけれども、海外で、日本の登録産品は保護されているのですか?
尾﨑
日本とEUの間では、相互に保護を行っています。94産品ある日本のGIのうち、青森県の「あおもりカシス」、和歌山県の「紀州金山寺味噌」など、47産品が保護の対象となっています。
柴田
なるほど。品質が保証されている日本の産品をEUの方に知っていただいて、食べてもらえるのは嬉しいことですよね。
尾﨑
はい、そうですね。一方、日本国内で保護されるEU側の登録産品は、イタリアのチーズ「ゴルゴンゾーラ」とか、スペインの生ハム「ハモン・デ・テルエル」など71にのぼります。
柴田
それは知らなかったですね。ゴルゴンゾーラとかよく食べますけど。
のり
全く知らなかったですね。
柴田
いろいろと調べてみたくなりましたが、GIは、ふるさと納税サイトでも紹介されているそうですね。
尾﨑
はい。ふるさと納税サイトの「さとふる」では、「地理的表示保護制度」と地理的表示に登録された返礼品を紹介いただいています。今後も、様々な方面に協力をいただき、制度や登録産品の情報発信を進めていきたいと考えています。
柴田
なるほど。最後に、尾﨑さんから、「地理的表示保護制度」について、今聞いてくださっているリスナーの皆さんにメッセージをお願いします。
尾﨑
はい。「地理的表示保護制度」はまだ耳慣れない言葉かもしれませんが、地域ブランドの適切な保護、ブランド価値の向上のために非常に有効な制度です。
尾﨑
今後、登録件数を更に増やしていきたいと考えておりますし、それによって消費者の皆さんがGI産品を目にする機会ももっと多くなると思います。また、私どもとしましては「地理的表示保護制度」を通じて、地域の生産者の皆様を応援してまいりたいと考えております。
柴田
今日は、農林水産省食料産業局知的財産課長の尾﨑道さんをお迎えしました。尾﨑さん、ありがとうございました。
尾﨑・のり
ありがとうございました。

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