メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

ラジオ番組

令和2年(2020年)5月31日・6月1日放送

柴田阿弥とオテンキのりのジャパン5.0

自動運転の注意点(文字で読む)

ゲスト
  • 警察庁長官官房
    参事官
    高水 紀美彦
柴田
さあ、今日のテーマは、「自動運転の注意点」です。ゲストをお迎えしています。警察庁長官官房 参事官 高水 紀美彦さんです。
高水・
のり
よろしくお願いします。
柴田
今日自動運転についてお伝えしたいというのは、どうしてですか?
高水
昨年5月に、レベル3の自動運転の実用化に対応するための規定の整備などを内容とする「改正道路交通法」が成立し、今年の4月1日から施行されたからです。今日は、その自動運転の注意点について、皆さんにお話ししたいと思います。
柴田
今、レベル3というお話がありましたが、「自動運転のレベル」というのはどういったものですか?
高水
はい、自動車の運転操作をドライバーが担う程度に応じて、レベル0から5まで、6段階のレベルがあります。レベル0は、全ての操作をドライバーが行うものです。逆に、レベル5となると、常にシステムが運転を制御します。簡単にご説明しますと、レベル1と2は、「運転支援機能」のことを言います。聞いたことがある方も多いと思いますが「衝突被害軽減ブレーキ」などがこれに当たります。
のり
「衝突被害軽減ブレーキ」は、搭載されている車が結構増えてきましたよね。
高水
そうですね。そして各メーカーなどで実用化に向けた動きが見られるレベル3ですが、これは、高速道路での渋滞時など、一定の条件下で、全ての運転制御をシステムが行います。ただし、条件外となる場合等には、システムからの要請でドライバーは運転操作を引き継がなくてはなりません。この点が、今日一番お伝えしたいことです。
のり
今日は、いよいよ実用化されるレベル3についてのお話を聞かせていただけるということですね。ちなみにレベル4より先は今どうなっているんですか。
高水
レベル4は、一定の条件下で全ての運転制御をシステムが行うという点では、レベル3と同じですが、異常時等の対応もシステムが行うことになっている点が異なります。また、レベル5になると、条件なしでシステムが全ての運転を制御してくれます。
柴田
先ほど、「レベル1と2は運転支援機能のこと」というご説明がありました。支援という言葉が入っている以上、厳密に言うと、自動運転ではないということですか?
高水
そのとおりです。運転支援機能は自動運転ではありません。あくまでドライバーが絶えず前方や周囲の状況を確認し安全運転を行うことを前提としており、システムが運転制御を代替する「自動運転」ではないんです。この点を正しく理解していなかったことによる事故が発生しています。
のり
具体的にはどういう事故ですか?
高水
例えば、「衝突被害軽減ブレーキ」や、ACCという「定速走行・車間距離制動システム」などの運転支援機能を使っている時に、機能を過信したり、使い方を誤ったりして、状況に応じてブレーキやハンドルの操作を行わなかったために、前方の障害物に衝突した事故などが起きています。運転支援機能には限界があることをご理解ください。
柴田
なるほど!運転支援機能は、あくまで「運転のサポート」ということですね?
高水
はい、運転支援機能について正しく理解した上で、快適なドライブを心掛けていただければと思っております。
柴田
レベル3の自動運転で、ドライバーが運転操作を引き継ぐというお話もありましたが、これは具体的にどういうことですか?
高水
レベル3では、自動運転中、ドライバーは、自動運転システムから発せられる“引継ぎの要請”や“自動運転車の異常”を直ちに認知し、かつ、運転を引き継ぐことができる状態でいなければなりません。その時と場合によっては、自動運転中でもドライバーに事故の責任が発生するケースがあります。
のり
レベル3の自動運転では、例えば自動運転中に、スマホを手にとって話したりすることもできるんですか?
高水
自動運転システムを適切に使用して運転するときは、スマホを手にとって電話をすること自体が禁止されるわけではありません。しかし、これは、先ほど申し上げた「自動運転システムから発せられる“引継ぎ要請”や“自動運転車の異常”を直ちに認知し、かつ、運転操作を引き継ぐことができる状態」である場合に限られます。それが具体的にどのような状態であるかは、自動運転システムがどの程度の猶予時間をもって運転操作の引継ぎ要請を発するかなどの自動運転システムの性能などに応じて異なります。
のり
自動運転中に食事や読書をすることとか、自動運転システムの性能などに応じて認められる場合もあれば、認められない場合もあるっていうことでしょうか?
高水
そのとおりです。
のり
逆に、自動運転中に認められないことは何ですか。
高水
代表的なもので言いますと、飲酒が挙げられます。レベル3の自動運転では、一定の条件外となった場合などに、いつでもドライバーがシステムから引継ぎを受け、運転を行うことになりますので、普通の車の運転と変わらず、飲酒は禁止されています。ほかにも、現在の技術開発状況からは、睡眠や座席の移動は認められないと考えています。
のり
移動中に寝ることができたら、時間を有効に使えるような気がしますけどね。
柴田
そういうわけにはいかないということですね。このほか、改正道路交通法では、どんなことが規定されたのでしょうか?
高水
使用条件外で自動運転システムを使用してはいけないこと、システムの作動状態の確認に必要な情報を正確に記録することができない車を運転してはいけないこと、などが規定されました。また、自動運転車の使用者は、その記録を一定期間以上保存しなければいけません。
柴田
なるほど。守らなければならない条件やドライバーの責任について、十分理解しておかなければいけないですね。
のり
レベル3の自動運転が実用化されることで、自動運転技術の研究・開発が一層進みそうですよね。
高水
はい、今は自動運転社会に進む通過点と言えます。
のり
映画やアニメの世界のような未来が近づいてきているということですね。非常に楽しみですけど、運転する自分たち一人ひとりが、これまでどおり安全を意識し続けなければならないってことですね。
高水
はい。今年からレベル3の自動運転が実用化されるといっても、システムがいつでも全ての運転制御をしてくれる訳ではありません。購入時に販売員の説明をよく聞いたり、オーナーズマニュアルをきちんと読んだりして、使用条件やドライバーに求められることなどを正しく理解し、安全に利用してください。また、警察庁のホームページでは、自動運転や運転支援車に関する広報動画の公開を予定していますので、ぜひご覧ください!

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