メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

ラジオ番組

令和2年(2020年)6月21日・6月22日放送

柴田阿弥とオテンキのりのジャパン5.0

私たちの暮らしを守る消費生活相談員(文字で読む)

ゲスト
  • 公益社団法人 全国消費生活相談員協会
    理事長
    増田 悦子
柴田
今日のテーマは、「私たちの暮らしを守る消費生活相談員」です。ゲストは公益社団法人 全国消費生活相談員協会 理事長の増田悦子さんです。よろしくお願いします。
柴田
私ものりさんも「消費生活相談員」という存在を初めて聞きました。そして、初めて聞いたリスナーの方に向けても、簡単に役割などを教えていただけますか?
増田
はい、お住まいの自治体の消費生活センターや消費生活相談窓口で、消費者と事業者のトラブルの解決方法を助言したり、事業者とあっせん交渉したりして、消費者を支援する役割があります。
柴田
「あっせん」とはどういうことでしょうか?
増田
「あっせん」というのは、消費者と事業者との間には情報量や交渉力の格差があります。それを補うために、両者の間に入ってトラブルを解決するための支援をすることです。消費者が自分で交渉するって大変難しいんですね。その場合に、消費者の代わりに事業者と話合いをして、契約を解除したり、お金を返してもらうというようなことをしております。
柴田
相談窓口に寄せられた相談事例について教えていただきたいです。
増田
災害時のリフォーム関係の相談についてご紹介します。「3日前、隣のマンションの工事業者だと名乗る男性が訪問してきて“上から見たらお宅の屋根の瓦がずれているのが見えた。もうすぐ台風が来るので、今すぐ工事をしないと危険だ。このままでは近所の家に迷惑がかかる。“と工事を急がされて契約しました。今日、工事をして、契約金額120万円のうち、10万円を支払いましたが、近所の家にも同じような勧誘があると知って、本当に自宅の瓦がずれていたのか、不審に思うようになりました。今から解約してお金を返してもらうことはできるのでしょうか?」というものです。
柴田
もう工事をしてしまったんですよね。
のり
お金を支払っているので、返してもらうなんて無理なんじゃないですか?
増田
そうですね、一般的にはそのように感じますけども、この契約は、事業者が訪問販売に求められている契約書を交付していませんでした。また、契約してから3日目の相談でしたので、契約は無事クーリング・オフできて、支払済みの代金も返金されました。
柴田
代金が返金されたというのは、よかったですね。今お話にありました「クーリング・オフ」というのは、どんな仕組みか詳しく教えてください。
増田
はい。クーリング・オフとは、一定の期間内であれば無条件で契約の申込みを撤回したり、契約を解除できるという制度です。この相談事例のような訪問販売では、契約書を受け取った日から8日以内であれば契約を解除できます。もし、契約書を受け取っていなければ、8日を過ぎていてもクーリング・オフできる場合もあります。
柴田
学校でも習ったんですけど、クーリング・オフってすごい制度なんですよね。そのほかに最近ではSNSに関するものなど、時代を反映した相談も多いと聞きますが・・。
増田
はい。今、全国の消費生活センターに寄せられる相談で目立つのは、SNSでの書き込みを見て、通販サイトで健康食品のお試し注文をしたところ、知らない間に定期購入になっていた、というものです。定期購入は、例えば5回など決まった回数を購入しなければ解約できないというものがほとんどなんですね。ただ、広告画面を注意して見ないと、そうした解約条件が分かりにくいことが多く、トラブルにつながっていると思います。
のり
新型コロナウイルス関係の相談はどうなんでしょうか。ニュースでは、新型コロナウイルス関係の相談が、消費生活センターに多数寄せられていると報道をされていましたけど・・・。
増田
そうした相談もあります。「マスクが購入できるサイトがある」というSNSを見て、その通販サイトにアクセスして、クレジットカード番号などの個人情報を入力したのですが、その後届いた申込みの承諾メールには、“カード決済は不可”と記載されていて、その通販サイトは不審なサイトだったというものです。
柴田
そんな時、相談員はどんなアドバイスをするのでしょうか?
増田
この相談ではクレジットカードの悪用が心配なので、まずはクレジットカード会社へ連絡するようアドバイスします。そのうえで、今後は・SNSの書き込みや広告の内容を鵜吞みにしない。・リンク先の通販サイトの表示や注文手続きに不審な点がないか、慎重に確認してから申込みする。というように助言します。
柴田
私もそうですし、SNSの広告から通販サイトを利用している人って増えているんですよね。通販サイトを利用するときの注意事項にはどのようなものがありますか。
増田
はい、皆さんには・事業者の「公式サイト」で住所や電話番号が実在のものかを確認する。・日本語の変な言い回し、おかしな表記がないかを確認する。・振込口座が個人名口座でないかを確認する。・定期購入のトラブルを避けるには、契約の条件をよく確認する。ということをお伝えしています。
のり
「SNSに表示されている広告だから、リンク先も安心できる通販サイトだろう」と思い込んでしまうことがあるかもしれないですけど、注意しなければいけないですね。
柴田
他にどのような相談が寄せられていますか?
増田
例えば、「注文していない商品が送られてきて、その代金を請求された。」とか「まつ毛のエクステンションの施術を受けてから、目が痛い。」といったものもあります。
のり
いろんな分野のトラブルを相談できるんですね。
柴田
いざ、相談しようと思ったら、どこに電話すればよいですか?
増田
全国共通の電話番号「消費者ホットライン」188番までご相談ください。最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口につながります。“188(いやや)泣き寝入り!”と覚えてください。
柴田
ちなみに、相談員になるために必要な資格はありますか?
増田
はい、「消費生活相談員資格試験」に合格して、国家資格を取得することが必要です。今年も10月に1次試験が行われます。
のり
国家資格と言えばお医者さんとか美容師さんといったイメージがありますが、消費生活相談員も国家資格なんですね。
増田
はい。そうなんです。消費生活相談員資格は更新の必要がありません。一度取得すると失効しませんし、全国の自治体に消費生活センターがありますので、家族の転勤で引っ越しても、その地域で消費生活相談員として活躍できる機会があります。
のり
皆さん、どういうふうに勉強しているんですか?
増田
テキストで自習したり、自治体や消費者団体が行っている養成講座などを受講されています。また、国の動きや社会情勢なども知る必要がありますので、消費者庁などのホームページを活用することが有効だと思います。
柴田
養成講座などがあると安心ですね。
増田
そうですね。法律に関する知識も試験で問われますし、試験科目もたくさんありますが、実際に相談業務を行うに当たって必要な能力があります。
柴田
どんな能力ですか?
増田
大きく4つの能力が必要と考えています。1つ目は、相談者の声に耳を傾け、事実を具体的に聞き取る能力。2つ目は、相談者から聴き取った情報を整理して、解決策を考える能力。3つ目は、相談者に分かりやすくトラブルのポイントや解決策を伝える能力。最後は、消費者の被害を救済するために、事業者と交渉する能力です。何よりも、相談者を理解して寄り添う気持ちで相談に当たることが重要だと考えています。
柴田
今、消費生活相談員は、全国にどれくらいいらっしゃるのですか?
増田
全国の消費生活センターや相談窓口で働いている消費生活相談員は、2019年4月1日時点で、3,379名です。
柴田
現状、この人数で足りているのですか?
増田
いえ、不足している状況です。資格試験を受験する方も減少していますし、また若い方が少ないことも大変問題です。
柴田
消費生活相談員は、おいくつぐらいの方が多いのですか?
増田
セカンドキャリアを目指す方とか、子育てがひと段落した方など、それぞれのライフステージに合わせて相談員になられる方が多くて、年代では50代、60代が中心です。
柴田
若い方も消費生活相談員を目指して欲しいですね。
増田
はい、是非そうして欲しいです。ITや通信に詳しい方、20代、30代の方もどんどん消費生活相談員になっていただいて、消費者の暮らしを守る手助けをしていただきたいです。
柴田
消費生活相談員試験についてはどのサイトを見ればよいですか?
増田
独立行政法人国民生活センターや一般財団法人日本産業協会のホームページに詳しい情報があります。

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