メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

ラジオ番組

令和2年(2020年)6月28日・6月29日放送

柴田阿弥とオテンキのりのジャパン5.0

創作者の権利を守る著作権(文字で読む)

ゲスト
  • 文化庁
    著作権課長
    岸本 織江
柴田
今日のゲストは、文化庁著作権課長の岸本織江さんです。
柴田
「著作権」という言葉はよく耳にしますが、具体的にどういったものなのか、あまり知らない気がします。
のり
確かに、耳にすることはあるんですけど、正しく説明してみなさいって言われたら、結構できないですよね。
柴田
是非著作権についてご説明していただきたいです。
岸本
はい。まず自分の考えや気持ちを作品として創作的に表現したものを「著作物」と言います。
柴田
「自分の考えや気持ちを創作的に表現したもの」・・・私は絵を描いて、SNSに載せたりしてますけど、これも著作物になりますか?
岸本
はい、その絵も立派な著作物です。ほかにも、小説や、楽曲、写真、映画など様々な作品が著作物に当たります。それらを創作した人を「著作者」と呼んでいます。著作者に対して法律によって与えられる権利が、「著作権」です。
のり
つまり、著作者は、法律で守られているというわけですね!
岸本
そのとおりです。そこがすごく大事です。適切に権利を守ることで、創作の意欲も向上し、文化の発展につながっていきます。
柴田
今、自分からいろいろと発信できる時代ですが、「著作権」という観点から、SNSなどで注意が必要なのはどのような場合でしょうか?
岸本
はい。例えば、他人の撮った写真や動画、イラストなどを使用する場合が考えられます。
柴田
どういうことですか?
岸本
写真や動画の著作権はそれを撮った人にあります。同じようにイラストはそれを描いた人に著作権があります。例え、インターネット上で公開されていたとしても、著作者に無断でその写真や動画、イラストを自分のSNSなどに掲載することはできません。
柴田
そうなんですね。
岸本
ただし、自分の意見を述べる際の参考として、写真などを「引用」するときには、著作者の許諾なく利用できる場合もあります。
のり
例えば、柴田さんが描いたイラストをSNSにアップしたとします。それに対し、僕が感想を言おうとして、その画像を自分のSNSに載せる場合は、許諾なく利用できるんでしょうか?
岸本
はい、「引用」の範囲内であれば大丈夫です。ただし、その際、柴田さんが描いたイラストのサイズを加工したり、柴田さんの作品だとわからないように細工をしたりして、SNSにアップした場合、「著作者人格権」という権利の侵害になる可能性があります。これは、著作者が精神的に傷つけられないようにするための権利です。自分のSNSやホームページで他人の写真やイラストなどを使う場合には特に注意を払うようにしてください。写真やイラストが勝手に使われ、著作者が嫌な思いをしないように、お互いに思いやって利用するようにしていただきたいと思います。
柴田
他に著作物の使用で気をつけた方が良いことはありますか?
岸本
はい。現在、インターネット上では、著作者の権利を踏みにじる悪質な「海賊版」が多数流通しています。「海賊版」が利用されると正規品が売れなくなってしまい、著作者が正当な対価を得られなくなります。良い作品を生み出す著作者を守るためにも、そうした「海賊版」を普段から利用しないことが大切だと思います。
のり
「海賊版」、というとニュースになっていますよね。
岸本
はい。そうですね。様々な分野の作品に被害が出ていますけれど、特に漫画では、巨大海賊版サイトの運営者が逮捕され、大きな話題になりました。出版社などの公式サイト以外で、無料でマンガが読めたり、アニメが見ることができたりするサイトというのは、基本的に、著作者の許諾を得ていない海賊版サイトと考えていただいて良いかと思っています。
柴田
「海賊版」は音楽業界でも問題となっていて、私も実際にアイドルをやっていたので、許せない問題だなと思いますが、先ほど教えていただいた著作権に関する法律で何とか規制できないものですか?
岸本
はい。現在の法律でも、著作物を勝手にアップロードする行為は、基本的に違法となっております。音楽・映像の海賊版をそうと知りながらダウンロードする利用者の行為も違法です。また、海賊版対策を強化するための法整備も進められており、来年1月からは音楽・映像だけではなくマンガなどの海賊版のダウンロードも違法となります。
柴田
対策が強化されるのですね。
岸本
はい。多くの人が海賊版を利用してしまうと、クリエイターに利益が入らなくなり、結果として新たな作品が生まれにくくなってしまいます。それは結果として、日本の文化やコンテンツ産業の発展を阻害することになってしまいます。
のり
そこを考えるべきですよね。
岸本
作品を正当な対価を払って利用することで、結果的に質の高い作品に引き続き触れることができる、つまり利用者自身のためにもなっている、ということをもっと知っていただきたいと思っています。
柴田
違法アップロードについてはほかにも伝えたいことがあるということですね?
岸本
実は、最近のケースですが、本人が悪いことだと自覚せずに違法アップロードをしてしまっているというようなケースがあります。
のり
それはどんなケースですか?
岸本
はい、最近増えているのですが、新型コロナウイルスの感染拡大防止で、家にいる子供たち向けに、絵本の読み聞かせ動画のアップロードが増えています。動画の制作者はおそらく違法であるということを自覚せずにアップロードしている場合もあると思いますが、絵本も著作物ですので、その著作者に無断で動画を制作し、アップロードするという行為は違法となります。
柴田
確かに、良かれと思ってやっている方も多いかもしれませんね。
岸本
そういった行為によって、絵本の内容が著作者に無断で公開されることで、本来購入されるはずだった絵本が売れなくなってしまい、作者や出版社にとって金銭的な被害にもつながっているという現状を、是非知っていただきたいと思います。
のり
これはしっかり意識しないといけないですね。
岸本
そういった動画を制作する際は絵本の著作者に許諾を得る必要があります。許諾なく制作してアップロードを行った場合は、絵本の著作者の権利を侵害することとなりますので、例え営利目的ではなく、ボランティアとしてやっていらっしゃる場合であっても注意していただきたいと思います。
柴田
気を付けていかなければいけないですね。
岸本
はい、よろしくお願いいたします。
柴田
最後に、岸本さんからお話されたいことはありますか?
岸本
このラジオのリスナーの方の中には、日頃学校などで教壇に立たれている先生や教育関係の方がいらっしゃるかもしれません。「授業目的公衆送信補償金制度」という制度があるんですが、ご存じですか?
柴田・のり
知らなかったです。
岸本
「公衆送信」とは広く一般に送信するという意味なのですが、著作者には、“自分の著作物を、インターネットなどを通じて公衆向けに勝手に送信されない権利”、“送信されることについて許諾をする権利”があります。これまで教育現場では、授業に使う資料の「複製」は認められていたんですが、「公衆送信」については、基本的に著作者の許諾が必要になっていました。しかし、今年の4月28日からは、この許諾が不要になりました。
のり
これは便利になったということですか?
岸本
はい。営利を目的としない教育機関の設置者が、一定の額の補償金を一括して、「SARTRAS」という権利者団体に支払えば、一定の要件のもとで、学校の先生などが子供たちへの授業の過程において著作物をインターネット送信するということができるようになりました。新型コロナウイルス感染拡大防止に対応して、オンライン授業を円滑に行うというニーズが急速に高まりました。それが円滑にできるようにするために、緊急事態ということも考慮し、初年度(今年度)に限り、補償金額は無償となっており、教育機関の負担はありません。
柴田
新型コロナウイルス感染拡大防止対策で、オンラインを通じた授業について注目が高まっていますし、学校の先生がオンライン授業で使える教材の幅が広がるのはいいことですよね。
岸本
はい。この制度を積極的に活用して、質の高い授業をしていただきたいと思っています。詳細は、「一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会」(SARTRAS)のホームページにございますので、興味のある方は是非ご覧いただきたいと思います。
柴田
カタカナで「サートラス」で検索できます。

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