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メディア別の政府広報
内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。ラジオ番組
令和2年(2020年)8月30日・8月31日放送
なくそう!あおり運転!(文字で読む)

- ゲスト
-
- 警視庁
交通部交通総務課長
作道 英文
(前 警察庁交通局法令理事官)
- 警視庁
- 柴田
- 今日のゲストは、警視庁交通総務課長の作道英文さんです。7月まで警察庁で妨害運転罪を創設する道路交通法改正の担当をされていたということです。よろしくお願いします。
- 柴田
- 「あおり運転」については、新聞やニュースでも多く取り上げられていましたが、改めて今回罰則が設けられた背景を教えてください。
- 作道
- はい。3年前の2017年6月に東名高速道路で悲惨な交通死亡事故が発生しました。この事故を契機として「あおり運転」が社会問題化しました。
- のり
- あのニュースの衝撃は大きかったです。恐怖を感じました。
- 柴田
- 連日映像も報道されていて、怖いと思いましたよね。
- 作道
- あの事故の後、警察庁では全国の警察に対して、厳正な捜査の徹底、積極的な指導取締りの推進などを指示しましたが、昨年、常磐自動車道で大きく報道されました「あおり運転」による事件が起きるなど、「あおり運転」は後を絶たず依然として重大な社会問題となっていました。
- のり
- 「あおり運転」に関する罰則が出来るまでは、警察ではどんな風に取り締まっていたんですか?
- 作道
- これまでは、「あおり運転」そのものを取り締まる法律の規定はなく、道路交通法の車間距離不保持や急ブレーキ禁止違反、あるいは刑法の暴行罪を適用していました。例えば、前の車との車間距離を詰めて事故の危険を生じさせたとしても、反則金を支払えば刑事責任を問われることはありませんでした。
- 作道
- そこで、今回、道路交通法に「あおり運転」に対する罰則として妨害運転罪が創設され、6月30日から施行されています。
- 柴田
- どんなことをすると妨害運転罪になるのでしょうか?
- 作道
- はい。・他の車両等の通行を妨害する目的で車間距離を詰める・パッシングやクラクションで威嚇をする・急ブレーキをかけるなど、10の類型に当たる違反行為をした場合に妨害運転罪が適用されます。
- 柴田
- 急ブレーキをかけたり、クラクションを何度も鳴らしたりする映像は何度も報道されていましたよね。
- のり
- どれも怖いです。
- 作道
- 他にも、例えば・危険な追い越し・急な進路変更・高速道路で後続車が回避行為をとらなければならないような方法での低速走行なども違反となります。ちなみに、先月警視庁において全国で初めて、今回新設された妨害運転罪を適用して妨害運転を行った者を検挙したところです。
- 柴田
- 事故の原因となる危険な行為であることを本当に認識してほしいですね。
- のり
- そうですね。妨害運転を行うと、具体的にどんな罰則や処分が下されるのですか?
- 作道
- 3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。違反点数については25点、免許取消しの期間は2年となります。前歴や累積点数がある場合には免許取消しの期間は最大5年となります。また、妨害運転により、高速道路上で他の自動車を停止させるなど著しい交通の危険を生じさせた場合は、罰則がより重くなります。5年以下の懲役、または100万円以下の罰金、違反点数については35点、免許取消しの期間は3年となります。前歴や累積点数がある場合には、免許取消しの期間は最大10年となります。
- 柴田
- 妨害運転の末にケガを負わせてしまったり、死亡させてしまったりした場合はどうなるのですか?
- 作道
- はい。妨害運転のような悪質・危険な行為により人を死傷させた場合には、「危険運転致死傷罪」に当たる場合もあります。この場合さらに厳罰に処される可能性があります。
- 柴田
- では、もし妨害運転を受けた場合は、どう対処したら良いのでしょうか?
- 作道
- まず、人が多くいるようなサービスエリアやパーキングエリアなどの安全な場所に避難をしてください。同乗者の方がいる場合には同乗者が110番通報してください。
- 柴田
- 避難した後については、どうしたら良いですか?
- 作道
- はい。ドアを必ずロックして、車外に出ることなく、110番通報をしてください。
- のり
- そのほかに何か注意することはありますか?
- 作道
- 警察が到着するまでは車内で待機していてください。相手が追ってきて脅したり、挑発してきたりしても不用意に車の外には出ないでください。
- のり
- 事前の備えとしてドライブレコーダーを設置しておくことも有効ですよね?
- 作道
- はい、有効です。客観的な記録はとても大事です。実際に犯罪の証拠として使用できるかどうかは個別具体的な事案によりますが、妨害運転をしてきた相手の行為を映像や画像に記録しておくことで、相手が現場からいなくなっても捜査に役立てることができます。
- 柴田
- ドライブレコーダーがない場合は、どうするんですか?
- 作道
- 周囲の目撃者の証言や周辺の防犯カメラの映像を確認して、捜査することになります。
- のり
- ドライブレコーダーがなくても通報可能ということなんですね。でも、やっぱりドライブレコーダーは付けておいた方が良いと思います。柴田さんはどうですか?
- 柴田
- 証拠になりますし、万が一何かあった時にも証拠があると安心するのかなぁ、と私は思います。作道さん!ドライブレコーダーについて何かお伝えしたいことはありますか?
- 作道
- はい。ドライブレコーダーについては、全国全てではないですが、県警によっては動画を警察本部のホームページに提供していただけるようになっております。ドライブレコーダーの動画を提供いただくことで、犯罪者の検挙につながることもあります。
- のり
- ちなみに、自転車も妨害運転罪の対象になると聞いたんですけど・・・
- 作道
- そうですね。自転車による運転についても、自動車等と同様に妨害運転罪の適用の対象となります。
- のり
- 自転車に乗る方、是非覚えておきましょう!
- 作道
- 運転する際は心に余裕を持って、思いやり・譲り合いの気持ちでお願いします。みんなで、「あおり運転」をなくしていきましょう。これ以上、交通事故の犠牲者を出さないためにもドライバーの皆さんをはじめ、歩行者や自転車の利用者の皆さんも、しっかりと交通ルールを守って事故防止に努めていただきますようお願いいたします。