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メディア別の政府広報
内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。ラジオ番組
令和2年(2020年)9月6日・9月7日放送
必ず入って!自賠責保険(文字で読む)

- ゲスト
-
- 国土交通省
自動車局保障制度参事官
中山 泰宏
- 国土交通省
- 柴田
- 今日のゲストは、国土交通省自動車局保障制度参事官の中山泰宏さんです。よろしくお願いします。
- 柴田
- 交通事故で亡くなる方は減少傾向にあるというニュースを聞いたことがあるんですけど、最近の状況はいかがですか?
- 中山
- 交通事故で亡くなる方は年々減ってきていますが、それでも去年(2019年)は全国で3,215人もいらっしゃいました。1日平均で9人もの方が亡くなられているということになります。また、死亡には至らなかった負傷者数についても、およそ46万人と高い水準にあります。
- 中山
- 交通事故は、どなたでも被害者にも加害者にもなり得るものです。
- のり
- 本当にそうですよね。
- 柴田
- 事故が起こってしまった場合は保険が必要になると思いますが、「自賠責保険」というのはどんな保険なのか教えてください。
- 中山
- はい、交通事故の被害者を救済するため加害者が負うべき経済的負担、わかりやすく言うと「損害賠償金」を補てんするという、対人賠償を目的とした保険です。
- 柴田
- 交通事故では加害者となった自分自身が怪我を負ったり、自分や相手の車が破損することもあるわけですが、自賠責保険というのはあくまでも“被害者に対する対人賠償の保険”ということなんですね。
- 中山
- そのとおりです。正式には、自賠責保険は「自動車損害賠償責任保険」と言いまして、「自動車損害賠償保障法」という法律によって、道路を走る全ての車・バイク・原付の所有者に加入が義務付けられている強制保険です。
- 柴田
- 強制保険ということは必ず入らないといけないということですか?
- 中山
- そのとおりです。同様の仕組みで「自動車損害賠償責任共済(自賠責共済)」というものもあります。自賠責保険と自賠責共済は、損害保険会社と共済組合という契約の引受け主体が違うだけで、どちらに加入いただいても保険料や保険金に違いはありません。
- 柴田
- その自賠責保険・共済についてはどのようにして周知を図っているのですか?
- 中山
- 国土交通省では、毎年9月1日から1か月間、自賠責制度の広報・啓発活動を行っており、全ての車・バイク・原付の所有者に加入をお願いしています。今年も今、正に行っているところです。
- 柴田
- なるほど。広報・啓発活動は、具体的にどんな活動をしているんですか?
- 中山
- はい。運転免許試験場や自動車整備工場、大学構内、バイク販売店などにポスターやリーフレットを配布しているほか、国土交通省のTwitterや首相官邸のLINEなどを活用して広く周知を図っています。そのほか、年間を通して警察と協力し幹線道路で保険証書の提示を求めたり、駅前広場などで保険の加入ステッカーを確認したりするなどの活動を行っています。保険契約が未更新の方には、ハガキを送って加入を呼びかけたりもしています。
- のり
- いろんな取組をしているんですね。
- 柴田
- そうですね。ただ、これだけ広報・啓発活動をしているということは、逆に言うと現実には無保険のまま運転している人がいるということですか?
- 中山
- そうなんです。無保険運転は違法です。「加入しない」あるいは「失効する」ということのないように、くれぐれもご注意ください。
- のり
- 更新を忘れることのないようにしないといけないですね。
- 中山
- 特に250cc以下のバイクや原付に乗っている方は、ご注意いただきたいと思います。
- 柴田
- それはなぜですか?
- 中山
- 実は250cc以下のバイクや原付には車検がないからです。例えば車の場合はフロントガラスに、250ccを超えるバイクの場合はナンバープレートに、車検の有効期限が記載されたステッカーが貼ってあります。
- 柴田
- 車のフロントガラスのシールが車検のステッカーだということは、私も知っていました。
- 中山
- 車検のある車や250ccを超えるバイクは、車検と同時に保険も更新していただいています。
- 中山
- その一方で、250cc以下のバイクや原付には車検がないので、気付かないうちに保険の有効期限が切れていて、そのまま無保険で運転しているケースが本当によくあるんです。
- 柴田
- そういう理由があったんですね。車や自転車を買うなどして、「あんまり原付に乗らなくなった」っていう場合は、うっかり保険の更新を忘れちゃうこともありそうですね。
- のり
- 気を付けなきゃいけないですね。
- 中山
- そうなんです。もし保険に入らないまま事故を起こしてしまった時には、加害者の方は刑事責任に加えて多額の損害賠償金を自己負担することになってしまいます。
- のり
- それは負傷した被害者だけではなく、加害者にとっても辛いことですね。
- 中山
- そうですね。どなたでも加害者になる危険性があるから注意して運転しましょうというビデオを運転免許試験場や教習所で一度は見ると思いますが、是非皆さん初心に戻っていただきたいです。
- のり
- ところで、旅先などでレンタカーを利用する方もいらっしゃると思うのですが、この場合自賠責保険はどうなっているのでしょうか。
- 中山
- レンタカーを借りる際は自動的に自賠責保険に加入する仕組みになっていますので、ご安心下さい。
- 柴田
- ちなみに保険料についてもご紹介いただけますか?
- 中山
- 保険料は定期的に見直しを行っています。最近は事故件数が減少していることから、今年4月に保険料が引き下げられました。車やバイクなどの車種によって金額は異なりますが、離島・沖縄県を除く、北海道、本州、四国、九州における2年契約の場合、自家用乗用自動車では25,830円だったのが21,550円に、250cc以下のバイクでは12,220円だったのが10,160円になっています。
- のり
- 保険料が見直しされていることは知らなかったです。
- 柴田
- 事故を起こした場合の保険の支払限度額については、どうですか?
- 中山
- 保険の支払限度額は固定となっています。被害者1人当たり、ケガの場合は最高で120万円、死亡の場合は最高で3,000万円です。後遺障害が残ってしまった場合、額は後遺障害の重さによって変わってくるのですが、最高で4,000万円です。
- のり
- 事故を起こしてから「お金がない、どうしよう」では済まされないですからね。
- 柴田
- 本当にそうですね。中山さん、保険に加入する際の手続も教えてください。
- 中山
- 車やバイクの販売店、自動車整備工場、損害保険会社等で手続ができます。
- 柴田
- 加入手続は簡単ですか?
- 中山
- はい。簡単です。250cc以下のバイクや原付については、一部の郵便局やコンビニ、インターネットでも手続ができます。是非自賠責保険への加入をお願いします。
- のり
- 郵便局とかコンビニで手続ができるのは便利ですよね。
- 柴田
- 忙しい方も多いですしね。詳しく知りたいという方は、どのサイトを見れば良いですか?
- 中山
- 国土交通省の自賠責保険ポータルサイトをご覧ください。「自賠責ポータルサイト」で検索できます。
- 柴田
- 「自賠責ポータルサイト」ですね。わかりました。
- 中山
- もし、保険に入っていない、あるいは車検を通していない車やバイクを見かけたら、国土交通省の「無保険車・無車検車通報窓口」までご連絡をお願い致します。状況を確認し必要に応じて所有者に対して注意喚起を行うなどの対応をします。
- 柴田
- 保険に加入している車両の目印はあるんですか?
- 中山
- 先ほどお話ししたフロントガラスやナンバープレートに貼られたステッカーが目印になります。250cc以下のバイクの場合、保険の有効期限の年ごとに色分けされたステッカーが貼られていますし、車や250ccを超えるバイクはステッカーに保険の有効期限が記載されています。
- 柴田
- もし見つけた場合、窓口への連絡はどのようにして行えばいいですか?
- 中山
- はい。国土交通省のホームページから通報フォームをダウンロードしていただいて、メールまたはFAXでお願いします。詳しくは「無保険通報窓口」で検索して下さい。
- 柴田
- 最後に中山さんから今日のテーマでお伝えしたいことはありますか?
- 中山
- 無保険のまま運転すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられることもありますし、事故を起こすと、被害者への多額の賠償金を全額自己負担することになります。交通事故は今日起こるかもしれません。自賠責保険の大切さをご理解いただき、無保険のまま運転することのないよう、常にお気を付けください。