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メディア別の政府広報
内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。ラジオ番組
令和2年(2020年)9月27日・9月28日放送
始まります!年末調整手続の電子化(文字で読む)

- ゲスト
-
- 国税庁
課税部法人課税課長
田島 伸二
- 国税庁
- 柴田
- 今日のゲストは、国税庁法人課税課長の田島伸二さんです。
- 柴田
- 私たちは個人事業主なので自分たちで確定申告をして納税していますが、会社の従業員の方の税金はどうなっているのですか?
- 田島
- 会社の従業員の方の税金は、勤務先である会社が一人一人の所得税の額を計算して、まとめて税務署に納付しています。会社がまとめて行うことで、従業員の事務負担が軽減されています。もっとも、例えば医療費の支出のある方など、確定申告をされる方もいらっしゃいます。
- 柴田
- 確定申告は本当に大変なので、会社が代わりにやってくれるのは羨ましいですね。まとめて納付するということですが、その税金はいつ集めているのですか?
- 田島
- 会社は、従業員の方への毎月のお給料やボーナスの支給の際に、その都度所得税を差し引いて納めています。
- のり
- その差し引かれた税額の合計額が、従業員の方の1年間で納めるべき税額になるんですね?
- 田島
- いえ、毎月差し引かれる税額は、お給料の額やご家族の状況などを基に決められるのですが、例えば生命保険料控除などの計算は、年末にまとめて行うこととなっているため、毎月差し引かれる税額には反映されていません。このため、それまでに差し引かれた税額の合計額と、その年に納めていただくべき税額とは一致しませんので、その差額の精算、つまり調整が必要になります。
- 柴田
- 調整を年末に行うので年末調整と言うんですね。
- 田島
- はい。毎月のお給料から差し引かれた税額の合計額と、その年に納めていただくべき税額との差額は、原則としてその年の最後のお給料の時に調整するので、従業員の方からすると12月はいつもの月に比べ、「手取りが多いな」あるいは「少ないな」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。
- のり
- ということは、個人事業主が確定申告をして税金を納めたり、納め過ぎていた場合は還付金があったり、というのと同じですよね?
- 田島
- そうですね。年末調整は、従業員の方にとって、一年間に納めていただく所得税の過不足を精算する手続です。
- 柴田
- なるほど! そういうことだったんですね。
- 柴田
- 田島さん、年末調整に関して手続の電子化が進められているそうですね?
- 田島
- はい。従業員の方は、年末調整を行うための書類を作成する必要があります。これまでは、会社から配られた書類に必要事項を手書きして提出していた方が多いと思います。そして、それを会社の給与担当の方がチェックし、控除額が正しく計算されているか検算していました。
- 柴田
- 大変そうですね。それがどう変わるんですか?
- 田島
- 年末調整の書類に保険料などの証明書を添付する必要があるのですが、これまでは、はがきなどの紙を添付していました。今年の年末調整からは、紙に代えて証明書のデータを添付できるようになります。
- 柴田
- 保険料のはがきは私も見たことがありますが、あれがデータになるんですね。では、先ほどのお話にあった年末調整の書類はデータで作れないんですか。
- 田島
- 国税庁が提供するソフトウェア「年調ソフト」を利用していただくことで、書類の作成も手書きからデータ入力へと変わります。作成したデータは、印刷せずデータのまま給与担当の方に送信します。この年調ソフトは、今年の10月以降、国税庁ホームページやスマートフォンの公式アプリストアから無料でダウンロードできます。
- のり
- なるほど。今までは年末調整の書類も証明書も紙だったけども、どちらもデータになるということなんですね。そのために国税庁がアプリを提供してくれるんですね。
- 柴田
- パソコンやスマホで作成して、そのまま送信できるということなので、なかなか便利そうですけど、具体的にはどんなメリットがあるんですか。
- 田島
- まず、従業員の方のメリットとしては、手書き作業から解放されます。また、手書きの際に行っていた控除額の計算も年調ソフトが自動で行ってくれます。
- のり
- 年末調整は年に一回だから、書き方を忘れちゃう人も多いと思いますけど、自動計算してくれるなら楽になりそうですね。
- 柴田
- 年調ソフトが入力の案内をしてくれるのはありがたいでしょうね。
- 田島
- そして、紙がデータに変わるので、例えばテレワークをされている方などは、家に居ながらメールなどで手軽に提出できるようになります。
- のり
- 昨今、新型コロナウイルスの関係でテレワークしている人も増えているでしょうからね。年末調整の書類を書くために出社する、ということが必要なくなるんですね。
- 田島
- さらに、前の年に入力したデータを引き継げますので、来年の年末調整の書類作成は、より簡単になります。
- 柴田
- それは助かりますね。一方、会社の給与担当の方にとってのメリットは何ですか?
- 田島
- まず、控除額を自動計算しているため検算の必要がありません。また、保険料などの証明書のデータを年調ソフトに取り込むと、その内容が自動入力されるため記載ミスのチェックも不要となります。
- 柴田
- これまでは、全従業員の書類を一つ一つ確認していたということですか。それがなくなるのはいいですね!
- 田島
- さらに、年調ソフトの案内に従って作成するので、従業員の方からの質問も減ると思います。
- のり
- これも助かりますね!
- 田島
- また、データで保管するため書類保管のスペースも必要がなくなります。
- 柴田
- いいことづくめですね。
- 柴田
- ところで、保険料などの証明書が電子化されるということですが、従業員の方はどうやって手に入れたらいいですか?
- 田島
- 一つの方法として、証明書の電子交付に対応している保険会社などのウェブサイトから、ダウンロードする方法があります。
- 柴田
- では、年末調整手続の電子化に向けて、会社側はどんな準備が必要ですか?
- 田島
- まず、会社の給与システムを電子化対応にアップデートしていただく必要があります。また、税務署への申請が必要です。次に、従業員の方に対して保険料などの証明書をデータで取得するようお願いする必要があります。
- 柴田
- あと、年末調整手続の電子化は、政府が運営するオンラインサービスサイト「マイナポータル」と連携すると、もっと便利になるそうですね?
- 田島
- はい。マイナポータルと連携して、保険料や住宅ローンの証明書データを一括取得し、年調ソフトに自動入力することができます。証明書データは先ほどお話ししたように保険会社などのウェブサイトから個別にダウンロードもできるのですが、マイナポータル連携に対応している保険会社の保険に加入している場合には、マイナポータルからまとめて取得できるのでとても便利です。
- のり
- では、マイナポータルからデータを取得するためには何が必要ですか?
- 田島
- はい。まずはマイナンバーカードが必要です。そして、ICカードリーダライタ又はマイナンバーカード読取機能付きのスマートフォンのいずれかが必要です。また、マイナンバーカードを取得するときに設定した4桁の暗証番号も用意してください。
- のり
- 暗証番号をしっかり確認しておかないといけないですね。具体的な手順も教えてください。
- 田島
- はい。マイナンバーカードを使ってマイナポータルにアカウントを開設していただき、「民間送達サービス」という電子的な私書箱の設定を行います。次に、保険会社などのウェブサイトに接続して、民間送達サービスと保険の証券番号などを連携させる設定をすれば準備完了です。なお、一度作業を行った保険会社などについては、以降再設定の必要はありません。
- のり
- 1回やってしまえば、次の年から楽になるということですね。
- 柴田
- 4月にマイナンバーカードの紹介をしたときに、マイナンバーカードを持っていればどんどん便利になると聞いたのですが、これもその一部ということですね!「マイナンバーカードのメリット」の放送を聴いていない方は、政府広報オンラインのこの番組のページから聴いてください!
- 柴田
- さて、マイナポータルですが、私たちのように確定申告をしている人たちも便利になったりしますか?
- 田島
- はい。確定申告で保険料や住宅ローンの証明書が必要な方も、令和3年1月からマイナポータルを通じて一括取得ができます。また、「特定口座年間取引報告書」もマイナポータルから取得できます。
- のり
- そうなんですね。僕たちも使うことができるんですね。
- 柴田
- マイナポータルを含め、一連の年末調整手続の電子化について詳しく知りたい方は、どうすればいいですか?
- 田島
- はい。「国税庁 年末調整 電子化」の3つのワードで検索をお願いします。国税庁ホームページで年末調整手続の電子化の取組についてご覧いただけます。是非ご利用いただきたいと思います。