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メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

ラジオ番組

令和3年(2021年)2月28日・3月1日放送

柴田阿弥とオテンキのりのジャパン5.0

世界のために!考えよう、日本のODA(文字で読む)

ゲスト
  • 外務省
    国際協力局 審議官
    岡田 恵子
柴田
今日のゲストは、外務省国際協力局審議官の岡田恵子さんです。
柴田
世界には、飢えや貧困に苦しむ国や地域はどれくらいあるのでしょうか?
岡田
世界196の国や地域のうち、実は146の国や地域に、飢えや貧困に苦しむ人がいて、十分な食べ物や水が得られず、教育や医療も満足に受けることができていません。さらに言えば、飢えや貧困の問題だけではなく、世界では、環境・気候変動、水問題、大規模自然災害、感染症、食料問題、エネルギーなど、地球規模の問題が山積みです。
柴田
今、コロナ禍で、特に感染症は全世界で深刻な問題となっていますよね。
岡田
日本が途上国に対して支援している新型コロナウイルス対策としては、X線の撮影装置やサーモグラフィ、救急車などを供与して、医療体制強化を支援しているほか、医療従事者の人材育成など能力構築の支援を技術協力で実施しています。
のり
日本が支援しているんですね。
岡田
こうした地球全体の問題解決に努める日本に対しては、世界各国から非常に大きな期待をいただいています。その期待に積極的に応えようとすることが、国際社会での日本への信頼につながり、存在感を高めることになります。日本は世界の中にあり、世界があって日本があります。世界がより良い環境になることが、日本の国益にもなります。
柴田
日本のためでもあるのですね。
岡田
その重要な手段の一つが「開発協力」です。
のり
開発協力とは何ですか?
岡田
開発協力とは、開発途上地域の開発を主な目的とする、政府や政府関係機関による国際協力活動のことで、「ODA」と呼ばれています。先ほどご紹介した、途上国への新型コロナウイルス対策支援もODAを通じて行われています。
柴田
ODAの内容は、どうなっているのですか?
岡田
大きく分けて三つの形があります。「無償資金協力」、「有償資金協力」、「技術協力」です。
のり
一つ目の無償資金協力とは、どういった協力でしょうか。
岡田
「資金を返さなくてよいから、その国が経済発展して国民の生活が向上するように支援します」というものです。
柴田
その無償資金協力の一例をご紹介いただけますか?
岡田
東南アジアのカンボジアについてご紹介します。カンボジアは、1970年代からの内戦の影響で、教員を含む国民の虐殺、学校施設の廃止、教科書・教材の廃棄などがあり、教育面で壊滅的な打撃を受けてきました。その後、復興改善の努力によって、日本の小学校に相当する初等教育では、学校に通う年齢の子供のうち、実際に通えている子供の割合が91パーセントにまで向上しました。ただ、日本の中学校や高校に相当する中等教育では、この割合が30パーセントにとどまっています。
のり
それはどうしてですか?
岡田
中等教育の施設が不足しているからです。
柴田
中学校や高校の建物自体が少ないということですか?
岡田
はい。そのため、教育の質の低下を招いており、教室の数を増やすことによる学習環境の改善が課題になっていました。そこで日本は、人口増加で教室の過密状態が著しい首都プノンペンで、中学校の教室やトイレ棟の建設などの支援を行いました。
柴田
続いて、有償資金協力については、いかがですか?
岡田
これは、「途上国が経済発展するために資金を貸すのですが、重い負担とならないよう、ゆっくり返してくれればよいから、一緒に頑張ろうね」というものです。
柴田
なぜ、先ほどの支援のように「返さなくてよい」ではなく、「お金を貸す」というスタイルなのですか?
岡田
無償資金協力と比較すると、大規模な支援を行いやすいからです。実際、途上国の経済社会開発に不可欠なインフラ整備への支援に役立てられています。また、返済義務があることで、途上国の自助努力を促すという効果があります。
のり
有償資金協力の一例もご紹介いただけますか?
岡田
アフリカ大陸の真ん中にあるコンゴ民主共和国は、アフリカで2番目に大きな国土を誇り、アマゾン川に次ぐ、世界第2の流域面積のコンゴ川が流れています。このコンゴ川に架かるコンゴ民主共和国の国内最長の橋が、日本の有償資金協力で建設された「マタディ橋」です。
柴田
最後の三つ目、技術協力についても教えてください。
岡田
こちらは、「やり方を教えてあげるから、一緒にできるようになろうね」というもので、発展途上地域の経済社会開発の担い手となる、人材の育成がメインです。対象は、保健・医療などの基礎生活分野から、産業化に必要な技術分野に至るまで多岐にわたります。
のり
例えば、どのようなことですか?
岡田
母子手帳を活用した妊婦への説明の仕方、道路補修機械の維持管理方法、より多くの収穫量が得られるお米の作り方などです。そうした日本の技術やノウハウを、相手の国の中堅クラスなどの指導的役割を担う人々に伝え、その技術などが現地で浸透し、国の発展につながることを期待しています。
柴田
現地のリーダーを育成するイメージですか?
岡田
そのとおりです。技術協力で尽力された方としては、ブータンで農業指導を行った西岡京治さんが有名です。西岡さんは現地で亡くなられましたが、1964年からおよそ30年もの間、ブータンの農業開発に献身的に活動され「ブータン農業の父」として敬愛されています。
柴田
コロナ禍で、日本国内も本当に大変な今、ODAで他の国を支援する前に、国内にそのお金を使って欲しいという考えの人もいるかもしれません。なぜ、このような状況でもODAが必要なのか教えてください。
岡田
こうした感染症など、一国に収まらない課題を私たちは地球規模課題と呼んでいます。その解決にこそ、国境を越えた連携が重要です。そのため、コロナ禍の今でも、例えば医療体制が脆弱な途上国を支援するということは、日本を守ることにもつながると考えています。
柴田
ここまで、日本が支援する側の話を伺ってきましたが、日本も支援されたことはあるのですか?
岡田
日本は第二次大戦後、戦後の荒廃の中から復興しましたが、その復興・経済成長を支えた柱の一つが、アメリカなどの先進国や世界銀行を始めとする、国際機関からの支援でした。その資金のおかげで、黒部第四ダムや東海道新幹線、東名・名神高速道路など、日本の経済発展に必要なインフラが整備できました。日本は今、先進国の一員ですが、決して日本一国で発展できたわけではありません。
のり
日本も支えられていたのですね。
岡田
さらに、毎日の食卓に並ぶ食材、生活に欠かせないエネルギー資源、身の周りの原材料の多くは、途上国からの輸入で賄われています。途上国の平和と安定は、ヒトとモノの交流を活性化して、ひいては、日本の経済、国民生活の安定に非常に良い影響を及ぼすと言えるのではないでしょうか。グローバル化が進んだ今、世界はこのように密接につながっていて、海外の平和と経済社会の安定・繁栄は、日本の経済にも重要です。そこに国際協力を行う意義があると考えています。
のり
日本の経済にとっても重要なんですね。
岡田
ODAでインフラ整備や技術移転を行うことは、日本が海外のビジネス環境を整備することにもつながり、海外に進出している日系企業のためにもなっています。
のり
今日のお話で、もっとODAのことが知りたいという人はどうしたらよいですか?
岡田
外務省のホームページにいろいろな資料を掲載しています。「外務省 ODA」で検索してください。

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