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メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

ラジオ番組

令和3年(2021年)5月16日放送

青木源太・足立梨花 Sunday Collection

災害から住民を守る強い味方 気象防災アドバイザー(文字で読む)

ゲスト
  • 気象庁 総務部企画課 地域防災企画室長
    佐藤 豊
  • 新潟県三条市 気象防災アドバイザー
    内藤 雅孝

大雨による土砂崩れや川の氾濫は、いつどこで発生してもおかしくありません。今回は、梅雨の季節を控えて是非知ってほしい、「災害から住民を守る心強い味方 気象防災アドバイザー」というテーマで深掘りしました。

青木
私たちは、日頃から防災意識を高めて、もしもの時のために、適切な行動を取れるように準備をしておく必要がありますが、地域の防災力を高めてくれるのが、今日のテーマ、気象防災アドバイザーなんです。ここからは、気象防災アドバイザーについて、スペシャリストと一緒に深掘りしていきましょう。気象庁地域防災企画室長の佐藤豊さんです。
青木
気象防災アドバイザーという肩書を初めて知る方も多いと思います。
佐藤
この取組が本格的に始まったのは、2017年度と比較的新しく、これから積極的な活用が期待されています。 気象防災アドバイザーは、地域の気象現象をよく知り、防災の知識も持ち、自治体の防災対応を支援できる人材として、国土交通省より委嘱された方々のことです。
青木
地域によって気象現象の特徴が異なりますよね。現在は、84名の方々が委嘱されています。
足立
どういった方が委嘱されているんですか?
佐藤
地域の気象現象に詳しい方ということで、主に、気象台で働いていた気象庁のOB、OGの方、そのほか、自治体の防災対応に関する知識を持つ気象予報士の方もいます。
青木
地域の気象現象に詳しいだけでなく、様々な情報を収集・分析し、この地点で土砂崩れが起きやすい、この一帯で河川が氾濫しやすいなど、その地域の災害リスクや、必要な防災対策についても助言できるのが特徴です。もしもの時は、自治体の災害対策本部などで、気象台との橋渡し役なども担う、即戦力となる人材なんです。
足立
地域の気象や災害リスクにも詳しく、防災の知識もある、この分野のスペシャリストですね。気象防災アドバイザーの方はどんな活動をするのですか?
佐藤
大雨などの防災対応が必要な時には、地域における今後の気象状況の見通し、いつ、どこで、どれくらい大雨が降るかなどを詳しく解説したり、また地域に川があれば、その水位の見通しなどを解説します。
青木
また、気象庁から、段階的に注意報や警報、特別警報など様々な気象警報が発表されますよね。そうした情報を住民の皆さんに分かりやすく伝えたり、自治体の担当職員に、避難指示発令のタイミングなど、対応のアドバイスを行います。
足立
確かに、「大雨です」と言われても、実感できない時がありますよね。
青木
注意報より警報、警報より特別警報の方が、災害としては酷くなりそうだと感覚的には分かると思うんですよね。
足立
そうですね。ただ、それがどれくらいのレベルなのか分かりづらいので、気象防災アドバイザーがいてくれると、分かりやすいかもしれないですね。
青木
一番知りたいのは、自分が避難するタイミングですよね。
佐藤
大雨などの防災対応が必要な時には、自治体の担当者へ避難指示のタイミングを助言したりします。そういった事を分かってもらうために、自治体職員を対象とした勉強会や住民の皆さんを対象とした講習会などを開いたり、自治体の防災マニュアルの作成をお手伝いしたりと、地域の防災対策をより充実させるため、様々な活動を行っています。
青木
気象防災アドバイザーは誕生して間もないということで、現在は九つの自治体で活動をされているとのことです。九つの自治体とは、茨城県龍ケ崎市、群馬県前橋市、群馬県渋川市、東京都葛飾区、新潟県三条市、静岡県伊豆市、静岡県函南町、大阪府豊中市、兵庫県神戸市です。
足立
気象防災アドバイザーの方が具体的にどんな活動をされているのか、聞いてみたいですね。
青木
ここからは、新潟県三条市で気象防災アドバイザーとして活動されている内藤雅孝さんにも、リモートで加わっていただきます。早速ですが、内藤さんは、なぜ気象防災アドバイザーをやってみようと思われたんですか?
内藤
以前から防災には興味がありました。高校生の頃、山で遭難しかけた経験があり、気象現象の怖さが身に染みました。いつか気象の専門家になって、誰もあのような怖い目に遭わせないようしたいと思ったのがきっかけです。
青木
内藤さんが活動されている三条市は、どのような特徴のある地域なんですか?
内藤
18年前と10年前に、2度の大きな水害を経験した都市です。地形は北西側が開けた、三方を低い山に囲まれた谷合の町で、開けた側から厚い雨雲がやってきて大雨をもたらした場合、災害が発生することがあります。非常に注意しています。
足立
日頃は、どのような活動をされているのですか?
内藤
防災上重要な水位観測地点、ダムの状況、山に囲まれているため、土壌雨量指数のチェックなどを行って、土砂災害に備えています。気象庁の早期注意情報に従い、雨、雪の予想をしますが、台風の影響などを報告書にまとめて小まめに提出するなど、日頃の業務は至って地味ですが、ルーチンワークは重要だと思っています。
青木
市民の方々との交流や、講師をされたりもするのですか?
内藤
市民の方々には、出前講座という形で講師などをしております。まずは興味を持っていただくことが一番重要なので、できるだけ、柔らかく話をすることを心掛けています。
青木
普段は、そのように柔らかく、楽しく知識を吸収して、実際に災害が起きた際にどう対応するのかが、大事なんですよね。地元の職員や住民の方と接していて、どのような事を感じますか?
内藤
これまで大きな水害を二度経験しましたが、見事に復興してきたバイタリティーに溢れた市民の皆さんです。しかしながら、未だに、心の傷は完全には癒されていないようです。出前講座で、1時間に80ミリの災害級の雨の動画と音声を流した時には、耳を塞いで「その音だけは本当に嫌です」と言われたことがあります。その時は、思慮に欠けたと非常に反省したこともありました。
青木
被害を受けた方というのは、心の傷も残りますよね。ただいろんな経験が、次に向けてデータとして蓄積されていく部分もありますよね。
足立
毎日のように、地域の事を考えてくださる方は重要だと思いましたし、まだ九つの地域だけと思うと、もっと増えて欲しいなと思いました。
青木
4年前にできた気象防災アドバイザーという制度ですけど、こうした内藤さんの活動などが広がっていくことで、増えてくるかもしれませんね。自分たちの街でも気象防災アドバイザーの力を借りたいと思った場合は、どうすればよいでしょうか?
佐藤
関心がある自治体の方は、地域を管轄する最寄りの気象台にお問い合わせいただきたいと思います。活動は、自治体の要望に応じて行うことが可能です。例えば、川が増水しやすい梅雨や台風の時期だけ、週に数日活動して欲しいとか、防災マニュアルの見直し作業だけを手伝うなど、様々な対応ができますので、ご相談いただければと思います。
足立
臨機応変に対応いただけるのですね。災害の多い地域にとって心強い存在になると思うので、住民の皆さんも、自分が住んでいる町でも活動してほしいと思ったら、お住まいの自治体へ提案してみるのもよいかもしれませんね。
青木
私たちに求められているのは、もしもの時のために日頃から防災意識を高めて準備をしておくことですから、気象防災アドバイザーの存在が、その助けになることは間違いないですよね。
佐藤
気象防災アドバイザーは、気象防災の専門家として、あなたの街の防災対策をより充実させる存在です。気象庁では、より多くの地域で活用いただけるよう、引き続き、気象防災アドバイザーの人数を増やしていきたいと考えています。また、これから雨の多い季節になりますが、自然災害による被害を減らすために、皆さんも日頃の備えをお願いします。
足立
今日の話を聞いて、気象防災アドバイザーを初めて知りました。こういう方がいるだけで、心強いし、安心できるので、もっと増えて欲しいなと思いました。
青木
私も、「もっと増えて欲しい」と思いました。実際に活動されている内藤さんのお話を聞いて、地域の特性にあったアドバイスができる方は貴重なので、今はまだ全国九つの自治体だけですが、これがもっともっと、増えて欲しいなと思いました。

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