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いのちを支える ゲートキーパーになろう!(文字で読む)

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

令和4年(2022年)3月13日放送

ラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」のロゴ

いのちを支える ゲートキーパーになろう!(文字で読む)

パーソナリティとゲスト
ゲスト
NPO法人OVA代表
ソーシャルワーカー(精神保健福祉士)
伊藤 次郎

あなたの周りに、いつもと様子が違う人はいませんか?もしかしたら、ひとりで問題や悩みを抱えているかもしれません。今回は、「いのちを支える ゲートキーパーになろう!」というテーマで深掘りしました。

青木
悩みとの向き合い方は人それぞれで、身近な人に相談する人もいれば、話しづらくて独りで抱え込んでしまう人もいます。「生きるのがつらい」と深刻に悩んでいても、逆に、深刻だからこそ、人には言えずに、自ら命を絶ってしまう人もいます。
足立
コロナ禍の今、社会が不安定なので心配ですよね。
青木
そうですね。実際、新型コロナウイルスの影響を受け始めた2020年は、全国の自殺者数が11年ぶりに増加し、特に女性と、若者の自殺者数が増えてしまいました。また、2021年の暫定値では、総数で減少傾向にありますが、依然として女性や若者の自殺者数は高止まりしており、大きな課題です。なお、中高年の自殺者数が全体の4割を占めていることも皆さんに知ってもらいたい点です。
足立
コロナ禍による生活への影響だけでなく、様々な課題がありそうですね。
青木
そうですね。自殺の原因はひとつではなく、経済・生活問題、健康問題、家庭問題などが複雑にからみ合っているものです。特に40代、50代では、健康問題や経済・生活問題が多く、そうした問題がコロナ禍でより深刻化したことにより、数が増えているとみられています。そこで、今日のテーマである【いのちを支えるゲートキーパー】です。ここからは、スペシャリストと一緒に深掘りしましょう!NPO法人OVA(オーヴァ)代表で精神保健福祉士の伊藤次郎さんです。伊藤さんは厚生労働省の有識者会議のメンバーでもいらっしゃいます。
青木
OVAは“「『助けて』と言えない」を解決するNPO”ということですが、日頃はどんな活動をされているんですか?
伊藤
インターネット上で、「死にたい」とか生活上の問題を調べている人たちに検索連動広告を出して、インターネット上で相談を受ける活動を行っています。
足立
なぜ、そうした活動をされるようになったんですか?
伊藤
もともとソーシャルワーカーとして精神科で働いていたのですが、2013年に子ども・若者の自殺が深刻だという話をきいて、自分でできることを考えました。インターネット上で、「死にたい」と調べている人がたくさんいることを知って、検索連動広告を出して、ネットで相談を受ける活動を始めました。
青木
今日はまず、ゲートキーパーについて伺わせてください。
伊藤
ゲートキーパーというのは、悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげて、見守る人のことを言います。ゲートキーパーというのは、特別な資格が必要なものではありません。地域の中で、誰もがゲートキーパーとして活動して支えあっていくことが大切です。
足立
伊藤さんもこれまで、ゲートキーパーとして様々な方々と関わってこられたと思いますが、なぜ、ゲートキーパーが必要だと感じていらっしゃいますか?
伊藤
死にたいくらい辛い気持ちを抱えると、周りにSOSを出すのが難しい心理状況になると言われています。例えば、子どもであれば「親に迷惑をかけたくない」とか。男性だと「周りに相談するのが恥ずかしい」などの理由でSOSを出せない人もいます。そのため、周囲の人が、変化に気づいて、声をかけ、SOSを受け止めるゲートキーパーになって支えあっていくことが大切です。
足立
具体的に、どのように関わっていけばいいんでしょうか?
伊藤
ゲートキーパーには主に「気づき」「傾聴」「つなぎ」「見守り」、この4つの役割があります。まず、家族や仲間の変化に気づいて声をかける、「気づき」についてお話しします。「気づく」ためには、家族や周囲の人の行動の変化に気づいて声をかけていくことが大切です。例えば、口数が少なくなった、職場に遅刻してくるようになった、とかです。
青木
些細なことだけれども、そういった変化に気づくことが大切なんですね。
伊藤
はい。そういった変化に気づいたら、声かけをしてみてください。声をかけるというのは「あなたのことを気にかけていますよ」という態度を伝えていく、ということでもありますのでその場で相談できなかったとしても、今後相談しやすい環境を作っていくことになります。
足立
私の中で、「声をかける」ということが結構、難しく、仕事関係の人だと、自分が声をかけてもいいのかな?と思う方もいるのではと思うのですが。
青木
特に最近は、職場であまりプライベートに立ち入らない方が良いのでは?ということはありますよね。
伊藤
そうですね。基本的には相手が話したいことを、聴いていくという姿勢がよいかと思います。例えば質問する際に「最近、恋人とうまくいっていないの?」とかいきなり具体的な質問をすると、おせっかいに感じてしまうことがありますので、「最近どう?」とか相手の回答の範囲を狭めない質問をしていくと良いと思います。
足立
回答に余白を持たせる感じですね。
青木
続いては「傾聴」について教えてください。
伊藤
はい。「傾聴」とは、自分自身や社会的な一般的な価値観を押し付けずに、本人の気持ちを尊重して、真剣な態度で耳を傾けることです。深刻な悩みというのは誰にでも話すということではなくて相手を選んで相談します。ですから、「自分だから打ち明けてくれたんだ」と、そういう風に自覚して、迎え入れていく、「話してくれてありがとね」そんな風に態度を示して頂ければと思います。また、話しやすい環境をつくることも大切です。
足立
話を聴く時に注意したほうが良いことはありますか?
伊藤
本人を責めたり、考え方を否定するのは避けて、つらい気持ちについて、「つらかったんだね」 「今まで一人で抱えてつらかったね」と共感を示しながら聴いてあげてください。「今抱えていることを一緒に考えたい」と伝えてください。具体的な問題を抱えている場合、専門家・相談機関に相談するように促し、つないでいくことが大切です。
足立
どのようにして専門家につなげばいいんですか?
伊藤
例えば、借金の問題を抱えていれば、法律家に相談していくのがいいでしょうし体調にいろいろな問題を抱えているようでしたら、医療機関に相談するのを促す形になります。悩みによって様々な専門家がいます。支援情報を検索できる厚生労働省の「まもろうよ こころ」という支援サイトを教えてあげたり、一緒に使ってみるのもいいと思います。こちらのサイトでは、電話のほかにも、SNSやチャットで相談できる窓口も紹介しています。
足立
「つなぐ」時に、注意したほうが良いことはありますか?
伊藤
相談者の方に対して、丁寧に具体的に情報提供をするのが良いと思います。サイトを紹介する場合はURLを送ってあげるなど、アクセスしやすいようにしたり、医師や弁護士や地域の相談機関などにつなぐ際、ご本人が、自分で相談ができる、予約ができるという場合だったら良いのですが、なかなか自分から予約することができない電話をすることができないということがあれば相談者の了承を得た上で、相談先に連絡を取って相談の場所や日時の調整をして、相談者に伝えることが必要なこともあります。
足立
なぜ、そこまでしたほうがいいのでしょうか?
伊藤
抱えている複数の問題に圧倒されて、自分からSOSを出すのが困難な状態になっていることがあります。専門家に相談するにあたり、本人が自分で行うことが困難だと感じていることについて周囲がサポートしていく必要があります。相談に行った後も、引き続き見守っていくことが大切です。「実際に相談に行ってみてどうだった?」という声かけをしたり、「私もいつでも相談に乗るからね」とそんな風に見守っていくということが重要です。
足立
専門家につなげたら終わりではなくて、ずっと一緒に考える存在であることが大切で、そうしたゲートキーパーの存在が、悩んでいる人に安心感を与えるんでしょうね。
青木
伊藤さんはゲートキーパーとして様々な人をサポートされていると思います。先ほどおっしゃっていた中高年の方、特に男性は、相談や助けを求めることへのためらいを感じることが多いとか、身近に相談できる人が少ない、さらに悩んでも我慢するという傾向にあるようですが、この年代の方から実際に相談を受けて、印象的だったことなどありますか?
伊藤
私たちの相談活動でも、実際、男性の相談は女性に比べて少ないです。男性は全体の3割以下くらいです。ある男性は食事も摂れないくらい困窮していましたが、「公的な制度・サービスを受けるくらいなら死んだ方がマシ」とまで言っていました。誰しもが生活に困ったりすることがありえるから、社会で支えあうために様々な制度があることを説明して、制度を利用いただきました。その後、心身の不調も安定し、死にたい気持ちも弱まっていきました。一般的に男性は特に周囲に相談をすることを、心が弱いとか、ネガティブに考えがちですが、他人に協力を要請して、自分自身の問題を解決していく行為はポジティブな行為、スキルだと思います。
青木
悩みを抱えてしまう人の中には、「相談しても、どうせ変わらない」と諦めている方がいるかもしれませんが、そんなことはないんですよね。
伊藤
現在、コロナ禍で誰しもが大なり小なり影響を受けていて、ストレスも溜まりがちです。もし周囲に悩んでいる人がいたら、いつもと様子が違う人がいたらまず声をかけてもらえればと思います。そもそも悩んだり、問題を抱えたり、場合によってはうつ病になったりすることも、恥ずべきことではありません。深刻な悩みを抱えることは、子どもでも、大人でも、年齢や性別に関係なく、誰しもに起こりうることです。もし自分自身が悩みを抱えることがあったら、周囲や専門家に相談してもらいたいと思います。もし周囲に相談しづらいときは、匿名で相談できるSNSや電話による相談窓口を利用するのもよいと思います。
足立
今日の話を聞いて“ゲートキーパー”を初めて知りました。特別な資格はいらず、「あなたの事を見守っているよ」と誰かに寄り添って、誰かを見守っている人、ということを知れて良かったです。
青木
その意識を持てば、誰しもが“ゲートキーパー”ですし、大切なことですよね。私が印象に残ったことはゲートキーパーの4つの役割、「気づき」「傾聴」「つなぎ」「見守り」。この言葉をしっかりと頭に入れて、周囲の人を見渡したいと思いました。

次の放送

放送日
令和4年(2022年)8月14日(日曜日)
放送局によって日時が異なります。

本編

テーマ
ワクワクがいっぱい! 魅力あふれる日本の国立公園
内容
皆さんは「日本の国立公園」にどんなイメージをお持ちですか?全国34か所ある国立公園は、手つかずの自然のある公園だけでなく、集落や観光地と一体になった公園もあり、公園ごとに様々な物語があります。番組では、世界でも稀な特色を持つ魅力あふれる日本の国立公園について深掘り!国立公園に赴き自然を満喫でき、地域の活性化と自然環境の保全にもつながる好循環を生み出す“国立公園満喫プロジェクト”とは?是非、お聴き逃しなく!
パーソナリティ
放送予定(※内容は変更になる場合があります)
「日本のパートナー 成長大陸アフリカ」
令和4年(2022年)8月21日(日)
前回放送分の配信

令和4年(2022年)8月7日(日曜日)

本編
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