資産づくりの第一歩 はじめよう!つみたてNISA
人生100年時代!将来に備えて、今からコツコツと資産形成を行いませんか?今回は、「資産づくりの第一歩 はじめよう!つみたてNISA」というテーマで深掘りしました。

- ゲスト
- 金融庁
総合政策局 総合政策課長
高田 英樹
ストリーミング(音声で聴く)
- 放送日
- 令和4年(2022年)11月13日
- 時間
- 18分34秒
- 配信終了予定日
- 令和5年(2023年)11月12日
文字で読む
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青木 - 足立さんは、月にどれくらいの収入があり、どれくらい支出しているかなど、きちんと把握していますか?
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足立 - 収入は分かっていますが、支出については、クレジットカードの明細を見るぐらいで、月にいくら支出があるかは、正直、分かってないです。
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青木 - 計画的な貯蓄はしていますか?
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足立 - 貯蓄ができないんですよ。お金がどんどん出ていってます。
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青木 - でも、ライフステージが変われば、お金が出ていくタイミングがありますよね。家を買ったり、こどもが生まれたら、教育資金が掛かるなどありますが、そういったことは考えていますか?
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足立 - 結婚とか今後のことを考えると、こどもに何か価値のある物を残してあげたいと思うんですが、計画とかイメージの仕方が分からないところがあります。
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青木 - なるほど。では、人生に、どのくらいお金が必要かというと、一般的に人生の3大費用は、「教育」「住宅」「老後」費用であると言われています。それぞれ、おおよそどれくらい掛かるかというと…「教育費」は幼稚園から大学まで、公立や国立だったとして、およそ800万円。全て私立の場合は、およそ2,300万円掛かります。「住宅費」は全国平均で、建売住宅の場合、およそ3,400万円。マンションの場合は、およそ4,400万円。「老後の費用」は、夫婦二人世帯の場合、65歳から90歳までの25年間分の生活費は平均で、およそ8,000万円、「ゆとりがある」とされる場合で、およそ1億500万円と言われています。つまり、3大費用だけ考えた場合でも、結婚してこどもを1人もうけ、家を買って、夫婦で90歳まで生活すると、およそ1億2,200万円から1億7,200万円が必要になる計算です。
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足立 - 思ったより、掛かりますね。これ以上掛かる可能性もありますし、定年のことを考えると、それまでに稼がないといけないですよね。
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青木 - そうですよね。いつまで働くかによっても、それぞれのライフステージに大きな影響を与えますよね。もちろん、個人によって人生における出来事や、どのくらいお金が掛かるかには違いがあります。今はライフスタイルも多様化していて、例えば、家族に関して言えば、「結婚する、しない」「こどもがいる、いない」「どちらか一方が働くか、共働きか」など、様々なケースがあります。
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足立 - 昔は、父親が働いて母親は専業主婦、そしてこどもがいるといったように、同じようなライフスタイルの家庭が多いように思いましたけど、今は、自分の価値観によって様々な選択肢がありますよね。
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青木 - 仕事に関してもそうですね。「正規か、非正規か」「定年後も働くか、働かないか」などの違いがあります。さらに、最近では「副業を持つ」などもありますよね。住まいに関しても、「持ち家か、賃貸か」「リフォームするか、住み替えするか」「都市に住むか、郊外に住むか」「移住するか」などなど、 選択肢のバリエーションが豊富です。つまり、人生にいくらお金が必要かは人それぞれなんです。
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足立 - 確かに、ライフスタイルは人それぞれですけど、できることなら「人生を楽しみたい!」し「豊かに過ごしたい!」、と思っている方は多いんじゃないかなと思います。
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青木 - そうですよね。ですから、人生の様々なステージで必要となる資金の確保が大切で、そのためには、安定的な資産形成をする必要があるんです。ここからはスペシャリストに伺っていきましょう!金融庁 総合政策局 総合政策課長の高田英樹さんです。
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足立 - 高田さん、資産形成って、具体的にはどういうことをすればいいんですか?
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高田 - 資産形成には「貯蓄」と「投資」の2つの方法があります。一般的に「貯蓄」はお金を蓄えることで、銀行の預金などがこれに当たります。一方の「投資」は利益を見込んでお金を出すことで、株式や投資信託などの購入がこれに当たります。
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足立 - それぞれの特徴は、どんなことがありますか?
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高田 - 普通預金などの貯蓄は、一般的にすぐ引き出すことができるのが特徴です。そのため、日常生活の資金は貯蓄の形で持っておくことをお勧めします。また、病気や事故など、予期せぬ出来事で急にお金が必要になることもありますから、そうした場合に備えたお金は貯蓄の形で持っておくと安心です。一方で、現在、貯蓄は利率が低いので、預けておいても大幅にお金を増やすことは期待できないと言えます。
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足立 - では、投資にはどんな特徴がありますか?
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高田 - お金を投資の形で持っていると、現金として引き出して使うためには、投資した資産を売却して現金に換えるなど、一定の手順を踏む必要があります。また、投資にはリスクがありますが、一方で値上がりや利益の分配などを通じて、貯蓄よりも利益を得られる可能性が高いという特徴があります。そのため、教育や住宅購入、老後の資金など、今すぐに必要ではないけれど、将来に向けて増やしていきたいお金作りのために活用するのに向いています。
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足立 - でも、投資しても必ず利益が見込めるわけではないですよね?
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青木 - もちろんそうですが、資産形成における「貯蓄」と「投資」でいうと日本人は「貯蓄」をしている方の割合が多いですよね。しかし、「投資」のリスクを軽減させる手段があるんです!そこで、ここからは、安定的な資産形成に適した「つみたてNISA」を深掘りします。まず「NISA」について説明します。「NISA」とは、正式には少額投資非課税制度と言います。通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や、受け取った分配金に対しては、原則20パーセントの税金が掛かります。しかし、NISAの場合は非課税、つまり利益が出ても税金が掛からないんです。
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足立 - それは大きなメリットですね。
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青木 - このNISAには、主に「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があり、日本に居住している20歳以上の方なら誰でも始められます。来年の1月以降は、18歳以上の方もNISAによる投資ができるようになります。そして、「一般NISA」と「つみたてNISA」を比較して、特に、投資初心者に適しているのが「つみたてNISA」ということになります。
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足立 - 最近、よく耳にしますが、今一つ、分かっていないんです。高田さん、「つみたてNISA」の方が初心者に適しているというのはどうしてなんでしょうか?
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高田 - はい。投資にはリスクがありますが、一般的に投資は長期・積立・分散の3つのポイントを押さえて行うことで、リスクを軽減することができると言われています。長期投資とは、購入後、10年、20年、長く持ち続けること。積立投資とは、例えば月々1万円ずつ投資するなど、コツコツと継続的に投資すること。分散投資とは、投資する資産や投資先の地域などを分散させて投資すること。例えば、投資先の地域を分散させることにより、より安定的に世界経済の成長の果実、つまり、利益を得ることが期待できます。そして、この長期・積立・分散投資による資産形成を後押しするために創設されたのが「つみたてNISA」なんです。
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足立 - 簡単に言うと「つみたてNISA」は、安定的な資産形成をするために、押さえておきたいポイントを全て押さえているということですか?
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高田 - はい、そうなんです。ポイントをもう少し補足しますと、まず、「つみたてNISA」は長期保有を前提とした制度で、非課税期間は20年間です!
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青木 - 20年間も運用益に税金が掛からないので、持ち続けやすいですし、資産も貯まりやすいということなんです。
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高田 - また買い付けの方法も「あらかじめ決まった金額」を「続けて」投資する、積立投資に限定しています。
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青木 - 一般的に投資は安い時に買って、高い時に売れば利益が大きくなりますが、この投資のタイミングをとらえるのは難しいものです。でも、定期的に積立投資をすれば、安い時に買わなかったり、高い時だけ買ってしまったりすることを避けられます。
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足立 - 買うタイミングに悩む必要がないのは、投資初心者には有り難いのかもしれませんね。
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高田 - また、「つみたてNISA」の対象商品は分散投資ができる投資信託のみに限られています。しかも、その投資信託のほとんどは販売時の手数料が0円で、運用期間中に必要な手数料も低い、低コストな商品となっています。
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青木 - 手数料は1パーセントの違いと聞いても、1パーセントってわずかじゃない?と思われる方もいるかもしれませんが、でも長期でみると1パーセントが大きな違いを生むんですよ!
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足立 - なるほど。何だか、頭がパンクしそうです。
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青木 - そうですよね。でも、ご安心ください!金融庁では投資初心者に向けてNISAの特設サイトを設けています。こちらを見れば、今、話していたことがもっと詳しく、分かりやすく紹介されているんです。足立さん、今、手元のスマホで「NISA特設ウェブサイト」と検索してトップページを見てみてください。リスナーの皆さんもご一緒に!
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足立 - ワニみたいなのが出てきましたよ!
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青木 - それはワニではなく、「ワニーサ」という妖精です。このサイトを見れば、「つみたてNISA」の特徴が資料や動画で紹介されているので非常に分かりやすいです。
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足立 - 「NISAとは?」「つみたてNISAとは?」「NISAを始める前に」など、いろいろな項目が出てきました。
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青木 - トップページにある「つみたてNISAとは?」をクリックして出てきたページにある「つみたてNISA早わかりガイドブック」を見れば詳しく説明されています。
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足立 - 出てきました!ポップで可愛いページですね。Lesson1「つみたてNISAの特徴を学ぼう!」ここにもいろいろと書いてありますね。「少額(例えば100円)からでも運用を始められる」とか「非課税投資枠は年間で最大40万円」など、分かりやすく書いてありますね。
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青木 - 月々にすると、3万3,333円という事になりますね。私、満額やっておりますので。
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足立 - ちなみに、今、「つみたてNISA」を利用されている方はどれくらいいるんですか?
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高田 - 「つみたてNISA」を活用するには、銀行や証券会社に専用の口座を設ける必要があります。その口座数は年々増えていまして、2022年の3月末時点でおよそ587万口座。「つみたてNISA」の口座を持っている方の7割程が20代から40代の方です。
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青木 - 先ほど、高田さんから、投資にはリスクがあるけれども、一般的に、投資は長期・積立・分散の3つのポイントを押さえると、リスクを軽減することができるという話がありましたが、長期でやることはとても大事で、若ければ若いほど、有利なんです!時間を味方に付けるという感覚で、若い方は是非、始めていただきたいですし、40代、50代の方であっても、人生において、一番若い時って今なんですよ!だから、今、決断すべきだと私は思います。
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足立 - 青木さん、とっても説得力がありますね。
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青木 - 私、金融庁の人間ではないですが(笑)「つみたてNISA」は本当に有り難い、素晴らしい制度だと思いますよ。
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足立 - もっと調べてみよう。面白そうですね。
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青木 - 若いうちから始めれば、マイホーム購入やこどもの教育費など、様々なライフイベントに必要な費用を準備できる可能性が高くなりますから、気になった方は、まず「NISA特設ウェブサイト」を見ていただきたいですね。豊臣秀吉とねねが「つみたてNISA」について解説している動画もあって非常に分かりやすいです。
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高田 - 現在、政府では、「貯蓄から投資」へのシフトに向けた取組を進めており、国民の皆さんが安定的な資産形成を行いやすいよう、様々な環境整備を進めています。人生100年時代。豊かな人生を送るためにも、資産形成の第一歩に是非「つみたてNISA」をご検討ください。
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青木 - 私からも、皆さんにメッセージです。人生100年時代、私が大切だと思うのは、なるべく長く健康でいて働くこと。そして、もう一つは、若いうちから資産形成をすること。人生100年時代にその2つをしっかり意識してほしいという中で、「つみたてNISA」は素晴らしい制度ですから、まだやっていない方は是非、ご検討ください。
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足立 - 今日の話を聞いて、「つみたてNISA」をできるところくらいまではいっていたんですが、運用の仕方が今一つ分かっていなかったので、今回、改めて知れて、良かったです。まだ分からない部分がたくさんあったので、「NISA特設ウェブサイト」で調べて詳しく見てみようと思いました。
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青木 - 私は、改めて、リスクを減らすために「長期・積立・分散」が大切だということなんですよね。それをしっかり押さえているのが「つみたてNISA」なんだということを皆さんに覚えていただきたいです。
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