ここから本文です

上野山広司さん

上野山広司さん

関西在住、二児の父親。
90年代後半にアメリカで学生として約3年間を過ごす。旅行会社で勤務後、外国人観光客を受け入れるゲストハウスを妻と二人三脚で7年間運営。現在は英語で日本酒を説明する唎酒師として活動中。

Sakeは世界の共通文化へ

トロントにてジャパン・ソサエティーのベン会長と
トロントにてジャパン・ソサエティーのベン会長と

日本文化が世界各地でブームを起こしています。歴史、伝統文化、アニメ、日本食。今、日本の文化に興味を持つ人たちは世界中で増え続けています。「Japan is so cool」長く外国人観光客と触れ合う仕事をする中で、日本を憧れの対象にさえ捉えている人たちが世界のどこに行ってもたくさんいることを身にしみて感じてきました。私の得意分野は、”Sake” です。和食は今やUNESCO無形文化遺産の一つであり、和食と切っても切れない縁にあるこの ”Sake” への注目度も世界中で年々高まっています。私は、唎酒師として外国人を対象とした日本酒の講座を2012年から行っており、今回 “Sake Sommelier” として「歩こうアメリカ、語ろうニッポン」のメンバーに選ばれました。

シティーオナーズ高校でのスピーチの様子
シティーオナーズ高校でのスピーチの様子

私が派遣されたのはトロント、ニュージャージー、そしてニューヨークです。最初の訪問地トロントは、私にとっては初めてのカナダでもありました。到着初日、地元の大学関係者との食事会の席で、私は日本酒をより良く知っていただくためのお話をさせていただきました。お米の話、大吟醸や純米酒などのカテゴリーなどについて用意した簡単な資料を元にご説明したところ、「これまでの疑問が晴れた」と喜んでいただき、本番の発表へ向けた自信にもつながりました。その日は偶然にも日本酒にとってとても大切な、10月1日でした。10月1日は古くから新しい酒造りにとってのお正月とされています。そんな特別な日に、遠く離れたトロントで日本文化の代名詞の一つである日本酒を現地の方に伝える機会に恵まれたことは、一生忘れることのない思い出となりました。

プレゼンテーションでは、来場者がまず笑顔になるような話ができるよう心がけました。(笑いをとってなんぼ、という大阪魂かも知れません。笑)トロントでは元Blue Jaysの川崎選手、バッファローでは今はなき近鉄バッファローズを引き合いに出すなどして、”つかみ” で注目を集めることをまず意識しました。学生時代に習ったスペイン語で挨拶を行い、会場の空気にアクセントをつけたり、私の名前、広司(Koji)が酒造りに必要な麹(Koji)と同音であることを使い、発表が印象的なものになるよう自分なりに工夫したりしました。進行を務める団長が、私たちと来場者をコントロールしながら全体をまとめてくださったおかげで、私は自分の役割を果たすことに集中することができたと思います。緊張やプレッシャー、質疑応答にうまく答えられないもどかしさなどのジレンマは毎回ありましたが、一日一日が新しい出会いや発見にあふれ、充実した疲れを感じられる日々でした。
来場者の反応、街に溢れる日本食レストランの盛況な様子を眺めながら、Sakeは日本の代表文化としてカナダ、アメリカで着実にその地位を向上させていることを肌で感じることができました。またそれをテーマに各地で交流を広げられたことは、本当に幸せな経験でした。これからも日本と海外の Sake文化の一層の発展を願いつつ、自分なりの形で活動を続けていきたいと思います。

【応募を考えている人の疑問に答える3つの質問】

タウンゼントハリス高校にて高橋在ニューヨーク日本国総領事らと
タウンゼントハリス高校にて
高橋在ニューヨーク日本国総領事らと

・渡航準備は何をしましたか?
普通の日本国民の一例として、どれだけ自分自身をプレゼンテーションの中で伝えられるかということに集中して内容を考えました。あとは、体調を整えること。多くの方の代表として渡航するという、引き締まった気持ちで臨みました。

・現地で印象に残ったエピソード
毎日が印象に残る日々でしたが、トロントにある ”JCCC -日系文化会館” で日系カナダ移民の方々の歴史を知ることができたことは、言葉にならないほど重みのある経験でした。次に、初代駐日アメリカ大使であるTownsend Harris氏にゆかりのある、NYクィーンズ地区にあるTownsend Harris High Schoolです。この学校は提携する日本の高校と活発に交流を図るなど、日本との相互理解に取り組んでいます。学校全体が日本に親しみを感じているようにみえ、学生の多くは日本語を学んでいます。私たちの一団を日本語で歓迎してくれた学生たちの顔は、今も心に焼き付いています。あと印象に残った出来事といえば、やはり自分のプレゼンテーションが来場者の笑いを誘った瞬間です。この感覚も、一生忘れることができません。笑

・最後に皆さんへ一言
現地では、飾らず、ご自身の自然体の姿を見ていただくことが、お互いの理解を深める一番の近道であると私は思っています。渡航中のスケジュールはとても忙しいものですが、このような機会は一生を通じて何度もあるものではありません。私には、大変だったこと以上に大きな見返りが経験として残っています。一人でも多くの皆さんが、このプロジェクトを通して日本文化の足跡をカナダ、アメリカに残して欲しいと思います。

  • Sakeは世界の共通文化へ

    土山美咲さん
    上野山広司さん
    関西在住、二児の父親。90年代後半にアメリカで学生として約3年間を過ごす。旅行会社で勤務後、外国人観光客を受け入れるゲストハウスを妻と二人三脚で7年間運営。現在は英語で日本酒を説明する唎酒師として活動中。
  • 活動的な高齢化社会へ

    髙橋美都子さん
    小笠原明生さん
    宮城県出身。
    米国および中国のパソコンメーカーに35年勤務後、外国語教育企業にてディジタル教材を開発。その後、大学の非常勤講師として英語で国際経営や日本経済を教え、次世代のグローバル人材を育成している。