食物アレルギー ある人もない人も知っておきたい基礎知識

「食物アレルギーがあるのですが…」と、メニューを見ながら店員にアレルギーについて伝える家族のイラスト

食物アレルギーの患者さんは、食物アレルギーの原因となる食物を口にしないよう常に注意を払っています。加工食品を買うときは、パッケージの食品表示を確認して判断することができますが、外食やテイクアウトのお店では、アレルギーに関する情報提供はお店ごとの判断に任されているため、患者さんが必要とする正しい情報を得られるとは限りません。そのため、お店選びに困ってしまうことがあるのをご存じでしょうか?
食物アレルギーのある人もない人も、一緒に安心・安全に食事を楽しむために、知っておきたい基礎知識をご紹介します。

1.命に関わることもある「食物アレルギー」とは

食物アレルギーは好き嫌いではありません

食物アレルギーは、本来であれば害のない食物を身体が異物と勘違いし、免疫システムが過敏に反応する現象です。特定の食物を食べたり触れたりすると、アレルギー症状が起こります。

「主な症状」のイラスト。「咳・呼吸困難(ゼイゼイ・ヒュウヒュウ)」「くちびる、まぶたの腫れ」「腹痛、嘔吐」「かゆみ、赤み、じんましん」

食物アレルギーの症状の程度は、軽症から重症まで人によって様々です。時に、アナフィラキシーという重い症状が出て、命に関わる重大な事態が発生する場合もあります。食物アレルギーと同様の症状が出たかたは、自己判断で済まさず、医療機関を受診するようにしてください。また、命に関わることだからこそ、食物アレルギーのある人自身だけでなく周りの人も正しく理解することが必要です。

原因となる食物は人それぞれ

アレルギーの原因となる食物は、人によって違います。1つだけではなく、複数の食物でアレルギー症状が出ることもあるほか、微量でも発症する人、少量であれば食べられる人など、症状が出る量にも個人差があります。
鶏卵、牛乳、小麦が含まれている食べ物は多いため、食物アレルギーのあるかたがお店で食品や料理を選ぶときには注意が必要です。

「原因となる食物」の円グラフ。内訳は、鶏卵26.7%、クルミ15.2%、牛乳13.4%、小麦8.1%、落花生7.0%、イクラ5.7%、カシューナッツ4.6%、エビ3.0%、キウイ1.3%、大豆1.3%、マカダミアナッツ1.1%、ソバ1.1%、木の実類(ミックス・分類不明)0.9%、ピスタチオ0.8%、その他9.7%

出典:消費者庁「令和6年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書」から政府広報室作成

2.外食やテイクアウトなどでの誤食

飲食店で、メニューを選んでいる3人の男女と、そのうちの1人から質問を受けて困った様子の店員のイラスト

外食・中食では、お店によって情報提供の有無やルールが異なります

加工食品は、食品表示基準において、患者数が多かったり、重篤になりやすい食物として特定された原材料(特定原材料注1)をパッケージに表示することがルールとして義務付けられていますが、外食・中食注2ではパッケージへの特定原材料の表示が義務付けられていません。
その理由として、飲食店などでは、同じキッチンで複数の料理を同時に調理するため他の料理の原材料の混入を管理することが難しかったり、全国展開するチェーン店から家族経営のお店など、調理場の規模やメニュー数、スタッフ数などが様々であったりして、一律のルール設定が難しいことが考えられます。

(注1)具体的な品目はページ末尾の関連リンク消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」からご確認ください。

(注2)本ページで説明する中食(なかしょく)とは、ショーケース内のケーキや量り売りのお惣菜など、あらかじめ容器に入れずに販売されていて、中身を確認してから購入することができる食品のことです。

「誤食」に注意

加工食品の食物アレルギー表示のルールを参考にして食物アレルギー情報提供を行うなど、自主的に取組を開始している飲食店もありますが、一律のルールに基づく対応ではありません。お店側の間違った情報提供や誤解、患者さんの確認不足などによって、原因食物を食べてしまう「誤食」が生じることもあります。患者さんは、外食や中食をする際に、お店側の情報が最新で正確なものかなどの確認には注意が必要です。また、誤食は起こり得るものとして、症状対応への準備も怠らないようにしましょう。
また、お店側でも、最新かつ正確な情報提供に努め、食品について問い合わせを受けて分からないときは「分からない」と伝えることが重要です。「たぶん大丈夫だと思います」といった曖昧な回答をしないことが、誤食の防止につながります。

誤食の例の表。例1、お店への確認不足。アレルギーは卵。アレルギー対応のハンバーグをアレルギーの子どもが食べられたと友人に聞き、そのチェーン店の別の店で子どもに食べさせたところアナフィラキシーを発症した。原因は、店によってアレルギー対応のメニューが異なり、店員に確認せずに注文したことが問題であった。例2、店員の知識不足。アレルギーは乳。パン屋で米粉パンに卵と牛乳が入っていないか聞き、「入っていません」と回答されたので購入。食べたところ、全身じんましん、呼吸困難、アナフィラキシーショックで入院。原因は、脱脂粉乳が入っていたが、店員は脱脂粉乳が乳製品であることを知らなかったこと。例3、作り直しをせずに提供。アレルギーは卵。卵アレルギーであることを伝え、何度も除去食の提供をお願いしていたのに、卵の乗ったオムライスが運ばれてきた。その後、出されたチキンライスを食べたところアナフィラキシーショックで救急搬送。作り直さずにオムライスの上の卵をはがしただけだったため、卵が残っていた。

3. 誰もが安心・安全に食を楽しむために

「食物アレルギーなのですが、この料理に卵は入っていますか?」「詳しいスタッフに確認しますのでお待ちください」惣菜売り場で食材を確認する客と、それに答える店員のイラスト

外食・中食をするときのポイント

食物アレルギーであることを伝える

「食物アレルギーなのですが、牛乳を使っていますか」「食物アレルギーなので、完成した料理から卵を取り除くのではなく作り直してください」などとはっきり伝え、コミュニケーションを十分にとりましょう。アレルギーであることをはっきり伝えないと、お店で働く人に好き嫌いと思われ、対応が不十分になることがあります。食物アレルギーに関する確認であることを、きちんと伝えることが大切です。お店のかたに食物アレルギーについての情報を正しく共有するために、「食物アレルギーコミュニケーションシート」を活用するのもよいでしょう。

お店から可能な限り正確な情報を提供してもらう

食物アレルギーに関する情報が提供されていたとしても、内容が古かったり間違っていたりする可能性もあります。よく行くお店でも毎回確認しましょう。原材料や調理環境をよく把握しているスタッフやお店の責任者に確認することが大切です。

常に誤食のリスクが潜んでいるという認識を持つ

お店では、調理過程やトングなどを介して原因食物が混入するリスクもあります。常に誤食のリスクが潜んでいるという認識を持ち、最終的に「食べられる/食べられない」の判断は、食物アレルギーのある人自身や家族で行う必要があります。
原因食物が含まれているか分からないとき、お店に確認しても心配な点があるときは、利用しないことも大切です。
外食・中食における食物アレルギーの現状については、動画でもご紹介しています。また、外食・中食事業者のかた向けに、食物アレルギーに関する情報提供について具体的に学べる動画もあるので、是非ご活用ください。

食物アレルギーへの理解を深めましょう

家族や友人と安心・安全に食事を楽しむためにも、食物アレルギーについての理解を深めてみませんか。食物アレルギーがある人もない人も、またお店で働く人も、食物アレルギーについて正しく理解することが、食物アレルギーがある人の誤食を防ぐことにつながります。
詳しく知りたいかたは、関連リンクに紹介した消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」サイトや動画をご確認ください。加工食品の食物アレルギー表示に関する最新の表示対象品目情報や、外食・中食を利用する際に気をつけなくてはいけないこと、緊急時の対応などをまとめています。

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