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CO2排出を抑制するため、
地球温暖化対策のための税が始まります!
- 火力発電や自動車の走行など、化石燃料からエネルギーを生み出すときに排出されるCO2を抑制し、地球温暖化対策を強化するために、「地球温暖化対策のための税」が平成24年10月1日から導入されました
- この税は、原油・石油製品(ガソリンなど)、天然ガス、石炭といったすべての化石燃料に対して、環境負荷(CO2排出量)に応じて広く薄く公平に負担を求めるものです
- この税は、「広く薄く」負担を求めることで、特定の産業に過重な負担となることを避け、課税の公平性を確保します。また、急激な負担増とならないよう、税率は、施行から3年半をかけて段階的に引き上げられます
- この税による追加的な家計の負担は、燃料などの使用状況によって異なりますが、家庭のエネルギー使用量をベースに試算すると、最終的に一世帯当たり1か月平均は約100円程度(平成28年度~)と見込まれます
- エネルギー使用量の多い特定の産業や地域に対しては、負担増に配慮した免税・還付措置などの支援策を併せて実施します
- この税による税収は、中小事業者向けの省エネ設備の導入支援など省エネルギーの対策の強化や、次世代の蓄電池技術の開発、地方の特性に合わせた再生可能エネルギー導入の推進など、地球温暖化対策に限って活用されます
CO2排出量の抑制など地球温暖化への対応は地球規模の大きな課題です。私たちは大量のエネルギーを使って日常生活をしており、CO2を大量に排出しています。そこで地球温暖化対策として、CO2排出量を減らすための省エネルギーの取組みや再生可能エネルギーの利用を積極的に進めていくことが必要となります。このため、「地球温暖化対策のための税」(以下「地球温暖化対策税」という。)が平成24年10月から導入されました。この税は、課税によるCO2排出抑制効果に加え、税収を省エネ・再エネ対策などのCO2 排出抑制対策にあてることで、二重のCO2排出抑制効果が期待できます。諸外国でもそれぞれの国の実情に応じた様々な方法で導入されています。CO2排出の削減のため皆さんのご理解・ご協力をお願いします。
平成24年10月1日から、「地球温暖化対策税」が導入されました
地球温暖化の大きな原因となっている温室効果ガス。その大部分を占めるのは、石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料をエネルギーとして使うときに排出される二酸化炭素(CO2)です。
CO2の排出量は、私たちが日常生活や事業活動などで使用するエネルギーの増大に伴って、増加してきました。例えば、電気をつくるときに化石燃料を燃やして大量のCO2を排出しています。また、自動車や飛行機などで移動するときも、化石燃料を使い、CO2を排出しています。
このように大量のエネルギーによって支えられている社会の中で、地球温暖化を防ぐために、いかにCO2の排出量を削減していくかが大きな課題となっています。さらに、平成23年3月の東日本大震災以降、原子力への依存度低減を図る中で、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの拡大など、エネルギー起源CO2排出抑制対策のさらなる推進が一層重要となってきています。
こうした中、火力発電や自動車の走行など化石燃料の利用に伴うCO2排出量を抑制し、地球温暖化対策を強化するために、「地球温暖化対策税」が平成24年10月1日から導入されました。
全ての化石燃料に対し、CO2の排出量に応じた税率が課せられます
「地球温暖化対策税」は、原油・石油製品(ガソリン、灯油など)、ガス状炭化水素(天然ガス、液体石油ガス)、石炭といった全化石燃料に対して課税を行う石油石炭税の仕組みを活用して、それぞれCO2排出量に応じて税率を上乗せするものです。
石油石炭税は、化石燃料の輸入者や採取者などに課税されるもので、電気やガス、ガソリンなどの化石燃料を利用する消費者や事業者の皆さんに直接課税されるわけではありません。しかしこの上乗せ分は、ガソリンや天然ガス、石炭などの化石燃料の価格に反映されるため、石油石炭税と同様、最終的には、化石燃料を利用する消費者や事業者の皆さんに負担していただくことになります。つまり、CO2を排出してエネルギーを利用する消費者や事業者の皆さんに、広く薄く、CO2 の排出量に応じて公平に負担をお願いする税なのです。
この「地球温暖化対策税」の導入により省エネルギーの取り組みや再生可能エネルギーの導入が進み、CO2排出量の削減が期待されます。 このようなCO2削減という観点から化石燃料やエネルギーに課税する仕組み(環境税)は、1990年以降、ノルウェーやデンマーク、オランダ、ドイツ、イギリスなど、ヨーロッパを中心に導入が進められてきています。(「参考別表」)
<具体的な課税の内容>
従来の石油石炭税は、化石燃料の種類ごとに、単位使用量に応じた税率が定められており、原油・石油製品は1キロリットル当たり2,040円、ガス状炭化水素は1トン当たり1,080円、石炭は1トン当たり700円となっています。「地球温暖化対策税」として上乗せされる税は、CO2排出量1トン当たり289円で、化石燃料ごとに単位使用量当たりの、CO2排出量に応じた税率が上乗せされます。

急激な負担増を避けるため、税率は、施行から3年半をかけて段階的に引き上げられます
税の導入によって急激な負担増になることを避けるため、「地球温暖化対策税」は、平成24年10月1日から3年半をかけて3段階で実施されます。平成24年10月1日からの導入当初は、CO2排出量1トン当たり289円の3分の1が上乗せされます。

家庭の追加的な負担は、1か月約100円程度です
この税の導入によって、家庭の負担がどのくらい増えるのかは、電気・ガスの使用量や自家用車の使用頻度などによって違ってきますが、家庭のエネルギー使用量をベースにすると、最終的にCO2排出量1トン当たり289円(289円/CO2-トン)に基づく税率が導入される、平成28年4月1日以降では、一世帯当たり1か月平均は約100円程度の負担になると試算されています。
ただし、平成24年10月1日の導入時は、上乗せされる税率は3分の1となっていますので、平成24年度分の負担は、一世帯当たり平均は、6か月間で約200円程度と試算されます。
なお、化石燃料を利用する様々な産業の中で、大量輸送や公共交通に関わる産業は、ほかの産業に比べてエネルギー使用量が多いため、税導入によって負担が重くなってしまいます。そこで、特に負担が重くなる特定の産業に対しては、負担増に配慮した免税・還付措置を実施します。また、燃料の生産や流通にかかるコストの削減、物流・交通の省エネ化の推進、中小企業などに対する支援策を実施することとしています。
税収は省エネルギー対策の強化など、地球温暖化対策のために活用されます
地球温暖化対策税による税収は、中小事業者向けの省エネ設備の導入支援など省エネルギーの対策の強化や、次世代の蓄電池技術の開発、地方の特性に合わせた再生可能エネルギー導入の推進など、エネルギー起源のCO2削減対策に効果のある幅広い分野への対策に活用されます。

※1太陽光や風力など再生可能エネルギーを最大限活用し、地域でエネルギーを有効活用する次世代の社会システム。
※2 天然ガスを燃料とするガスエンジンやガスタービンなどで発電すると同時に、その際に発生する排熱を給湯、暖房、冷房、蒸気などに利用するシステム。
※詳しくは、下記のウェブサイトをご覧ください。
地球温暖化対策税によって、こうした地球温暖化対策が進められることと併せて、私たち一人一人がエネルギーの使い方を見直していくことも重要です。
冷房の温度は28度、暖房は20度を目安にする、省エネ家電に買い替える、アイドリングをやめるなどエコドライブを実践する、よりCO2の排出が少ない鉄道など公共交通機関を利用するなど、身近でできる様々な地球温暖化対策を実践しましょう。

(資料:国土交通省)
※家庭や職場での地球温暖化対策については、下記の記事も参考にしてください。
<参考別表>
<各国の地球温暖化に関する税の概要>
(資料:環境省「税制全体のグリーン化推進検討会」)
<取材協力:資源エネルギー庁 環境省 文責:政府広報オンライン>
関連リンク
- 環境省「「地球温暖化対策のための税」の導入」
「地球温暖化対策のための税」の目的や仕組み、家計負担などの説明が掲載されています
- 資源エネルギー庁「エネルギー基本計画」
エネルギー政策の基本的な方向性を示す「エネルギー基本計画」が掲載されています
- 国税庁「地球温暖化対策のための石油石炭税の税率の特例について」[PDF]
地球温暖化対策税に関する還付・減税措置の情報が掲載されています
- 国税庁「地球温暖化対策のための課税の特例Q&A」[PDF]
地球温暖化対策税の還付・減税措置に関するQ&Aが掲載されています
- 環境省「税制のグリーン化(環境税等)」
税制グリーン化に向けた政府の取り組みに関する情報が掲載されています
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