平成30年(2018年)1月から始まった「つみたてNISA」は、将来に向けてコツコツ投資をする方を応援する制度です。一般NISAとの違いやメリットを紹介します。
◎「NISA」については、こちらで詳しくご紹介しています。
1「つみたてNISA」とは?
家計の安定的な資産形成を支援するために、少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」が平成26年(2014年)1月にスタートしました。この制度は、年間120万円まで(平成27年までは100万円まで)の投資にかかる値上がり益や配当金などが、一定期間、非課税になる制度です。
これに加え、平成30年(2018年)1月から、新たに「つみたてNISA」が始まりました。
この「つみたてNISA」について、従来のNISA(一般NISA)と比べながらご紹介します。
「つみたてNISA」のイメージ
「つみたてNISA」は、毎年、40万円を上限に一定の投資信託を購入でき、その投資信託から得られる利益について最長20年まで非課税となります。これを最長20年間繰り返すことができます。
「つみたてNISA」と「一般NISA」の主な違いは以下のとおりですが、特に大きな違いは、(1)1年間に投資できる額の上限が、一般NISAは120万円で、つみたてNISAは40万円、(2)非課税で運用できる期間が、一般NISAは最長5年で、つみたてNISAは最長20年、という点です。
つみたてNISAは、一般NISAと比べて投資できる金額が少ない代わりに長期的な運用に向く、といえます。
つみたてNISA | 一般NISA | |
---|---|---|
制度対象者 | 18歳以上の日本国内居住者 ※口座を開設する年の1月1日において18歳以上であることが必要です。 |
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1年間に投資できる額 | 40万円まで | 120万円まで |
投資可能期間 | 2018年~2042年(20年間) | 2014年~2023年(10年間) |
非課税で運用ができる期間 | 最長20年間 | 最長5年間 ※期間終了後、新たな非課税枠への移行による継続保有が可能 |
投資できる商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 〇例えば公募株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすもの
|
上場株式・公募株式投資信託・ETF・REIT等 |
口座開設数 | 1人につき1口座 ※1年ごとに、「つみたてNISA」と「一般NISA」を変更することができる※1年ごとに、金融機関を変更することができる |
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途中で引き出し・解約 | いつでも可能 |
2「つみたてNISA」のメリットは?
「つみたてNISA」は、一度、購入する商品を決めて手続きをすれば、毎月、自動的に決まった金額を積み立てる形で投資することができます。年間の非課税投資枠の上限が40万円なので、毎月投資する場合の月額上限は約33,000円となりますが、金融機関によっては月額100円から積立が可能なところもあります。
「つみたてNISA」の対象となる金融商品については、手数料の高いものや毎月分配金が支払われるものは対象外とされており、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託に限定されています。
また、月々積み立てることで投資時期を分散し、長期で保有することによって、リスクの軽減が図られています。短期間に株や債券の値下がりがあったとしても、長期間で見て右肩上がりになっていれば、将来的に利益が期待できます。
◎長期・分散投資について:
詳しくは、こちらのNISAに関する記事でご紹介しています。
- 投資などについて詳しくは下記をご覧ください。
3「つみたてNISA」を利用するには?
「つみたてNISA」を利用するためには、NISA口座が必要です。また、「つみたてNISA」と「一般NISA」は選択制となっており、どちらか一方を選択して利用することになります。手続きは次のようになります。
【NISA口座を持っていない方】
- 銀行や証券会社などの金融機関でNISA口座を開設しましょう。NISA口座は一人1口座しか持つことはできません。金融機関ごとに取り扱う金融商品が異なりますので、自分のニーズに合った金融商品を取り扱っているかを調べて、NISA口座を開設する金融機関を選びましょう。
【NISA口座を持っている方】
- 今年まだ「一般NISA」で買付けを行っていない場合、ご利用の金融機関に「変更届」を提出するなど所定の手続きを行うことで、今年中に「つみたてNISA」を利用することができます。「一般NISA」の金融機関とは別の金融機関で「つみたてNISA」をはじめることも可能です。
- なお、「一般NISA」で既に商品を保有している場合、その商品を売却する必要はありません。最長5年間はそのまま非課税で保有可能で、売却益も非課税です。
詳しくは下記をご覧ください。
平成26年(2014年)から開始された「一般NISA」は、既に開設口座数が1100万を超えています。ただ、一度も買い付けが行われていない口座が相当数を占めています。
「一般NISA」口座を開設したものの活用しきれていない人も、積立ての感覚で少額から始められる「つみたてNISA」をきっかけに、将来の資産づくりを始めてみませんか。
(取材協力 金融庁 文責 政府広報オンライン)
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