平成30年(2018年)8月17日
医療機関ウェブサイトの
「大げさ」な表現にご注意を。

病院や診療所などの医療機関について調べる際、インターネット上の情報を参考にすることはありませんか?しかし、美容医療サービスを中心に、ウェブサイトの情報と実際のサービスの内容や対応が違うなどのトラブルが問題になっています。こうしたトラブルを防ぐため、従来から規制されていたテレビCMやチラシ、インターネット上のバナー広告等に加え、医療機関のウェブサイトも広告規制の対象となり、いわゆるビフォーアフターの写真の禁止など使用できる表現も厳しくなりました。どのような表現が禁止されているのかを知って、トラブルに巻き込まれないようにしましょう。
1.どうして医療機関のウェブサイトが規制対象になったの?
ウェブサイト上の不適切な情報を防ぎ、適切な情報提供を行うため
医療機関について調べる際にインターネットの情報を参考にすることはありませんか?
医療機関のウェブサイトは、所在地や診療科、診療時間の情報だけでなく、医療サービスの内容について詳しく知るための重要な情報源となっています。
しかし、昨今、美容医療(※1)などの自由診療(※2)を中心に、「ウェブサイトに掲載されていた料金を見て受診したら、カウンセリングの結果、より高額な費用がかかると言われた」「ウェブサイトの術前・術後の写真を見て、自分も痩せると思い契約したが効果がない」などのようなトラブルが問題になっています。
全国の消費生活センターなどに寄せられた美容医療サービスに関する相談を見ると、インターネット上の広告をきっかけとしたトラブルの占める割合が上昇傾向にあります。
※1 美容医療:美容を目的とした次のような医療サービス。
二重まぶた、レーザー脱毛、豊胸、脂肪吸引、などの「美容整形」、歯を白くするホワイトニングなどの「審美歯科」 など
※2 自由診療:保険適用外のため、費用全額が自己負担となる診療のこと。
こうした状況を踏まえ、適切な情報提供がされるよう法令が改正され、平成30年6月より、従来から規制されていたテレビCMやチラシ、インターネット上のバナー広告等に加え、医療機関のウェブサイト上の不適切な表現などが規制されるようになりました。また、治療の内容や効果について利用者を誤解させるようなビフォーアフターの写真や、治療の効果などについての体験談を掲載することが禁止されることとなりました。
具体的にどのような表現が禁止されるのか、次章で詳しくご紹介します。
2.どんな情報・表現が禁止されているの?
虚偽の内容や消費者を惑わせる広告は禁止
医療機関が事実と異なる情報を利用者に提供した場合、利用者は適切な受診の機会を失ったり、不適切な医療を受けてしまったりするおそれがあります。このため、虚偽広告、比較優良広告、誇大広告などは従来から禁止されてきました。
これらに加え、「患者による体験談」や「治療・手術などの前後の写真(いわゆるビフォーアフター)」なども、消費者を誤認させ、医療の適切な選択を阻害するおそれがあるため、広告してはいけないことになりました。
具体的には、次のような情報や表現を伴う広告が禁止されています。
広告禁止事項
禁止される広告 | 例 | |
---|---|---|
(1) | 内容が虚偽にわたる広告(虚偽広告) | 「絶対安全な手術です」「○%の満足度」 加工・修正した術前術後の写真などを掲載すること |
(2) | 他の医療機関より優れている旨の広告(比較優良広告) | 「日本一」、「No.1」、「最高」 「肝臓がんの治療では日本有数の実績」 「著名人○○も医師を推薦」 |
(3) | 事実を不当に誇張して表現したり、人を誤認させたりする誇大な広告(誇大広告) | 「こんな症状が出ていれば命に関わりますので、今すぐ受診ください」 撮影条件や被写体の状態を変えるなどして手術や処置等の効果又は有効性を強調した写真 |
(4) | 公序良俗に反する内容の広告 | わいせつもしくは残虐な図画や映像、差別を助長する表現など、公序良俗に反する内容の広告 |
(5) | 患者等の主観に基づく、治療の内容または効果に関する体験談 | 治療などの内容や効果についての患者自身の体験談や家族などからの伝聞に基づく主観的な体験談 |
(6) | 治療の内容または効果について、患者を誤認させるおそれがある治療等の前後の写真等 | 術前または術後の写真やイラストのみを示し、説明が不十分なもの |
(7) | 医療や医療機関の品位を損ねる内容の広告、他の法令に反する広告 | 費用を強調した広告 →「今なら〇円でキャンペーン実施中」 提供される医療と直接関係のない情報 →「無料相談された方全員に○○をプレゼント」 |
3.不適切な表示や表現を見かけたら?
医療機関ネットパトロールに通報を
医療機関のウェブサイト上での虚偽広告や誇大広告など不適切な情報をなくし、利用者にとって適切な情報提供が行われるよう、厚生労働省では医療機関のウェブサイトの監視体制を強化しています。
医療機関のウェブサイトで「これは大げさではないか」「うその情報を載せているのではないか」など、疑わしい情報提供を見かけたときは、「医療機関ネットパトロール相談室」に、メールで情報をお寄せください。
(取材協力:厚生労働省 文責:政府広報オンライン)
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