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平成29年6月26日

不当な勧誘や契約条項などによる消費者トラブルに遭ったら
「消費者団体訴訟制度」の活用を!

不当な勧誘や契約条項などによる消費者トラブルが後を絶ちません。こうした消費者トラブルの未然防止・拡大防止及び被害回復を図る制度があることをご存じでしょうか。
その制度が「消費者団体訴訟制度」です。そこで、今回はこの「消費者団体訴訟制度」の内容や具体的事例について分かりやすくご紹介します。

1.「消費者団体訴訟制度」とは?

「差止請求」と「被害回復」の2つの制度

「消費者団体訴訟制度」とは、内閣総理大臣が認定した消費者団体が、消費者に代わって事業者に対して訴訟などをすることができる制度をいいます。

民事訴訟の原則的な考え方では、被害者である消費者が、加害者である事業者を訴えることになりますが、(1)消費者と事業者との間には情報の質・量・交渉力の格差があること、(2)訴訟には時間・費用・労力がかかり、少額被害の回復に見合わないこと、(3)個別のトラブルが回復されても、同種のトラブルがなくなるわけではないこと、などから、内閣総理大臣が認定した消費者団体に特別な権限を付与したものです。

具体的には、平成19年6月7日から施行されている「差止請求」と、平成28年10月1日から施行されている「被害回復」との2つの制度からなっています。

なお、不当な勧誘や契約条項などによる消費者トラブルに遭ったときは、まずは各地の消費生活センターにご相談ください。消費者ホットライン「188」でお近くの消費生活センターをご案内しています。

2.「差止請求」って?

事業者の不当な行為に対して、適格消費者団体が差止めを求めることができる制度

事業者の不当な行為に対して、内閣総理大臣が認定した適格消費者団体が、不特定多数の消費者の利益を擁護するために、差止めを求めることができる制度です。

差止請求の流れ

大まかな手続の流れは以下のとおりです。
(1)消費者からの情報提供などにより被害情報を収集・分析・調査
(2)事業者に対し、業務改善を申し入れ(裁判外の交渉)
(3)(交渉不成立の場合)事業者に対し、提訴前の書面による事前請求
(4)(交渉成立の場合)事業者による業務改善
(5)適格消費者団体による裁判所への訴え提起
(6)判決、または裁判上の和解
(7)結果の概要について、消費者庁のウェブサイトなどで公表

差止請求の対象

「消費者契約法」(※)「景品表示法」「特定商取引法」「食品表示法」に違反する不当な行為です。具体的には、「不当な勧誘」「不当な契約条項」「不当な表示」などがあります。以下にいくつかの事例を紹介します。

※:消費者契約法が改正され、下記(*1~3)の類型も差止請求の対象(平成29年6月3日施行)

(1)不当な勧誘

*1:契約の目的となるものについてではなく、生命、身体、財産その他重要な利益についての損害または危険を回避する必要性に関する事項について不実告知があった場合(例えば、真実に反して「溝が大きくすり減っていて、このまま走ると危ない、タイヤ交換が必要」と告げ、新しいタイヤを販売する。)

(2)不当な契約条項

(3)不当な表示

(4)(1)~(3)以外

差止請求の成果

例えば以下のようなものがあります。

(1)自動車販売・買取事業者のキャンセル料の割合を是正
キャンセルした時期などを一切考慮せず、一律にキャンセル料の支払いを要求する条項について差止請求訴訟を行った結果、事業者側が裁判で以下のとおり請求の全てを認めました。

(2)投資事業者の不当な勧誘を是正
事業者の不当な勧誘について差止請求訴訟を行った結果、裁判所がその請求を認める判決を出しました。

以上のような問題勧誘について、「今後、行ってはならない」という判決が事業者に対し言い渡されました。

3.「適格消費者団体」とは?

内閣総理大臣によって認定された消費者団体。全国に16団体(平成29年5月現在)

不特定多数の消費者の利益を擁護するために、差止請求権を適切に行使できる専門性などの要件を満たしたうえで、内閣総理大臣によって認定された消費者団体を「適格消費者団体」といいます。

【適格消費者団体に認定されるための主な要件】

【適格消費者団体一覧】(平成29年5月現在)

(団体名をクリックすると、その団体のウェブサイトへ飛びます。)
詳しくは、消費者庁「全国の適格消費者団体」をご覧ください。

不当な勧誘や契約条項などによる消費者トラブルに遭ったら、まずは各地の消費生活センターにご相談ください。消費者ホットライン「188」でお近くの消費生活センターをご案内しています。
また、同種の消費者トラブルの未然防止・拡大防止を図るために、これらの適格消費者団体にその情報提供をお願いします。

4.「被害回復」って?

不当な事業者に対して、特定適格消費者団体が被害の回復を求めることができる制度

不当な事業者に対して、適格消費者団体の中から内閣総理大臣が新たに認定した特定適格消費者団体が、消費者に代わって被害の集団的な回復を求めることができる制度です。

以下は不当な勧誘や契約条項により消費者トラブルに遭ったときの消費者の対応を示したものです。「相談はしたが特に行動はとらなかった」が最も多いのに対して、「弁護士・司法書士や相談機関などに交渉を依頼した」、「訴訟を提起した」は少なく、泣き寝入りする人が多いことがうかがえます。

そこで、差止請求の制度を一歩進めて、被害者である消費者の金銭的な被害の回復を図るために、新しい法律の「消費者裁判手続特例法(正式名称:消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例法)」が平成25年12月11日に公布され、被害回復の制度が平成28年10月1日から施行されています。

(出典)消費者庁「消費者被害についての意識調査」(平成23年1月実施)

【被害回復の流れ】
大まかな手続の流れは以下のとおりです。

(1)第1段階

(2)第2段階(勝訴判決や和解によって、事業者側の責任が確定した場合)

【被害回復の対象】
事業者が消費者に対して負う金銭の支払義務であって、消費者契約に関する「契約上の債務の履行の請求」「不当利得に係る請求」「契約上の債務の不履行による損害賠償の請求」「瑕疵担保責任に基づく損害賠償の請求」が対象となります。想定される事例としては、「事業者が返還すべき金銭を不当に支払わない場合」「約款等で使用されている契約条項」「物に瑕疵(かし)がある場合」「詐欺的な悪徳商法」があります。以下にいくつかの裁判となった事例を紹介します。

【被害回復の効果】
消費者は、第1段階の手続の結果を踏まえて、最終的に裁判に勝てる否かの見通しをある程度立てたうえで、第2段階の手続への加入の有無を決めることができるため、泣き寝入りの減少が見込まれます。

また、消費者が個々に訴訟を起こす場合に比べて時間・費用・労力が大幅に軽減することも期待されます。

5.「特定適格消費者団体」とは?

内閣総理大臣によって認定された適格消費者団体。全国に2団体(平成29年6月現在)

適格消費者団体になるための要件に加え、被害回復を適切に行うことができる新たな要件を満たしたうえで、内閣総理大臣によって認定された適格消費者団体を「特定適格消費者団体」といいます。

【特定適格消費者団体に認定されるための主な要件】

【特定適格消費者団体一覧】(平成29年6月現在)

(団体名をクリックすると、その団体のウェブサイトへ飛びます。)
詳しくは、消費者庁「全国の特定適格消費者団体」をご覧ください。

不当な勧誘や契約条項などによる消費者トラブルに遭ったら、まずは各地の消費生活センターにご相談ください。消費者ホットライン「188」でお近くの消費生活センターをご案内しています。
また、同種の消費者トラブルの被害回復を図るために、特定適格消費者団体にその情報提供をお願いします。

<取材協力:消費者庁/国民生活センター 文責:政府広報オンライン>

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