本文へ移動

SNS

ここから本文です

暮らしのお役立ち情報

国の政策・施策・取組の中から、私たちの暮らしに
身近な情報や役に立つ情報をまとめました。

お役立ち記事

お役立ち記事の転載・二次利用についてはこちら

民事調停とはどんな制度? 当事者同士の話合いで円満解決を図る 「訴訟」に代わる「民事調停」
どんなメリットがあるの?
民事調停を利用したいときは? どのようにトラブル解決が図られるの? 民事調停をより利用しやすくするために
  • はてなブックマークに追加
  • Yahoo!ブックマークに登録

平成26年8月29日

「お金を貸したのに返してもらえない」「交通事故に遭って賠償金を請求したいが、先方と賠償額が折り合わない」…そのようなときには、「民事調停」によって解決が図れることをご存じですか。民事調停は、売買代金の支払や金銭の貸し借り、交通事故の損害賠償など様々なトラブルについて、非公開の話合いによって解決を図る手続です。訴訟に比べて簡単で、費用が安く、より早くトラブルを解決することが可能です。

民事調停とはどんな制度?~訴訟ではなく、話合いによって円満なトラブル解決を図る裁判所の手続

金銭の貸し借り、交通事故の賠償請求、近隣関係など、当事者それぞれの言い分が異なることからトラブルになってしまうことは、決して珍しくありません。例えば、「親類にお金を貸したのだが、『借りたのではなくもらったものだ』と言って返してもらえない」「交通事故に遭って賠償金を請求したいが、先方と賠償額が折り合わない」「家を増築しようとしたら隣家から『日当たりが悪くなる』と強硬なクレームがついてもめている」といったトラブルが生じるかもしれません。そのほか、建物の明渡し、職場でのパワーハラスメントやセクシュアルハラスメント、賃金未払のトラブルなど、多種多様なトラブルがあります。

こうしたトラブルを解決するために、裁判所には、「訴訟」のほかに「調停」という手続があります。
「訴訟」は一般に「裁判」ともいわれ、裁判官が当事者双方の言い分を厳格な手続にのっとって聴き、当事者が提出する証拠を調べ、その上で法律に照らしてどちらの言い分が正しいかを「判決」という形で明らかにするものです。いわば「白黒をはっきりさせる」手続です。

もう一つの「調停」は、裁判官のほかに、一般市民から選ばれた調停委員(2人以上)で構成された「調停委員会」が、当事者双方の言い分を聴いて歩み寄りを促し、場合によっては解決案を提示するなどして、当事者の合意によってトラブルの解決を図ります。

どちらも、裁判所で行われる手続ですが、調停は、訴訟よりも手続が簡易で、解決までの時間が比較的短くて済むという利点があります。また、当事者同士の合意を基本とすることから、当事者にとって円満な解決が期待できます。訴訟にはせず、できれば話合いで円満に解決したいという場合には、この調停という手続を利用してみてはいかがでしょうか。

なお、調停には、「民事調停」と「家事調停」があります。家事調停は、離婚、扶養、遺産分割のような、夫婦や親族の間の問題を取り扱うもので、家庭裁判所で行われます。

ここでは、より一般的なトラブルを扱う、民事調停について説明します。

平成24年に裁判所が新たに受け付けた民事・行政事件の総数170万7,568件のうち、訴訟は65万9,080件ありますが、民事調停は5万5,862件となっています。

民事調停では、下記のような様々なトラブルを取り扱っています。

<民事調停が取り扱う主なトラブル>

  • 貸金、立替金などの問題
  • 給料、報酬などの問題
  • 家賃、地代の不払などの問題
  • 敷金、保証金の返還などの問題
  • 土地、建物の登記などの問題
  • クレジット・ローン問題
  • 売買代金などの問題
  • 請負代金、修理代金などの問題
  • 家賃、地代の改定などの問題
  • 建物、部屋の明渡しなどの問題
  • 損害賠償(交通事故ほか)などの問題

※離婚や相続などの家庭内の問題については、「家事調停」で取り扱います。

 

グラフ:「民事調停」の種類別割合

※1:特定:民事調停の特例。個人・法人を問わず借金の返済が困難な人が、返済方法などを債権者と話し合い、生活や事業の立て直しを図るための調停。
※2:宅地建物:宅地や建物の貸借や利用に関する調停。
※3:農事:農地や農業経営に付随する土地・建物等の貸借や利用に関する調停。

以下に、民事調停のメリットや利用の仕方について説明します。

ページの先頭に戻る

どんなメリットがあるの?~訴訟よりも手続が簡易、費用は低額。合意内容は判決と同じ効力

民事調停のメリット

(1)手続が簡易
民事調停の申立てをするときは、簡易裁判所の窓口に備え付けてある申立書に必要事項を記入して、提出するだけです。終了までの手続も簡易なため、弁護士などの助けがなくても、自分一人で手続をすることができます。

(2)円満な解決ができる
法律に照らして「判決」という形でどちらの言い分が正しいか、白黒をはっきりさせる訴訟とは異なり、調停は、当事者の合意を基本としているため、円満な解決を図ることができます。

(3)費用が安い
裁判所に納める手数料は、トラブルの対象の額に応じて決まりますが、訴訟に比べて少なくて済みます。

(4)プライバシーが守られる
民事調停は非公開で行われるため、他人に知られたくないことも安心して話すことができます。調停委員も守秘義務があるため、秘密が守られます(訴訟については、原則として誰でも法廷で傍聴することができ、民事訴訟では口頭弁論や判決の手続が公開されています)。

(5)早く解決できる
ポイントを絞って話合いをするため、解決までの時間が訴訟に比べて比較的短くて済みます。通常、調停が成立するまでには2、3回の調停期日(当事者同士が話合いを行う日)が開催され、多くは3か月以内で解決しています。

(6)判決と同じ効力
民事調停で両当事者が合意した内容は「調停調書」にまとめられ、判決と同じ効力を持ち、原則として後から不服を唱えることはできません。調停調書の内容が実行されない場合、強制執行を申し立てることができます。
民事調停は、非公開の話合いによって円満な解決を図る「ADR(裁判外紛争解決手続)」の一つで、ADRの中でも裁判所が行う民事調停は、合意内容が判決と同様の効力をもつという、ほかのADRにはないメリットがあります。
ADRは、トラブルを、公正中立な第三者が間に入って、当事者双方の言い分をじっくり聴きながら、柔軟な和解解決を図るもので、裁判所が行うもの(民事調停、家事調停)のほかに、行政機関(公害等調整委員会など)や日本弁護士連合会などの民間機関が行うものがあります。

ページの先頭に戻る

民事調停を利用したいときは?~相手方の住所がある地域を管轄する簡易裁判所に申し立てます

民事調停は通常、簡易裁判所で行われます。調停を申し立てたいときは、原則として、相手方の住所がある区域を管轄する簡易裁判所に、申し立てる必要があります。

申立ての流れ

(1)簡易裁判所に相談する
まずは、簡易裁判所の受付窓口に相談し、調停手続の概要や申立ての方法などについて詳しく説明を受けましょう。

・最寄りの簡易裁判所はこちらで検索
裁判所「裁判所の管轄区域」

(2)申立書に記入する
申立ては、簡易裁判所の受付窓口に備え付けられている申立書に必要事項を記入して提出して行います。申立書はトラブルごとに、何種類かの定型が用意されており、貸金調停の場合、申立人の氏名、住所、電話番号のほか、相手方の住所、氏名、電話番号、相手に支払を求める額、返済状況や貸金の残額、調停申立ての理由などを記入し、押印の上、提出します。

「貸金調停」「売買代金調停」「交通調停」「給料支払調停」「賃料等調停」「建物明渡調停」の申立書は裁判所のウェブサイトからもダウンロードできます。

・主な申立書はこちらでダウンロード
裁判所「民事調停で使う書式」

(3)申立手数料と郵便切手を支払う
申立ての際には、申立手数料と関係者に書類を送るために使う郵便切手が必要です。
申立手数料は、トラブルの対象の額が10万円までは500円、30万円の場合は、1,500円、100万円では5,000円などとなっています。

・申立手数料はこちらで確認
裁判所「手数料」

※なお、調停の申立てをしても相手方が調停に応じなかったり、調停を行っても結果的に不成立になったりすることがあります。

ページの先頭に戻る

どのようにトラブル解決が図られるの?~調停委員会が当事者双方の言い分を十分に聴き、解決案を提示します

申立てを行った後、民事調停は、下の図のような流れで進みます。

調停手続の流れ

(1)調停委員の指定(調停委員会の構成)
裁判所では、裁判官1人と調停委員2人以上(通常は2人)からなる「調停委員会」を構成します。
調停委員は、最高裁判所が任命した方々で、地域の一般市民から、豊富な社会経験や人生経験をもつ良識豊かな人や、専門的な知識経験を備えた人を迎えています。現在、弁護士や医師、建築士、不動産鑑定士、公認会計士、税理士、大学教授、会社役員・会社員など、様々な分野の方々が調停委員に任命されています。

民事調停では、法律の専門家である裁判官と、一般市民としての幅広い知識経験・良識をもつ調停委員が協力し、法律的な評価をもとにしながらも、法律のみにとらわれず、社会の良識にかなった解決を図ります。また、建築や医療といった専門分野に関するトラブルの場合は、そうした専門家が調停委員となり、適切に対応します。

(2)調停期日の決定・当事者の呼び出し
調停委員会が構成されると、「調停期日(当事者同士の話合いを行う日)」が決められ、調停の申立人と相手方が裁判所に呼び出されます。

(3)調停期日の概要
調停の手続は、訴訟と異なり、法廷ではなく、裁判所内の調停室で行われます。傍聴人などに公開されることはありません。
調停の話合いでは、調停委員会が当事者双方の言い分を十分に聴き、双方の歩み寄りを促したり、調停委員会が妥当と考える解決案を提示したりして、合意に導くように調整を試みます。

話合いは、裁判官と調停委員、申立人、相手方で行います。当事者同士が顔を合わせたくない場合は、別々の部屋に待機してもらい、交互に調停室に入ってもらって話合いを進めます。
通常は、1件の事案について、2~3回の調停期日が行われます。

(4)調停の成立
・合意できた場合
話合いによって当事者双方が合意に達した場合は、調停が成立し、合意内容が調停調書に記載されます。この調停調書は判決と同じ効力を持つとされており、もし、調停調書に記載された内容を相手方が履行しないようなことがあれば、強制執行することができます。

・合意できなかった場合
民事調停では、お互いの意見が折り合わず、それ以上話し合っても解決する見込みがない場合には、手続を打ち切ります(調停不成立)。ただし、すべてが「不成立」になるわけではなく、それまでの経過に照らして相当と認められる事案については、裁判所の判断を決定(「調停に代わる決定」といいます)という形で示すことがあります。その決定について双方が納得すれば、調停が成立したのと同じ効果があります。ただし、どちらかが2週間以内に異議申立てを行うと、効果はなくなります。「調停に代わる決定」について異議申立てがあった場合、あるいは調停が不成立になった場合には、改めて訴訟を起こすこともできます。

ページの先頭に戻る

民事調停をより利用しやすくするために

民事調停は、大正11年(1922年)に施行された借地借家調停法を起源としており、時代に応じて改正・整備が重ねられ、平成24年に制度施行90周年を迎えました。そして、現在、裁判所では、民事調停をより一層利用しやすい手続にするための取組をしています。

具体的には、適切な事案について、裁判所が解決案を作り、これを適宜示すなどして、積極的に当事者間の調整を行い、合意に至らなかった場合にも、裁判所の解決案を決定という形で示し、最終的に円満な解決を図るよう努めています。

また、当事者の合意形成のために適切な解決案を提示できるよう、各地方裁判所では、調停委員を対象に、さまざまな研修や事例研究、さらには模擬調停などを実施して、調停委員の知識と調停スキルのさらなる向上を図っています。

その他にも、裁判所ウェブサイトや各種リーフレットなどを通じて、調停について情報発信に力を入れています。訴訟と調停の違い、調停の種類、調停の流れ、そして調停についてのQ&Aなどが、裁判所ウェブサイトにわかりやすく説明されています。

民事調停について、さらに詳しく知りたい方は、裁判所ウェブサイトの「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」をご覧ください。

ページの先頭に戻る

<取材協力:最高裁判所  文責:政府広報オンライン>

みなさまのご意見をお聞かせください。

みなさまのご意見をお聞かせください。(政府広報オンライン特集・お役立ち記事)

Q1.この記事はわかりやすかった(理解しやすかった)ですか?
(50文字以内)
Q2.この記事は役に立つ情報だと思いましたか?
(50文字以内)
Q3.この記事で取り上げたテーマについて関心が深まりましたか?
(50文字以内)

カテゴリで探す

府省別で探す

このような方へ

もしものとき

アクセスランキング

お役立ち度ランキング

人気検索キーワード