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平成28年5月19日
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より公正に、より使いやすくなりました。 「行政不服審査制度」をご利用ください

国や地方公共団体に対して「認可を申請したが認められず納得できない」といった場合に、見直しを求めることができる「行政不服審査制度」が、約50年ぶりに法改正され、公正性や使いやすさの向上が図られました。平成28年(2016年)4月からスタートした、新しい行政不服審査制度についてご紹介します。

INDEX

1.「行政不服審査制度」とは?

~国や地方公共団体による「処分」に対して、不服申立てができる制度

税や社会保障に関する決定や認定、個人や企業に対する営業の許認可など、国や地方公共団体は、法律に基づく「処分」(※)という形で多くの行政事務を行っています。
例えば、国や都道府県が店舗などを開業するために営業の「許可」を行うことや、市区町村が介護保険の申請に応じて要支援の「認定」をすること、国税や地方税などの納税額を「決定」することなども処分に含まれます。このように、暮らしに身近な様々な場面で、国や地方公共団体による「処分」が行われています。

※ここでいう「処分」とは、法令に基づいて行政に認められた権限(公権力)を、国や地方公共団体が、国民や住民などに対して行使することをいいます。営業許可などの許認可やその取消し、改善命令など特定の作為・不作為を命ずる命令などのほか、人や物を強制的に収容・留置する行為なども含まれます。

これらの処分はどれも法令に基づいて行われますが、ときには「行われた処分に納得できない」といった場合があります。
例えば、法律に従って出した許可申請が拒否された場合や、申請どおりの認定が受けられなかった場合、また、申請したのにいつまで経っても許可・拒否どちらの判断もされない場合(不作為)などは、行政の対応に納得がいかないことがあるかもしれません。あるいは、自宅のそばに廃棄物処理施設の設置が許可されたが、そのために健康への被害や住環境の悪化が予想されるので不服だ、といったような場合もあるでしょう。

こうした、国や地方公共団体による処分(不作為を含む)に対して不服があるときに、不服申立てをすることができるのが「行政不服審査制度」です。

処分に対して不服がある場合には、裁判に訴える(行政訴訟)という方法もありますが、手続もより複雑で、裁判所へ足を運ばなければならないといったことがあります。一方、行政不服審査制度では、不服申立ては書面で行うことができ、おおむね裁判よりも短い期間で結論を得ることができます。手続に費用もかかりません。

この行政不服審査制度について定めた行政不服審査法は、昭和37年(1962年)に制定されました。その後、約50年を経て、国民の権利利益に関する意識や関連制度を取り巻く環境の変化に対応するため、平成26年(2014年)に改正されました。主な改正点は、(1)公正性の向上、(2)使いやすさの向上、(3)国民の救済手段の充実・拡大、の3つで、平成28年(2016年)4月から施行されています。この記事では、新しい行政不服審査制度についてご紹介します。

不服申立ての利用状況

平成26年度(2014年度)の行政不服審査法に基づく不服申立て件数は、国に対するものと地方公共団体に対するものを合計して10万件を超えています。

参考)総務省「平成26年度における行政不服審査法等の施行状況に関する調査結果」
国における状況[PDF]
地方公共団体における状況[PDF]

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2.不服申立てができるのは?

~処分を受けた人や処分で権利利益を侵害される人など

不服申立てをすることができる人や期間は次のような場合です。

【不服申立てをすることができる人は】
・処分を受けた人
・申請に対する処分が行われない不作為の場合は、申請を行った人
・第三者に対する処分によって、権利利益の侵害を受ける(おそれのある)人

【不服申立てをすることができる期間は】
・原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内
※処分があった日の翌日から起算して1年を経過したときは、その後に処分があったことを知った場合でも、原則として不服申立てをすることができません。

具体的にどのような場合に不服申立てができるか、次にモデルケースをご紹介します(実例ではありません。)

【モデルケース1】飲食店の営業許可の要件を満たしているはずなのに許可されない

飲食店の営業許可を申請したところ、許可の要件を満たしたつもりなのに不許可となった。
→飲食店の営業許可は保健所長等が行います。これについて不服があるときは保健所を設置する都道府県の知事等に対して審査請求をすることができます。

【モデルケース2】確定申告した額が、請求に正確に反映されていない

市民税・県民税の特別徴収(給与天引き)の徴収額の決定を受けたが、確定申告した額が正確に反映されていない。
→個人の市民税・県民税の賦課徴収は市長が行います。特別徴収の決定に不服がある場合には市長に対して審査請求をすることができます。なお、国税に関する処分について不服がある場合は、税務署長に対する再調査の請求か、国税不服審判所に対する審査請求のいずれかをすることができます。

【モデルケース3】産業廃棄物処理施設の設置許可を取り消してほしい

自宅の近隣に産業廃棄物の処理施設が建つことになったが、施設から出されるであろう有害なガスや排水、悪臭などが住環境を悪化させる可能性がある。施設の設置許可を取り消してほしい。
→産業廃棄物処理施設等の設置許可を行うのは都道府県知事(政令指定都市・中核市などの場合は市長)です。法律が定める設置許可の要件を満たしていない、健康や生活環境に著しい被害を受けるなどの場合は、環境大臣(市長がした処分の場合は都道府県知事)に対して審査請求をすることができます。

【モデルケース4】建設予定のビルによって自宅の生活環境が悪影響を受ける

自宅の近隣に新しいビルが建つことになったが、完成すれば自宅の日照がさえぎられ、生活環境に著しい悪影響を受ける。見直してほしい。
→建築確認は、都道府県または市町村に置かれる建築主事、または指定確認検査機関が行います。建設予定の建物が違法である、生活環境に著しい悪影響を受けるなど不服がある場合は、都道府県または市町村に置かれる建築審査会に対して審査請求をすることができます。

◎「処分」を受けた際は、不服申立てについて必ずご確認を!
処分を行う行政庁は、処分相手に対する「教示義務」があるので、「処分」を行う際には、不服申立ての方法や申立先、期限などの説明(教示)をすることになっています。なお、処分が書面でなされる場合には、説明は、「処分」に関する文書に例えば次のように示されます。
「この処分に不服がある場合は、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、○○に対して審査請求をすることができます。」
何らかの処分を受けた場合などは、こうした記載を必ず確認するようにしましょう。

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3.不服申立ての手続の流れは?

~「審査請求」に始まり、審理員が審理を行い、第三者機関がチェックする

新しい行政不服審査制度では、処分を行った国や地方公共団体の機関(「処分庁」といいます。)の最上級行政庁(※)を申立先(「審査庁」といいます。)とした「審査請求」が原則になっています。
※上級行政庁がない場合には処分庁となります。また、法律でその他の機関が申立先とされている場合もあります。

次に審査請求の手続の流れをご説明します。

(1)審査請求
審査請求人の氏名・住所、審査請求の対象となる処分の内容、審査請求の趣旨・理由などを記載した「審査請求書」を作成し、期限内に審査を行う行政機関(審査庁)宛てに提出します。

(2)形式審査
審査庁は、審査請求書に必要な記載事項が記されているかどうかなどを審査し、不備がある場合には補正などの手続をとります。

(3)審理員の指名
審査庁が、審査庁の職員から個別の審理を行う「審理員」を指名します。審理員は、審査対象となっている処分に関係していない者が指名されます。
なお、委員会や審議会が審査庁である場合など、審理員が指名されない場合もあります。

(4)審理手続
審理員が行います。それに際し、必要に応じて、審査請求人、処分庁から、それぞれの主張や証拠などの提出を求めることがあります。また、審査請求人は、自ら証拠を提出したり、申立てをすることで口頭で意見を述べたりすることができます。

(5)審理員意見書
審理手続の結果を踏まえた審理員の意見を審査庁に提出します。

(6)諮問・答申
審査庁は、審理員の意見を踏まえ第三者機関(※)に諮問します。第三者機関は、第三者の立場から審査庁の判断の妥当性をチェックし、その結果を答申します。
※国の機関が審査庁である場合は、総務省の行政不服審査会、地方の場合には、各地方公共団体の執行機関の付属機関になります。なお、他の審議会等に諮問される場合など、第三者機関への諮問がされない場合もあります。

(7)裁決
審査庁は、第三者機関の答申を踏まえて、審査請求の裁決を行います。
裁決には次の3つがあります。
・却下
→ 審査請求の要件を満たしていないなど適法でない場合
・棄却
→ 審査請求に理由がない場合(行政庁の処分に違法または不当な点がない場合)
・認容
→審査請求に理由がある場合(行政庁の処分に違法または不当な点がある場合)

行政庁の処分が違法または不当であっても、その処分を取消しまたは撤廃すると公共の利益が著しく損なわれる場合があります。その場合、審査庁は「棄却」することができますが、裁決の主文で、対象となった処分が違法または不当であることを宣言しなければなりません。

審査請求人は、裁決の内容に不服がある場合は、裁判に訴えることができます。また、特に法律で定められた場合には、特定の行政庁に対して、再審査請求をすることもできます。

旧制度と新制度の主な違い~従来の行政不服審査制度をご存じの方へ

従来の行政不服審査制度と、平成28年(2016年)4月から施行されている新しい制度の主な違いは次のようになります。

・不服申立ての手続を、原則として「審査請求」に一本化
旧制度では、「処分」を行った行政庁(処分庁)に対する「異議申立て」と、処分庁の上級行政庁(原則)に対する「審査請求」の二本立てとなっていました。

・例外として、「審査請求」の前に「再調査の請求」ができる場合も、直接「審査請求」が可能に。
特に法律で定められた場合には、「審査請求」の前に、処分を行った行政庁(処分庁)に対して「再調査の請求」をすることができますが、この場合も、旧制度における「異議申立て」とは異なり、「再調査の請求」をせずに直接「審査請求」をすることもできるようになりました。

・「審査請求」ができる期間を、「60日以内」から「3月以内」に延長

・第三者機関の設置
行政不服審査会等の諮問機関が設けられ、審査庁の裁決の判断をチェックすることになりました。

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<取材協力:総務省 文責:政府広報オンライン>

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