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平成29年6月29日

すべての子どもが健やかに育つ環境を
特別養子縁組制度をご存じですか?

親がいない、親から虐待されている、などの事情により、実の親による養育が難しい子どもたちがいます。そうした子どもたちを、実の親に代わって社会が守り育てる仕組みについて、特別養子縁組制度を中心にご紹介します。

1.親に守られない子どもたちがいます

親との死別や両親の離婚、親の疾病、虐待など、様々な事情を抱える子どもたち

全ての子どもは、適切に養育される権利、生活を保障される権利、愛され・保護される権利、そして心身の健やかな成長・発達と自立が図られることを保障される権利を持つ、とされています(児童福祉法第1条)。
しかし、実際には、様々な事情のために、こうした権利を実現できていない子どもがいます。

例えば、親の死亡や行方不明、両親の離婚や不和、親の長期入院や精神疾患、破産などの経済的問題、そして親から虐待を受けている場合などです(下表)。

児童養護施設に入所した理由

児童の措置理由 人数 割合
父母(※1)の死亡 663人 2.2%
父母の行方不明 1,279人 4.3%
父母の離婚 872人 2.9%
父母の不和 233人 0.8%
父母の拘禁 1,456人 4.9%
父母の入院 1,304人 4.3%
父母の就労 1,730人 5.8%
父母の精神疾患等 3,697人 12.3%
虐待
(放任・怠惰、虐待・酷使、棄児、養育拒否)
11,377人 37.9%
破産等の経済的理由 1,762人 5.9%
児童問題による監護困難 1,130人 3.8%
その他・不詳 4,476人 14.9%
合計 29,979人 100.0%

※1..表中の「父母」は、父母の両方またはどちらか一方である場合を指します。
資料:厚生労働省「児童養護施設入所児童等調査(平成25年2月)」[PDF]

こうした、親から適切な保護を受けられない子どもを、親に代わって公的責任で養育することを「社会的養護」といいます。社会的養護は、養子縁組制度・里親制度を通じた家庭や、乳児院や児童養護施設といった各種施設により行われています。

社会的養護は、養子縁組制度や里親制度などの「家庭と同様の養育環境」において養育されることが原則とされています。
また、それが困難または適当でない場合は乳児院や児童養護施設などの各種施設で養育されることになりますが、その場合も、できる限り良好な家庭的環境で養育することが求められます。

現在、里親(ファミリーホームを含む)には約6,200人の子どもが委託されており、各種施設には約3万9,000人の子どもが入所しています(※2)。
一方、特別養子縁組制度は、年々成立件数が増えていますが、平成27年(2015)年は542件にとどまっています。
次章からは、里親制度や養子縁組制度の概要をご紹介します。

※2.厚生労働省「社会的養護の推進に向けて[PDF]」p.1をもとに作成。
※3.同上 P87

2.普通養子縁組と特別養子縁組とは?

特別養子縁組では、戸籍の続柄が「養子」でなく、実子と同様の記載になる。

養子縁組制度は戸籍の変更を伴うもので、「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類があります。
大きな違いは戸籍の表記にあります。普通養子縁組では養子の続柄は「養子(養女)」などと記載されますが、特別養子縁組では養子の続柄は「長男(長女)」などと記載されます。
詳細は次のようになります。

普通養子縁組は、養い親(養親)と養子の双方に制限が少なく、養子が成年の場合は養親と養子の同意によって成立します。養子が未成年の場合は、「養子縁組許可」を求める審判を家庭裁判所に申し立てることが必要です。家庭裁判所では、子どもの年齢や子どもが置かれている状況などを総合的に判断し、養子縁組を許可するかどうか判断します。
普通養子縁組では、養子になっても実父母との親族関係は残り、戸籍に実親の名前が記載され、養親と養子の続柄は「養子(または養女)」と記されます。

一方、特別養子縁組には、養親は原則25歳以上で配偶者があること、養子は原則6歳未満であること、縁組が成立する前に「6か月以上の監護期間(同居して養育する期間)を考慮」する、といった要件があります。
また、特別養子縁組では、養子になると実父母との親族関係は終了します。戸籍に実親の名前が記載されることはなく、養親と養子の続柄は「長男」「長女」などのように実子の場合と同様に記載されます。
特別養子縁組をする場合は、養親(希望者)から家庭裁判所に申し立てる必要があります。

  特別養子縁組 普通養子縁組
要件 養親:原則25歳以上(夫婦の一方が25歳以上であれば一方は20歳以上で可)
養子:原則6歳に達していない者
養親:成年に達した者
養子:尊属または養親より年長でない者
縁組の成立 養親の請求に対し、家庭裁判所の決定により成立 養親と養子(養子が15歳未満の場合は法定代理人)の同意により成立
(養子が未成年の場合は家庭裁判所の許可が必要)
実父母との親族関係 実父母との親族関係は終了 実父母との親族関係は終了しない
監護期間 6か月以上の監護(※)期間を考慮して縁組 特段の設定はない
戸籍の表記 実親の名前が記載されず、養子の続柄は「長男(長女)」などと記載 実親の名前が記載され,養子の続柄は「養子(養女)」と記載
  ※監護:同居して養育すること

3.特別養子縁組の流れ

児童相談所の紹介等を受け、交流、養育を経て、家裁の審判を受けて成立へ。

児童相談所を通して特別養子縁組を結ぶ場合の手続きは、一般的に次のような流れになります。

(1)児童相談所で養子縁組里親に登録
児童相談所に相談し、研修・調査を経て、「養子縁組里親」に登録されます。


(2)養子縁組里親として子どもを養育
児童相談所が子どもを紹介。3~4か月程度の交流期間を経て、児童相談所が里親の意思や子どもの状況などを総合的に判断して、養育の委託の可否を決定します。
委託から6か月程度養育を行います。


(3)特別養子縁組の手続

  • 家庭裁判所への申立て
    養親となる人が居住地を管轄する家庭裁判所で、「特別養子縁組成立」の申立てを行います。
    申立てには、申立書のほか、養親となる人・養子・実父母の戸籍謄本などの書類が必要です。
    申立て方法の詳細はこちらから。

  • 家庭裁判所での調査
    家庭裁判所の調査官が、養親となる人と実父母の双方から聴き取りをしたり、家庭訪問をしたりして、実父母の同意や、養親となる人の家庭環境などの調査を行います。

  • 特別養子縁組の審判確定
    裁判官によって特別養子縁組の審判が確定します。

特別養子縁組によって親(養親)になりたい、あるいは里親になりたい、と希望される場合は、お住まいの地域の児童相談所にご相談ください。

○全国児童相談所一覧
パソコン版:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv30/zisouichiran.html
モバイル版:http://mobile.mhlw.go.jp/jidousoudan/index.html

また、児童相談所全国共通ダイヤルに電話すれば、最寄りの児童相談所が案内されます。

○児童相談所全国共通ダイヤル

4.里親制度との違い

健やかな育ちの場を求める子どもたちのための制度

里親制度は、子どもに「家庭と同様の養育環境」を提供するため、児童相談所が社会的養護が必要であると認めた子ども(要保護児童)の養育を里親に委託する制度です。

特別養子縁組は、子どもとの間に親子関係(戸籍を変更)を築き、永続的に養育していく制度ですが、里親は、基本的には実親が子どもを養護できるようになるまでの間や、自立に近い年齢の子どもが自立するまでの間など、一定期間の養育を前提としています。そのため子どもの戸籍を変更することはありません。

里親になるには、同居する家族の同意のうえ最寄りの児童相談所に申し込み、里親制度などに関する研修を受け、都道府県等の里親名簿に登録されることが必要です。その後、児童相談所の求めに応じて子どもを受け入れて養育することになります。

子どもを養育する間、里親には、里親手当や子どもの生活費・学校教育費・医療費などが支給されます。

詳しくは厚生労働省「里親制度等について」をご覧ください。

囲み記事

改正児童福祉法が施行されました

児童福祉法が平成28年に改正、平成29年4月から本格施行されています。主な改正点は、次の点が明確化されたことです。

  • 児童を家庭で養育することが困難であったり適当でなかったりする場合、児童が「家庭における養育環境」と同様の養育環境において継続的に養育されるよう、国や地方自治体は必要な措置を講ずること。
  • 里親支援が児童相談所の業務として位置付けられた。
  • 養子縁組を前提とした養子縁組里親が位置付けられた。
  • 養子縁組里親を対象とした研修が義務化された。

<取材協力:厚生労働省 文責:政府広報オンライン>

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