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Highlighting JAPAN

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特集震災復興

桜で人々の心も晴れやかに(仮訳)

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岩手県内陸部の北上市にある市立公園「展勝地」は、1921年に開園した。岩手県は今回の東日本大震災で最も被害を受けた県の一つである。現在、春になると293haの敷地に約1万本の桜が咲き誇り、青森県の弘前公園、秋田県の角館と並び、東北地方を代表する桜の名所の一つとなっている。

4月15日から5月5日まで、桜の開花を祝う祭り「がんばろう岩手!北上展勝地の桜」が開催された。内陸部は、東日本大震災による被害は少なかった。この公園でも被害はなく、開園から90周年を迎える今年も、例年通り4月中旬頃から桜が咲き始め、4月末には満開となった。北上川沿いに並ぶ約 2kmの桜並木の中を歩くと、まさしく桜のトンネルの中にいるようだ。桜並木の中では、観光馬車がゆっくりと走っている。

「北上展勝地の桜」を主催する北上観光協会の担当者は「大震災の直後でしたが、被災地を元気づけたいという気持ちから開催を決定しました。来場者は約14万人と例年に比べ4分の1程度の人出でしたが、地元市民も来場者も開催を喜んでくださいました。また、北上市では、桜を見て被災者に少しでも気分転換をしてほしいと考え、バスをチャーターして、岩手県の沿岸部に住む被災者を展勝地へ招待しました」と述べた。

妻、娘二人、両親と、北上から車で1時間半ほど離れた岩手県和賀郡から訪れた30代男性は「震災の被害は、自宅の土台にひびが入った程度で済みました。ただ、被災した親戚もおり、物資などを送って元気付けています。来年は親戚を北上に呼んでこの桜を見せてあげたいです」と話した。

4月29日には、展勝地において、震災で亡くなった人を供養するために鬼剣舞が行われた。鬼剣舞は、1300年以上の歴史があると言われる北上の伝統的な踊りだ。踊り手は、鬼の面を付け、刀を手に持ち、太鼓と鉦のリズムと笛の音色に合わせて、体を上下左右にゆらしながら、ダイナミックに踊る。29日は、約180名の踊り手が参加、舞の後、踊り手は募金箱を持ち、観光客に募金を呼びかけた。

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