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野田内閣発足(仮訳)

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2011年8月30日、衆参両院にて首相指名投票が行われ、辞職する菅直人総理の内閣で財務大臣を務めた野田佳彦衆議員が、1885年に初代首相に就任した伊藤博文以来、第95代目(62人目)の内閣総理大臣として指名された。そして、9月2日、野田総理は新しい内閣を発足させた。正式組閣後、首相官邸で野田総理は記者会見を行い、新しい内閣の方針について説明した。

記者会見で野田総理は「東日本大震災の復旧・復興の作業を加速化させていくということが、私どもの最大の使命」と表明した。

さらに、野田総理は「何よりも最優先で取り組まなければいけない課題は、原発事故の一日も早い収束でございます。福島原発の炉の安定を確実に実現をしていくということと、原発周辺地域における放射性物質の除染が大きな課題でございます。(中略)福島の再生なくして日本の再生はございません。この再生を通じて日本を元気にするとともに、国際社会における改めて信頼を図るという意味からも、全力で取り組んでいきたいと考えております」と強調した。

また、経済対策について野田総理は「私は、産業空洞化の回避、エネルギー制約の中での経済の立て直し、加えて震災の前からの危機、財政の危機にしっかりと対応することによって、国家自体の信用危機に陥るということのないように、すべての危機に対応策を講じていきたいと思います。

まずは、歴史的な円高で、空前の産業空洞化の危機を感じざるを得ません。財務大臣の頃から、必要なときには、更なる為替介入も辞さずとの姿勢で各国と連携をしてまいりました。これからも、各国ときっちりと連携をしながら対応させていただきたいと思います」と述べた。

また、外交について野田総理は、「新興国が台頭し、世界は多極化しています。アジア太平洋を取り巻く安全保障環境は大きく変動しつつあります。こうした中で、時代の求めに応える確かな外交、安全保障政策を進めなければなりません。その際に軸となるのは、私はやはり日米関係であると思いますし、その深化・発展を遂げていかなければならない」との考えを示した。

そして、「中国とは戦略的な互恵関係を、これも発展をさせていくということが基本的な姿勢でございます。日中のみならず、日韓、日露など、近隣諸国とも良好な関係を築くべく全力を尽くしていきたいと思います。なお、経済外交については今まで通貨や国際金融という面で私なりに取り組んでまいりましたけれども、これからはより高いレベルの経済連携あるいは資源外交等々の多角的な経済外交にも積極的に取り組んでいきたいというふうに思います。特に、元気なアジア太平洋地域のその元気を取り込んでいくことが我が日本にとっては必要」と強調した。

また、「今般の日本の原発災害経験を教訓として、私どもが今取り組んでいること、教訓としていることについても、発信をしていきたいと考えております。早急に主要国の首脳と信頼関係を築くべく、どんどんとこうした海外の主要国との皆さんとの交流も深めていきたいと考えております」と述べた。

そして、「内政が安定して、政治が信頼をされて、ひとつひとつ課題を乗り越えていったときに、ようやく外交力の源泉が生まれてくるだろうと思います。目まぐるしく動く国際情勢のなかで一国財政主義、一国経済主義に陥ってはなりません。そのことをしっかり十分留意をしながら、まず内政で安定した基盤を作りながら、そして元気になった日本がこれまで以上に国際貢献が出来るような、そういう体制を一日も早く作れるように全力を尽くしていきたい」と記者会見を締めくくった。

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