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Highlighting JAPAN

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特集東北~震災から半年を迎えて

復興へののろし(仮訳)

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東北三大祭りのひとつ、仙台七夕まつりは、約400年前から続く伝統ある祭りで、期間中は非常に多くの観光客、市民が訪れる。吹き流しと呼ばれる豪華絢爛な飾りが広大なショッピングストリートに延々と立ち並ぶ様子は壮観で、その飾り付けの美しさは見る人を魅了してやまない。3月11日に起きた東日本大震災のために今年は開催中止も検討されたが、4月末には「復興と鎮魂」をテーマに実施することが正式に決定され、8月6日〜8日の3日間に予定通り開催された。

そんな祭りにさらに熱気と華を添えたのが、7日と8日の両日に仙台城址で開催された“東日本武将隊サミット”だった。いま日本では地域の観光PRのために20組近い、地域ゆかりの武将に扮したグループ「武将隊」が結成されている。今回サミットに集まったのは宮城県、山形県、埼玉県、新潟県など東日本に拠点を持つ全5チームだ。

このうち、地元宮城県仙台市を拠点として活動する「伊達武将隊」は仙台の観光PRのために昨年に結成された。400年前に現在の仙台を中心に宮城県、岩手県、福島県を治めた武将である伊達政宗や、伊達政宗の家臣で日本人として初めて大西洋を横断しヨーロッパに渡航した支倉常長など11人で構成され、戦国時代の衣裳や鎧兜に身を包み演武のパフォーマンスを披露し高い人気を集めている。

伊達武将隊は、東日本大震災発生後の5月から、東北地方に寄せられた復興支援に感謝するため、そして元気に復興しつつある東北地方をPRするために全国の主要都市でパフォーマンスを繰り広げてきた。

「今回の震災に当たっては、世界中から励ましとご支援をいただいた。本当に感謝の念で一杯である。我ら武将隊、世界に向けて東北の元気ののろしを上げようぞ!」伊達政宗に扮する若い男性が雄叫びを上げると、仙台城址に詰めかけた約1000人の観衆は一斉に拍手を浴びせた。そして、伊達武将隊ら5つの武将隊が繰り広げる演武に見入った。

この夏、東北地方では仙台七夕まつりのほかにも各地の伝統ある祭りが例年通り開催された。また、6月に世界遺産に登録された平泉をはじめ、多くの観光地は賑わいを見せ、各種産業も震災前と同様のレベルまで回復している。今月の特集記事は、東日本大震災から半年が経ち、着実に復興へと歩み始めている東北の姿を紹介する。

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