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Highlighting JAPAN

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特集国際社会における日本のグローバル人材育成

日本で育む看護の夢(仮訳)

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千葉県の病院で看護補助者として勤務していた3人のフィリピン人女性が、今年3月、日本の看護師国家試験に全員合格し、看護師となった。看護師になると、医師の指導のもと、採血や注射など医療行為が可能になる。日本で働く外国人看護師の一人、アンジェリカ・タボラさんに山田真記が話を聞いた。

首都マニラで看護師の職に就いていたアンジェリカ・タボラさんが、日本とフィリピンの経済連携協定(EPA)に基づいて来日したのは2009年5月のことだ。約半年間の日本語研修を終了後、千葉県鴨川市の亀田メディカルセンターで、看護補助者として勤務を始めた。

「日本の高い看護技術を学び、将来はそれをフィリピンの看護に活かしたいと思い来日しました」とアンジェリカさんは話す。「まず気がついたのは、日本の看護師は、患者さんの安全性への配慮が非常に行き届いているということです。患者さんの容態の確認や薬のチェックを何度も丁寧に行っており、この点は非常に勉強になりました。また、一人ひとりの患者さんに検査の結果や治療の方法などを、分かりやすく親切にお話しする姿勢にも学ぶべき点があります」

アンジェリカさんは看護補助者として働きながら、日本の看護師国家試験の勉強を始めた。仕事の合間を縫って、1日8時間、勉強に励んだ。毎朝5時には起床し、就寝するのは午前0時であった。

「一番難しかったのは漢字ですね。テキストなどで知らない漢字が出てきたら、一字一字辞書で意味を調べながら勉強を進めてきました」とアンジェリカさんは話す。

看護師となったアンジェリカさんは、国家試験合格後も引き続き、亀田メディカルセンターで働いている。

「患者さんから『いつもありがとう』と声をかけられた時や、自分が担当した患者さんが無事退院していく時などは、とても嬉しい気持ちになります」とアンジェリカさんは言う。「将来、母国に戻ったら大学院で勉強して、日本で学んだ看護の知識や技術を、さらに深めたいです」

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