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Highlighting JAPAN

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グローバリゼーション

外国人留学生を迎え入れる同志社大学: 多様性、伝統、そして進歩の集積地(仮訳)



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かつて日本の都であった京都の町を歩くと、赤い鳥居が立つ神社や、大きな鐘がある荘厳な寺院、そして家々が並ぶ狭い路地のそばを通ることができる。同志社大学は、まさにそのような場所、京都御所の向かい側という京都の中心部に位置している。今出川キャンパスに入った途端にその歴史を感じることができる。入ってすぐ現れる大きな建物は、京都の町に現存するレンガ造りの建物としては最も古いものである。自分が初めて同志社に足を踏み入れ新しい人生の旅を始めようとしている百年前の生徒であると想像することだって難しくない。.

同志社大学は、グローバル30に選定された13大学の一つであり、目標に向かって大きな前進を遂げつつある。選定大学は東北大学、筑波大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学、慶應義塾大学、上智大学、明治大学、早稲田大学、同志社大学、立命館大学。グローバル30とは日本政府が選定した13大学が海外からの留学生の人数を増やし、最終的には2020年までに30万人とすることを目標としたプロジェクトである。海外からの留学生は現在では自国から応募し、オンラインで面接を受け、入学試験に英語で解答し、入学が許可されると英語で指導されている様々な勉学コースを選択することができる。素晴らしい日本文化の体験学習が約束されていることに加えて、奨学制度も充実している。しかしこれらはプロジェクトの基本部分の例に過ぎず、他にも日本人学生と海外からの留学生が相互に良い影響を及ぼし合ってグローバル化に対応するための様々な勉学環境の整備が行なわれている。

同志社大学の歴史は非常に興味深い。この大学は、海外の大学で勉学した最初の日本人と言われる新島襄と、妻の新島八重という二人の有名な歴史的人物によって創立された。新島襄は、日本が依然として鎖国状態にあり、人々の海外渡航が厳しく制限されていた時期に米国に渡った。米国での学問的な経験とこの国でのキリスト教との出会いは彼に深く影響を与え、同志社大学を創立するまでに導いた。

同志社大学の今出川キャンパスは、重要文化財に指定された6つの建物の所在地でもあるが、一方で近代化が常に進められている。本年4月には、ラーニング・コモンズ館が新たにオープンした。この施設は、世界百カ国以上のニュースを検索できるタッチスクリーンテレビを備えたグループワークエリア、アドバイザーが常時待機しているアカデミックサポートエリア、マルチメディアラウンジ、ワークショップエリア、英語以外禁止のゾーン、日本の伝統的装飾品が置かれた畳敷きエリアなどからなる。

大学職員3名に取材したところ、大学に入学してくる海外からの留学生は相当な人数に上っており、自分たちはまさに学生を取り巻く環境の多様化という現実の証人になりつつあると語っていた。学生たちは、言語、文化、宗教、習慣など、互いのバックグラウンドに強い関心を持っている。従って課題となるのは、一層質の高いプログラムを提供することに加えて、世界各国の大学との関係を強化することである。2013年9月現在で39カ国の167の大学と協力関係を構築しており、この数は増え続けている。

職員の一人である松本氏は「我々は当校で勉学する強い意欲があり入学試験に合格した留学生の支援に最善を尽くしたいと思っています」と話している。

同志社大学を選んだ最大の理由について、半数以上の生徒が日本文化と日本社会に関心を持ったためと答えた。京都では日本の伝統的な文化を至るところで見つけることができる。今後の課題として同志社が取り組んでいることは、海外留学生の卒業生が新たに習得した能力を帰国するまでに適応できるようになるため、日本企業とのパートナーシップによる職業支援とそれに伴う日本のグローバル化である。

学生インタビュー

ジャン・ピエール・スティーブさん(ハイチ出身)

授業はハイチの学校とは比べものにならないほど課題が多くて大変ですが、各自が興味のあるテーマを選んでプレゼンテーションすることで、日本社会や経済を多面的に学ぶことができて面白いです。今年の2月には同志社大学の留学生と一緒に、新島襄ゆかりの青森県風間浦村を訪ねるツアーに参加しました。これまで経験したことがないほど寒かったですが、生まれて初めて見る雪景色に感動しました。

高度人材ポイント制

2012年5月、経済成長と産業イノベーションに貢献する高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度が日本に導入された。この制度は、高度人材外国人に出入国管理上の優遇措置をとるものである。 この制度は研究者、技術者、経営管理者を対象としている。申請者は、学歴、職歴、年収、研究実績などの項目ごとに評価される。

付与される優遇措置としては、複合的な在留活動の許容、親の帯同許容、永住許可要件の緩和(在留5年で永住許可の対象とする)、配偶者の就労許容許可要件の緩和、親家事使用人の帯同許可要件の緩和などがある。 詳しくは、ホームページ参照。

http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_3/en/index.html



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